こでは、このサイトをご覧いただくにあたって知っておいてほしいことや伝えていきたいこと、よく質問されることなどを「このサイト(サイト作者)の考え方」としてまとめました。 同をお願いするものではありませんので、ご覧いただいたみなさまに、日ごろ目を向けていなかったことについて考えるきっかけにでもしていただけたら幸いに思います。

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          ● まずは大人が誤りを認識しよう。
          ● つぎに安易な放流をやめよう。
          ● 外来種問題を正しく認識しよう。
          ● 飼育魚の放流はツボカビ病のもと。
          ● 生息場所や採集場所絶対非公開
          ● 飼育するのは良いこと? 悪いこと?
          ● 魚は採集して入手するのが一番

          ● 魚をショップで購入するときには要注意

          ● どうしてハゼが面白いのか。 

 

まずは大人が誤りを認識しよう

 採集されるヨシノボリのほぼすべてが琵琶湖産の個体の特徴を持つトウヨシノボリという場所も今や珍しくない。 ヨシノボリを放流することは考えづらく、毎年放流するアユが琵琶湖産のものであることが容易に想像できる。 それに混じってきたトウヨシノボリが大繁殖している陰では、元来生息していたヨシノボリ類が交雑や淘汰によって生息場所を奪われたことだろう。

 新聞やニュースの記事を見ると、自然に親しみを持ってもらいたい、命の大切さを知って欲しいなどの言葉を掲げて各地の河川や湖沼で放流行事が行われていることがわかります。 かし実際には、これらの放流のほぼすべてが自然環境にダメージを与える行為なのです。 れが何故なのかは次で述べることにしますが、そのことをほとんどの大人が知らないで放流を繰り返しているという事実がまた大きな問題です。 然を守るために放流する、豊かな環境を取り戻すために放流するという活動のほとんどがその主旨と矛盾した行動であることになります。 ういった活動の主役には子供たちが招かれることも多く、放流が生き物のために良いことなのだと教わり、疑わずに笑顔で魚を放流します。

 催する大人たちが放流こそ環境に良い活動だという信念を抱いている場合は、単純に魚の種類と数が豊富であれば自然が豊かなのだと思い違いをしていることがほとんどです。 の場合は、環境によくないことをしている感覚は無いまま放流活動を繰り返してしまうでしょう。 た、環境に良い行動をしているとアピールしたいために団体や企業が主催して放流を行っている場合もあり、特にこの場合は主催者に説明しても放流をやめようとしないでしょう。

 らに頭が痛いのは、各種報道機関も放流がもたらす問題を認識していないということです。 然を守るための活動として、模範的な活動であるかのように放流の現場を報じていきます。 れは地方新聞のみならず、影響力の大きいテレビ各局でも同じように報道します。 のことは、生物の多様性の保護を考慮し、外来生物法(後述)の施行を宣言した環境大臣やその周辺の人たちは認識していなければいけないことだと思います。 ゼの仲間が直接放流の対象となることはあまりありませんが、これらのことを、自然を愛する人たちの共通認識にするためには何をしたらいいのか、考えながら行動しなければいけないなと切に思います。   

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つぎに安易な放流をやめよう。

  に生息する淡水魚は、隣の川であってもほかの川へ行き来することができません。 間の歴史よりもはるか昔から川の流れがおよそ変わっていないことも考えると、我々人間が知るよりずっとずっと前から淡水魚は川ごとにそれぞれ独自の歴史を歩んできたということがわかります。 まり、同じ種類の魚であっても、隣同士の川でさえそれだけの間別の歴史を歩んできたことになり、その違いは現代の技術を駆使すれば遺伝子の違いとしても認識することができます。 ベントで放流される魚は、その川で採集した魚たちでしょうか(そうだとしても問題がある・・・後述)。 とんどの場合は他の場所で採集されたり養殖された魚たちでしょう。 ういった魚を川に放すとどうなるでしょうか。

