リップスティックゴビー
(インドネシア産アカボウズハゼ属?)
Sicyopus ???

店頭でいくつかの種類が混じっていた中にいたインドネシア産の魚で、唇の形状や闘争心の強い性格からして、アカボウズハゼ属(Sicyopus)ではないかと思います。 はじめ飼育していた個体はメスだけだったのですが、後に明らかにオスと思われる個体に遭遇できました。
外見の特徴
体型はやや側偏した円筒形で、体のわりに鼻先が短いこともあってかなり長い印象を受けます。 メスの背びれや尾びれには小さな斑点が少し見られるようですが、雌雄ともにあまり目立った模様はありません。 背びれは雌雄ともに2つとも小さく、ウロコは第一背びれ付近から前にはありません。
体が半透明で、第一背びれの前にはウロコが無い様子がよくわかります。 この個体はメスで、目の下の黒い模様など、アカボウズハゼのメスとよく似た印象を受けます。 顔は短く、体が長い印象を受けます。
体の色はやや飴色を帯びた半透明の灰白色で、オスは上唇と体の後半部のお腹側が鮮やかな朱色に染まります。この朱色はメスを追う際には一層鮮やかに発光しているように見え、この部分にさらに明るい色の横帯が数本現れます。 このときには体の前半の朱色に染まらない部分が黒くなり、細かい模様がないことからフデハゼ以上にフデっぽい姿になります。 求愛行動中でもこれ以上に特別な体色は示さず、背びれや尻びれの端部に青白い縁取りが多少現われる以外はひれにも模様はありません。 背びれの大きさは小さくてメスとあまり変わりません。 このあたりは日本の近縁の魚で言うとカエルハゼに近いのではないかと思います。 ただし本種は川の淵よりも瀬や淵頭を好むのではないかと思われます。 厳密に同種かどうかはわかりませんが、同様に海外から入国したことがある種類に「リップスティックゴビー」というものがあり、これはその名のとおり上唇に赤い色が出るのが特徴的な魚でした。 観賞魚書籍などで見る限りはそれとは別種のように見えますが、このタイプがリップスティックゴビーとして入国することもあるかもしれません。 メスではこの朱色は現れず、目から口の横に向かって涙状の黒い模様があります。 上唇は厚く、ボウズハゼ運動はしなさそうな形をしています。 体長は7cm前後が普通のようで、日本の小型ボウズハゼ類と比べると少し大型(というか長い)のようです。
分布状況
インドネシア産ということ意外、詳細な分布は全く不明です。 なお、日本には生息しません。
生活・飼育
体調によって赤みを帯びた飴色になり、輝橙色の縞模様も現れるメス。 メスしか飼育していなかった頃はオスかも、と思っていたのですが、オスらしいオスと比べると顔つきも鼻先が短く、メスであることがわかりました。
水槽での行動を見ていると、日本のアカボウズハゼよりも吸盤が強く、石やガラスに好んではりついているのをよく見かけます。 すなわち、実際の生息地でも水流の強いところを好んで生息しているものと思われます。 また、闘争心と警戒心が非常に強く、深追いこそしませんが、視界に近縁の魚が見えるとすぐに追いやりに行きます。こちらが水槽の前に顔を近づけるとサッと奥へ逃げ、動きはヨロイボウズハゼの仲間よりもかなり機敏に感じます。 幸いナンヨウボウズハゼ属などの比較的縁が遠い魚を追わないので、近縁の種でなければ一緒に飼うことができ、エサもアカムシを好んで食べてくれるので、飼いやすい魚であると言えそうです。 ただし、闘争は激しいので、多くの個体を一緒に飼うことは避けたほうがよさそうです。 求愛行動はシンプルで、オスがメスを巣穴に誘うときでも踊ったりひれを広げて姿を誇示したりすることはありません。 オスはメスの前で一瞬止まって、朱色の美しい体をメスに見せて、すぐに巣穴に入ってしまいます。 オスはこれを何度も繰り返し、メスはそれを動かずに見ています。 やがてメスが求愛に応じるとオスの後を追って巣穴に入っていきます。 卵はボウズハゼ類に一般的なとても小さい小卵で、孵化後に海に下る両側回遊魚であると思われます。
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★★★ もっと リップスティックゴビー! ★★★
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鼻先は短く、唇は分厚いので、ボウズハゼ運動よりも動物系の生き物を捕食するのに適しているようです。
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メスは模様がほとんど無く、体も透明感がかなりあります。
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オスは唇と体の後半の朱色がとても鮮やかです。 また、第2背びれの基底付近が輝いて見えることもあります。
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アカボウズハゼと異なり、傾斜のある岩面やガラス面にも好んではりつきます。 ホバリングもほとんどしません。
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メスを追うときに一瞬で色が一層鮮やかになり、体の前半部は黒くなります。 このときの朱色は燃えるようというか、蛍光ペンのように発光しているようにも見えます。
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メスは体もひれも無色透明といった感じです。
オスもひれには目立つ模様が時に無いようですが、尻びれの端部は青白く光るようです。 肉食傾向が強いですが食が細く、太りすぎるほどには食べません。 体調の良いオスでも常に細くスマートな体型です。