ブルームーンボウズハゼ
(インドネシア産ボウズハゼの一種)
Stiphodon semoni ???

店頭で2003年の末頃にかなり大量に売られていたインドネシア産の個体で、販売時の名前はブルームーンボウズハゼ、メタリックブルーゴビー、ネオンブルーゴビーなど。 婚姻色が引いた体色は一見コンテリボウズハゼ(Stiphodon atropurpureus) に良く似ているのですが、胸びれ基底の上部にウロコがないS. semoni というよく似た種類がインドネシアから報告されているそうです(向井さん情報より)。 この魚も種という観点では詳細は不明です。 なお、本種とオレンジフィンボウズハゼはよく一緒に売られており、同所的に生息していて一緒に採集されていることが予想されます。
外見の特徴
写真で部分的に注目してみると、、コンテリボウズハゼは胸びれ基底の上部、背中の中心付近にウロコがあり(ちょろっとですが・・・)、ブルームーンボウズハゼではうろこが無くてツルっとした感じに見えます。 しかしこれはとても微妙なので、将来、婚姻色などの特徴に差が現れてくれるとわかりやすいのですが・・・。 ちなみにナンヨウボウズハゼはまた異なる並び方をしているようですね。
体型はコンテリボウズハゼと同様に背中がやや平らな丸棒型に近い体型で、オスでは鼻先から尾びれ基底にかけて体側中央に太い暗色縦条が見られます。 この縦条に並んで背中側に金属光沢の帯が走るところもコンテリボウズハゼと同じです。 オスの婚姻色はやはりコンテリボウズハゼに似ているようで、メタリックな色の部分が水色に輝きます。 色が出始めの今の段階では、各垂直びれの地色が透明で点列が見られる程度ですが、これに婚姻色が出るとコンテリボウズハゼのように黒っぽくなるのか、それとも違った特徴が現れるのか、楽しみなところです。 現在のところは胸びれ基底上部の背中以外にはコンテリボウズハゼとの相違点は見当たりません。 メスの体色はナンヨウボウズハゼ属に一般的な縦縞模様ですが、2つの背びれの間あたりでこの模様がモザイク状になるのが特徴的なので、慣れるとナンヨウボウズハゼともコンテリボウズハゼとも判別ができます。 コンテリボウズハゼとは頭部の背中側のウロコの並び方に違いがあるStiphodon semoni という種類がいるそうで、本種はこの種類ではないかと思います。
分布状況(生息地域)
お店の方の話ではインドネシアからやってきた種類だそうで、オレンジフィンボウズハゼと区別されずに輸送されてきたようです。 なお、Stiphodon semoni という種類は日本の河川では今のところ発見されていません。
飼育
飼育当初の性格はシャイなようですが、慣れると隠れないようになり、攻撃的になってきます。 コンテリボウズハゼもはじめはそうだったのですが、色が派手になるとともに見事ないじめっ子に成長したので、この個体も末恐ろしい雰囲気は感じます・・・。
水槽に入ってしばらくはおとなしく、臆病な面を見せますが、環境に慣れて体調がよくなってくると徐々に攻撃的になってきます。 したがって、コンテリボウズハゼと同様に単独行動型の凶暴な種類であると言えそうで、本種のオスを一緒に複数飼育したり、同じ属の集団行動型の種類と飼育したりすると本種の強い個体が攻撃するので注意が必要です。 この性格はメスにも若干見られ、ナンヨウボウズハゼに見られるメス同士の小競り合いよりも明確な縄張り意識を持ちます。 コンテリボウズハゼと同様に草食中心の雑食性のようですが、個体差かもしれませんが同じ魚を飼育しているしんたる氏からは赤虫を食べていたとの情報もあります。 本属の魚は典型的な昼行性の魚がほとんどで、夜になると照明がついていてもどこか石の下に隠れてしまいます。 ナンヨウボウズハゼ属の魚はどれもそうですが、本来は昼間に明るいところで活発に行動するので、砂利などに潜ってしまって出てこないようであれば彼らにとって落ち着ける環境でないと考えた方がよいでしょう。 水槽の照明をつけている間はいつも隠れ場所から出てきてボウズハゼ運動をするような環境を用意してあげるとオスの体色もどんどんよくなっていきます。
余談 : 本種とオレンジフィンボウズハゼは繁殖期も不明で水槽ではなかなか成熟しないようです。 それは採集時のダメージによるものかも知れず、本種は単独行動型にもかかわらず店頭には多数の個体が見られることもあるので、現地では非道な手段で採集が行われているのではないかと心配されます。 心無い採集によって本種が現地で絶滅するようなことは大変悲しいので、飼育している個体以上に購入することはするまいと私は考えています。 仮に一人の飼育者が1ペアずつ購入したとしても全体としては売れる魚として扱われて更なる採集圧がかかるかもしれないので難しいところです・・・。
★★★ もっと ブルームーンボウズハゼ! ★★★
体の光る部分は、斜め上から見ると緑色が強く、側面から見ると青みが強く見えます。 これもコンテリボウズハゼと同じです。
時折メタリックな部分は青く、あごのまわりは紺色に・・・。 将来有望です。
やはり背中のウロコは胸びれ基底からウロコ数枚分後ろから始まっていますね。 この点以外は今のところコンテリボウズハゼと区別がつきません。 こちらは国内産のコンテリボウズハゼ。 ウロコはちょうど胸びれ基底付近から始まっています。 しかし、ウロコの位置についてどのくらいの個体差があるのかが分からないので、何とも言えないのが現状です。 メスの頭部のアップを撮影してみると・・・オスに比べてかなり前方からウロコがありますね。 どうも、この雌雄差はナンヨウボウズハゼ属によく見られるもののようです。 オスの体色の多様さに比べて、どれもよく似た姿のナンヨウボウズハゼ属のメスたち。 慣れると判別できるものも多いのですが、本種のメスは2つの背びれの間あたりの部分で体の縦帯がモザイク状をなすことが特徴です。 手前にいるナンヨウボウズハゼと比べるとわかりやすいでしょうか。
本当はこのように見晴らしのいいところが好きなのですが、攻撃的な性格のオスに場所を奪われてしまうことが多いのが少しかわいそうなメスであります。 本種はメスも同属の多種のメスを追い払う行動を見せます。
体調も安定してきて、オスはけっこう美しくなってきました。 第1背びれと第2背びれの間あたりで体の模様がモザイク状になっており、これはメスと共通の特徴のようです。 これはコンテリボウズハゼには無い特徴です。