 えばコイやアユのような魚であれば、もともと川にいた魚と放流魚が交雑して、元来その川にいた個体がそれぞれ独自に持つ遺伝的な特徴が失われてしまいます。 伝的な特徴には、魚の外見的な特徴として現れるものだけでなく、その川だけで生き延びてきた魚の知恵や記憶も含まれています。 じ種類の魚でも遺伝的に異なる個体はまったく別の魚なのです。

 じめからその河川にいた魚を仮に「地区在来魚」と呼ぶとすれば、同じ種類の魚を他の場所から持ち込んで(国内移入魚)放流すると純粋な地区在来魚が絶滅することになります。 

「この川のメダカを増やすために隣の川のメダカを捕まえて放流します。」

・・・これは逆に、わずかに残る地区在来魚のメダカの絶滅に追い討ちをかける行為なわけです。 川や地区ごとに違った歴史を歩んできた地区在来魚の持つ意味は、発掘された古い歴史書とちょうど似ているのではないかと思うことがあります。 とえば、ある川と隣の川とでそれぞれ古い歴史書が見つかったとします。 冊の内容を見ると、どちらの川でも同じような工事や治水整備を古墳時代から行ってきたことが書かれていたとして、同じ内容だからといって一方を捨ててしまうことがあるでしょうか。 ・・・それはないですよね。 る水域でブラックバスがいっぱい泳いでいることと、ほかの川から持ち込んだメダカやヒメダカがいっぱい泳いでいることは、同じように悲しむべき光景であるという認識が必要だと言えるでしょう。

 れは同じ種類に限ったことではなく、実例としてはヤマメしかいなかった川にアマゴを放流した結果、雑種化が進んでしまっていることや、タイリクバラタナゴが中国から持ち込まれて純粋な日本のバラタナゴが絶滅寸前に至っていることなどがよく知られています。 ゼについて言えば、琵琶湖のアユに混じって各地に放流されたトウヨシノボリが放流先のトウヨシノボリと交雑している例などが実際に各地で見られます。

 ユの釣り解禁を前に全国各地に琵琶湖のアユが毎年放流されていることを考えるとゾッとしますし、もちろんアユも琵琶湖の個体の遺伝形質が広まり、多くの場所で元来のアユの特徴がすでに失われてしまっています。 川で見られるアユが海に下って帰ってくる習性を失って小型化した結果、大きいアユが減ったという証言が聞かれたり、縄張りを持って闘争する性質が薄れて「友釣り」で釣れなくなってきているといった現象も発生しているようです。

  く見かける金魚や錦鯉、ヘラブナなどの放流も、在来のフナやコイとの交雑のほか、水生植物を食べたり掘り起こしたりしてしまって他の小魚の隠れ場所を奪ってしまう問題も発生しています。 れ場所やそこにあるエサを奪われた小魚は、隠れ場所のおかげで元来共存していた魚にさえ食べられてしまったりして、最終的にはコイしか住めない川になってしまうことも多くあります。

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● 外来種問題を正しく認識しよう。

 国内移入種に関する注意を促す掲示はまだ少ないが、外来魚の放流が危険であるという認識は広まりつつあるようだ。 ブルーギルが悪者風に描かれているが、彼らは人間に翻弄される被害者でもある。 守りたいもののことだけを考えて安易な行動をとると、別の生き物を滅ぼすことにもなりかねない。

 来魚の代表のように語られるブラックバスやブルーギルは、日本に持ち込まれて以来、全国各地にゲームフィッシングのために放流されて広まりました。 れらの魚は在来魚の成魚や稚魚のみならず卵まで食べてしまったり、在来魚のえさや生息場所も奪ってしまうなど、在来魚にも多大な影響を及ぼしています。 例はほかにもたくさんあり、明治時代から本州の湖沼で放流され始めていたヨーロッパのブラウントラウトが近年北海道で放流され、サケやイトウの稚魚が食べられる被害が目立ってきたために駆除が始まっている例もあります。 た、茨城県では中国のオオタナゴが大繁殖して、他のタナゴ類の繁殖を深刻なレベルで阻害していることも知られています。 

