ヒラヨシノボリ
Rhinogobius sp. DL (depressed large-dark)

外見の特徴
平らな体をしていて、胸びれが大きく、急流に適した体を持つヨシノボリです。眼から鼻にかけての赤色線は太く、後頭部から背中にかけて暗赤色の縦条が数本見られるのが特徴的です。胸びれの根元寄りには丸くはっきりとした黒点があり、これがオオヨシノボリと共通する特徴であることから、ヨシノボリが一種にまとめられていた当時は「南黒色大型」と呼ばれていました。
胸びれの黒色斑と頭の後ろの縦縞模様が特徴的です。
オスの第一背びれは伸びますが、第二背びれやメスの第一背びれが小さめなのも急流に適しているのかもしれません。体の色は体調によって変化しますが、体の模様もはっきりしないほどに黒っぽい色をしていることが多いようです。婚姻色の出たオスは体の黒さが一層増し、背びれや尾びれの縁がきれいな青緑色に染まります。また、口元には黄色い色が現れることがあります。雌雄共にお腹側が平らな体をしていますがオスは体型がメスよりも細身で、同じ種類には見えないくらいです。大きさは最大で9cm くらいだと思われます。
分布状況
南西諸島の河川の上流域に生息します。本種が好む環境が限られているのか、西表島以外では生息する河川が少ないようです。
生活
流れに逆らう時には体をぴったりとくっつけて低い姿勢をとります。
河川の上流域で川底が岩盤になっているようなところを好み、流れも速いところを選んで岩肌にはりついています。しぶきの立つような淵頭やポットホールの壁面などでよく見かけます。流れてくるエサを待っているのかもしれませんが、壁面のコケを食べている様子も見られます。ゆっくりと接近すると以外に鈍いのですが、逃げる時には素早く逃げていきます。この手の急流ハゼはこういった様子を見かけることが多いですが、例えば繁殖行動など、急流でないところではどのような生活をしているのかは謎が多いようです。
飼育
体調によって口の横に黄色い色が現れることがあります。
生活場所が急流なので水槽にも流れを用意してあげないと落ち着かないようです。上部ろ過の水の落ち込みなどに向かってじっとしているのが好きな様子で、現地での生活と同様にガラス壁面にはりついていることも多くあります。ヨシノボリらしく普通に闘争をするのであまり高い密度では飼育しないほうがいいでしょう。飼育下では動物性のものを中心に食べます。急流性なので、酸素は十分に与えてあげましょう。産卵行動については詳しいことはわかっていませんが、両側回遊魚のようです。