マウンテンロックゴビー

(インドネシア産ボウズハゼ属の一種)

Sicyopterus  sp. 

 外産のボウズハゼ属の魚を店頭で見かけることはあまり多くないのですが、この魚は2004年の年末頃に大量に国内に持ち込まれたようで、ほかにはインドネシアボウズハゼ、トロピカルボウズハゼ、ルリボウズハゼ(日本のものとは別種)などの名前で店頭で多く見かけました。 格も安価だったことから飼育してみようと思った方も多いのではないかと思いますが、ボウズハゼの中でもエサの好みがかなり偏っており、エサの維持という面では飼育がかなり難しい魚だと思います。

 

外見の特徴

 オスと思われる個体は第1背びれが非常に長く伸び、このひれに色が乗ったらかなりかっこいい魚になるだろうと期待して飼育しております。 第3条と第4条の間は裂けたように見えますが、これは本種の持つ特徴のひとつのようです。

 ウズハゼ属の魚であることは確かなようですが、日本のボウズハゼ、ルリボウズハゼのどちらとも異なる模様の体色を持っています。 だし、模様が淡いときの体色はルリボウズハゼよりもボウズハゼに似ています。 た、ルリボウズハゼよりもさらに体が短く、かなり寸胴な印象を受けます。 の鼻先の模様を見ると、ボウズハゼでは目立った模様は無し、ルリボウズハゼでは鼻先の中央に黄白色の大きな斑紋が一つあるのに対し、この魚では体の黒い縦帯から連続する太く黒い帯が上唇に沿ってあります。 かし、体調や気分などによって目の下の黒い涙状の模様以外は不明瞭になることもあります。 にはルリボウズハゼに似た1本の太くて黒い縦帯が現われることがありますが、これはルリボウズハゼと違って不連続になり、どちらかというと6本ある太い横帯の方が目立ちます。 の横帯の中にはさらに明色の斑点が見られることもあり、特徴的な模様になります。 のほか、尾びれの端部にはルリボウズハゼに似た淡色の縁取りがあり、これは体色の具合によらず見られます。 緒に店頭にいる魚がすべて同一の種類かどうかが定かでないので何とも言えませんが、メスらしい個体は第1背びれの軟条が若干伸びる程度なのに対し、オスは第1条と、特に第2、第3条が体のわりに極めて長く伸び、第3条と第4条の間は幅が広くなっています。 れは裂けた傷が治った痕のようにも見えますが、店頭の複数の個体に見られたことから考えると本種独特の特徴なのかもしれません。 雄ともに第1背びれには模様がなく、第2背びれには基底部付近に不明瞭な小斑点が並んで見られます。

 

 

分布状況

こちらはメスと思われる個体。 ひれをなかなか広げてくれないのですが、第1背びれはわずかに軟条が伸びる程度で長くは伸びません。 

 頭での名前にもあるとおり、インドネシアから来た種類のようですが、詳細は不明です。 度に大量に採集されたようで、成魚が高い密度で生息しているのか、あるいは遡上する時期に若い個体を大量に採集したのかなどが予想されます。 かし、いずれにしても採集がしやすい魚とは言えないので、大量採集される手段や生息数の状況などについては不安が感じられます。

 

飼育・生活

盤の吸着力が強くて水槽内でも流れのあるところを好むことや、マウンテンロックゴビーという名前からも上流域に生息する魚であることが連想されます。 の魚を飼育する上で一番注意が必要なのはその食性で、ほぼ完全な草食性のようです。 ウズハゼやルリボウズハゼでは動物系のものも多少は食べる個体が多いのですが、この魚は全くと言っていいほどそれらのものは食べず、困ったことにプレコ用の配合飼料も食べていないようです。 終手段として、コケの生えやすい水槽に石を入れ、しばらくしてコケが生えたものを飼育水槽に移動するという方法でなんとか飼育できています。 かし、コケの生える早さにも限界があり、なかなか苦戦しています。 うしている間に他のエサに慣れてくれれば助かるのですが・・・。 格としては気が荒い面があり、特にコケを与えたときには餌場を中心にしてとても強い縄張り意識を持ち、同属の魚のみならず、ヨロイボウズハゼ属やナンヨウボウズハゼ属の魚まで追い払います。 たがって、狭い水槽で他のボウズハゼ類と一緒に飼育すると優位の1匹だけが残る結果になりかねないので、60cm以上の水槽で飼育するのが無難ではないかと思います。 方の魚なので高温の適応範囲は広いと思われますが、上流に生息することを考慮して20℃前後で飼育するのが良いのではないかと思います。 育水槽内で発生するコケも食料として最大限に利用するならば、ヤマトヌマエビやイシマキガイのようなコケをよく食べる生き物とは一緒に飼育しない方がよいかもしれません。 の魚のコケを取る力はそれらの生き物と同レベルのものがあり、水槽のガラス面は常にきれいな状態になります。 サの問題さえクリアできれば飼育が困難な魚ではないでしょう。

 

 

★★★ もっと マウンテンロックゴビー! ★★★

 の模様が淡いときには特徴がない魚のような印象もありますが、ボウズハゼ属の中では体の短い独特の体型は可愛らしさも感じられます。 第1背びれは青白い色に染まっていきそうに見えます。
スらしき個体は上唇の下端部に沿って黒い色が出るようです。 の下の涙状の模様が下まで伸びずに三角形で小さいのも特徴的です。
スらしき個体は第1背びれが極端に長く伸びます。 2・第3条がともに同じくらいの長さになるようです。

 の模様を見ると日本にいるボウズハゼやルリボウズハゼとは異なる模様をしていることがわかります。 目の間の距離が微妙に短めに見えます。
   

 

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