 となってはブラックバスやブルーギルは害魚として認識され、駆除の対象になっています。かし、害魚でも外来魚でも、魚たちは悪くないということは知っておかなくてはいけません。 らは気が付けば各地に運ばれてしまっていたわけで、そこで彼らは普段の生活や、彼らなりに生き残るために必死になって生きているだけなのに、忌み嫌われて駆除の対象にされてしまっているのです。 

 れらの外来魚の放流の陰では、釣りの愛好者だけでなく、市場の拡大や維持を狙っているのか、釣具メーカーなどの業者も関与していると聞きます。 のほか、個人的に好きな魚をほかから持ち込んだりすることも、取り返しのつかない結果につながります。 

 2005年半ば、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)が施行され、いろんなメディアを通じて外来生物に関心を持つ機会も増えたようです。 のところハゼの仲間で特定外来生物に指定されている魚はいませんが、ヨシノボリ類などは特定外来生物によって大きな被害を受けているものもあります。 また、国産のハゼにはもしも日本に定着したなら在来の種類に大きな被害を及ぼしかねないものもいるため、外来生物に触れる機会のない方でも一度は考えてみて頂きたい問題だと思います。

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飼育魚の放流はツボカビ病のもと。

 中国産ヨシノボリは、安価で飼育も容易なために人気のある外国産淡水ハゼだが、繁殖も容易な上に一生を淡水で過ごし、低温にも比較的強いことから、放流してしまったら日本でも定着してしまうことが予想される魚。 繁殖に成功した後もすべての個体を最後まで水槽で世話することを意識しておかなければならない。

 集して水槽などで繁殖した魚を、捕まえた河川に放すのも問題があります。 殖して増えた魚を川に放すと、少ない成魚から増えた多くの稚魚を放すことになります。 の稚魚たちは、遺伝的な個性や可能性が自然よりも明らかに少ない、偏った遺伝子を持つ魚たちです。 

 来なら多くの成魚がそれぞれ持つ多様な遺伝子が存在し、たくさんの個体がそれぞれ少しずつ異なる遺伝子を持つことであらゆる環境下でも全滅を逃れて一部が生存できるような多様性があります。 るでクローンのようにたくさん繁殖した魚を放流することはとても異常なことです。 れは、雌雄2匹による一度の産卵で生まれた多数の稚魚のうち、成魚にまで育つのは1匹か2匹くらいであることからもわかります(親の数よりもっと多く無事に育つなら、魚は増え続けるはず)。 ローンという例えが良いかどうかはわかりませんが、例えば環境の変化に弱い個体の子孫を多数放してしまうと、後の世代にも大きな影響が及び、実際に環境が変化したときに多くの個体が命を落とし、絶滅するということも起こりうるでしょう。

 殖をさせていない飼育魚の放流にも問題があります。 槽の水や一度飼育した個体には河川の水には含まれない物質や病原菌などが含まれていることがあります。 とえば水槽に使用した水や水質調整材、ショップから購入したものに含まれていた水などがはたらいて水槽内である有害物質が増えていた場合、その物質も川に持ち込んでしまうことになります。 流した川の魚たちがその病原菌に耐える力を持っているかどうかも川によって異なるでしょう。 れは家庭用の池のような飼育環境の場合にも、大雨のときに飼育水が川に少しでも流れるようなことがあったり、飼育環境で飼育した魚を捕まえた川に戻したりすることもいけないことであることがわかります。 

 のほかにも、隣の川ではある水生昆虫を好んで食べていた魚を隣の川に持ち込んだ場合、持ち込んだ川ではその水生昆虫が少なくてほかの水生昆虫や魚の稚魚も食べ始めた、といったことも予想されます。 まり、どんな環境からの放流であっても、川の生き物に影響がないと言い切ることはできないのです。 た、逆に言えば放流という行為さえゼロにできれば、現状のまま迎える未来に比べて、多くの自然を守ることができるでしょう。 

 れはもちろん魚類に限った話ではなく、カミツキガメやミドリガメ(=ミシシッピーアカミミガメ)を飼えなくなって放すのも、ホタルを放流したり、そのエサのカワニナをほかから持ち込んで放したりすることも、旅行先で捕まえてきたアブラゼミの命があとわずかだから近所に放してあげるというのも、みんないけない行為であることがお分かりいただけるでしょう。

 

 上はモグルンダ属(パープルスポットガジョンの仲間)の一種の幼魚と思われる正体不明のハゼ。 下は、パープルスポットガジョンと呼ばれる魚の一種(成魚)。 

 ハゼの仲間といえど、カワアナゴの仲間には30センチを越えるものも多い。 幼魚で売られているものも多く、どのくらい大きくなるかというのははっきりとイメージして飼育しなければならない。 そして、予想以上に大きくなったとしても、飼育できないから川に放すということだけは避けなければならない。 

 2007年1月13日。 生のカエルにある真菌が流行した場合、その原因となる真菌を根絶できずにカエルが絶滅してしまうかもしれないという、衝撃的なニュースが新聞やマスコミから報じられました。 ツボカビ病(ツボカビ症)の原因となるツボカビは、外来生物としても世界ワースト100に入れられる真菌で、感染したカエル(外国産のものや、それと同じ水を介して店頭で飼育されたものなど)をペットとして飼育した際の水は排水口のみならず野外にも流してはならないそうです。 れはもう、カエルに限らず外国産の生物の輸出入を完全に禁じる法律の必要性を示唆しているのかもしれません。 の問題は世間にも衝撃を与えたものの、時を同じくして発生した鳥インフルエンザの報道などに紛れて、事の重大さはあまり認識されずに終わったように思います。 た、魚を飼育している人の中には、同じような事が魚についても発生したらそのときはどうしようと考えた人もいるかもしれません。 

 はそこにすでに大きな盲点があります。 ボカビ病は今のところ魚類に影響がないとされていますが、それはすなわち、魚を飼育している水を見てもツボカビが含まれているかどうかが判別できないということでもあります。 までどおりの排水方法では、魚を飼育している人の手によってカエルが絶滅することも十分に起こりうるわけです。

  た、人間が到底把握できないほど生態系は複雑なものです。 エルがもし絶滅した場合、それ自体が悲しむべきことであるだけでなく、カエルが食べていたハエやカが大増殖したり、カエルを食べていた鳥や獣も絶滅してしまうことも予想されます。 らにその先に連鎖して起こることにいたっては、もう想像することもできません。のようなことにならないよう、今のままよりはわずかでも危険を避けるべく、私は飼育排水を捨てる前にカビ取り洗剤などで殺菌をしてから流すことにしようと思っています。 剤を多く流すのはそれもまた問題なのかもしれませんが、洗剤は下水処理で化学的に中和できると思うので、菌を自分の手元から流出させないという意味で当面この方法でいこうかと私は思っています。 う思うと、飼育水を川に流すことや、それと同じ結果となる飼育魚の放流は絶対に避けなければならないことが分かりますし、金魚や錦鯉の放流がいかに危険なことであるかも再認識させられます。

 が好きな人には魚以外のものが見えにくいものですが、魚が一種類滅びることと微生物が一種類滅びることに重要性の違いは本来ありません。 き物が生息する環境全体を守っていかなければならないということですね。 流という行為は、思ってもいなかった生き物の絶滅につながる危険性を常に持っていると考えなくてはいけません。 た、ある生き物が絶滅して取り返しがつかなくなってから気が付いたのではもう遅いのです。

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生息場所や採集場所は絶対非公開

 

 トウヨシノボリは地域変異が大きく、 それは彼らが各地で独自の歴史と知恵を積み重ねてきた魚であることの表れでもある。 中にはごく狭い池の中で細々と暮らしてきたトウヨシノボリもいる。 生息地を公開したことによる採集圧で絶滅の危機に追いやられる魚は、決して絶滅危惧種だけではない。

 写真は関東平野の異なる場所のトウヨシノボリのオス。 体色や体型、ひれの形などの形態だけでなく、場所ごとに違った生きる知恵を彼らはもっているはずである。

 水魚の生息場所は、不用意に公開すると心無い採集者や採集業者に生息場所の情報を提供することになります。 た、前述の地区在来魚という観点で見ればわかるとおり、ある魚種が絶滅危惧種に指定されているかどうかよりも、生息場所ごとにどのくらいの絶滅の危機がその魚に及んでいるかを考えなくてはなりません。 る場所でギンブナをたくさん採集した結果、ほかの場所にはない個性をもったその場所のギンブナが滅んでしまうことは、ある場所から絶滅危惧種が絶滅することと同じことなのです。

 もが信頼して見るテレビ放送局の番組でさえ、「今回の舞台は○○県の●●川。」というように具体的な場所の公開をあたりまえのように行っています。 れには番組制作担当者に理由も添えて問い合わせのメールを送ったことがありますが、情報の具体性を重要視しているのか、姿勢を変えてくれないようです。 のほかの内容が面白い番組なだけに残念です。

 れはインターネットを活用して情報のやり取りをする我々も意識しておかなくてはいけないことです。 もサイト上で場所の特定につながる表現は避けようと考えていますし、掲示板にお越しいただいた方の投稿の中で気になる表現があった場合は修正させていただくこともあると思います。 ちらのサイト上でのことに限らず、ネット上のあらゆる場所でやりとりをする情報についても気をつけて取り扱うことが大切だと言えるでしょう。 むを得ずそういった情報のやり取りが必要なことがあれば、不特定多数の人に情報を流さないために、ごく信頼できる相手とのやりとりに限ってメールなどの手段を使うのがよいでしょう。 集業者の中には悪質な人もいて、仕事としてお金を稼ぐために愛好家を装ったり、研究者向けの文献や研究発表から情報を収集している人もいるといいますから、情報のやり取りをする相手には十分な注意が必要です。 

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飼育するのは良いこと? 悪いこと?

↑美しいアヤヨシノボリのオス。 奄美の住宅街のコンクリート河川でこの魚に出会ったことが、私をハゼの世界に引き込んだ。

↑求愛行動時に体色が格段に鮮やかになるヨロイボウズハゼ。 図鑑や河川での観察では見られないこの姿をこの魚が水槽で見せてくれたことで、求愛行動観察に強く興味を抱くこととなった。

 自身、河川から魚を水槽に連れてきて飼育することで、河川の魚の減少に追い打ちをかけるようなことはしたくないですが、しかし飼育を通して魚が与えてくれるいろんな幸せには触れていたいという葛藤を持っています。 れは河川ごとの状況として、その魚に絶滅の危機がどの程度深刻に迫っているかにもよるので、その魚の生息数を脅かさないように心がけて飼育を続けることは可能であると私は考えています。

 うすれば彼らと共存しつつ飼育ができるかという意見や考えは人によって様々で、どれが正しいというのは安易に判断できなくなっています。 して私なりに、こうすることが、あるいはしないことがベストだろうという考えをもって魚たちと接しています。 分の考えが本当に正しいかどうかは私には判断できません。 だし、魚を飼育することによって学ぶことが多いのも事実で、誰も飼育をしなくなってしまったら魚への興味そのものが世間から無くなってしまうのではないかと思います。 た、興味を持つ人がいなければ守れない自然もあるかと思います。

 の個人的な飼育の楽しみは、単純に水槽で彼らの美しい姿や愛らしい行動を見られる感動のほか、それと同時に自然下では観察が困難なことを水槽で観察することにあります。 のほとんどは繁殖行動で、試行錯誤しながら飼育した結果、魚たちが一生で最も必死になる瞬間である繁殖行動を見せてくれたときには、なんとも言葉にできない感動があります。 た、その瞬間にだけ最も美しい色を身にまとう魚も少なくありません。

 間は地球のことをすべて知っている生き物のように見えても、知らないことがまだまだいくらでもあるところが自然の面白さだと思います。 れを自分の目で見つけられるかもしれない、あるいは見つけたいという思いが私を川のハゼの魅力に引き込んだものだと思いますし、飼育と観察を続ける原動力になっているのだと思います。

 育を始める、もしくは続ける理由というのは人それぞれだと思いますが、漠然と飼育を始めたことで後悔することのないよう、皆さんにもしっかりとした考えを持って飼育を楽しんで頂けたらと思います。 述のとおり、飼育魚の放流のことも考えると魚は最後まで自分の水槽でしっかり面倒をみてあげなければなりませんし、飼育にあたっては特に水槽に入れる魚をどのように入手するかについても考えていただきたいところです。

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  魚は採集して入手するのが一番

↑南西諸島におけるクロヨシノボリの生息環境はこのようなところ。 ヨシノボリでも種類ごとに好む環境が全く異なる。 河川によっては、絶滅危惧種のキバラヨシノボリよりも、指定されていないアヤヨシノボリが少ない河川もある。 また、南西諸島全域での個体数という観点で見れば、最も数が少ないのは実は危惧種指定のされていないヒラヨシノボリかもしれない。

 育する魚を入手する方法というと、主に河川での採集とショップからの購入のどちらかでしょう。 育する魚を採集によって入手することには以下のような多くの利点があります。

 

@実際に生息している場所を見ることができる。

 →の魚が本当に好む環境を知ることで飼育の工夫に活かすことができます。 シノボリ類のように適応力のある魚はどんな環境で飼育してもある程度耐えてくれますが、それでも繁殖行動などは生息地の環境に特化した要因もあるため、行動や婚姻色を水槽で見たい場合には現地の環境が大変参考になります。

 

A自然下での最も美しい姿を見ることができる。

 →集した美しい個体を一度でも飼育してみると、本来の美しさを水槽で再び見せてもらうことはほぼ不可能であることを痛感します。 に、地味だと思っていた魚が河川で見ると驚くほど美しかったりすることもあります。

 

B魚の生息状況を確認できる。

 →少とされる魚でも数が回復したりして意外と多く生息しているのか、それとも自分がほんの少し欲張って採集しただけでもその場所でその魚を見るのが最後になってしまうのか、魚を採集するたびにそんなことをまじめに考える機会になることはとても大きな魅力です。 しくないとされる種類の魚でも、その場所に多くいない魚は個人の採集の仕方次第でその場所からいなくなってしまいます。 れは人為的な地区在来魚の絶滅を意味します。を採集するとき、1匹捕れば1匹、10匹捕れば10匹、生息地の個体数が減ることは事実として起こります。 の数の及ぼす影響の大きさが魚の種類と生息する地域によって全く異なるということを忘れてはいけません。 

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  魚をショップで購入するときには要注意

 写真はニジイロボウズハゼが死んでしまった貝類を食べているところ。 ナンヨウボウズハゼの仲間は草食魚であるという情報はショップでもよく耳にするが、飼育してみるとそうでもないことがわかる。 逆に「彼らはハゼの仲間だから小さい魚なら食べてしまう」との話も店員から聞いたことがあるが、口の構造上、生きた魚を捕らえることは困難であることも飼ってみるとわかる。

 ショップでは彼らの生息環境を知ることができないばかりか、店員が彼らに詳しくない限り間違った情報を教えられることもある。

 入の際にはその魚がどのようにして店頭までやってきたかを必ず考える習慣をもって頂きたいと思います。  に生活がかかっている採集業者や一部の心無い人による採集手段は、効率を重視するので生息数などを考える前に手段を選ばず採集するでしょう。 者の手によると思われる採集圧によって魚が絶滅した場所が実際にあるのも事実です。 た、量採集をする業者を動かすもととなっているのが購入という行為であり、購入がなくならない限り業者による大量採集がなくならないのも重要な事実です。 れは飼育愛好家であり自然愛護を望む者としては大変悩ましい事実で、業者の採集圧を減らして観賞魚の需要を減らすためには、観賞魚を一切購入しないことが一番であることがわかります。

 のほか、前述のとおり、購入した魚はどんなところに生息していた魚なのかがわからないという短所があります。 の生息環境は魚の種類によって異なるのはもちろん、同種でも生息する河川ごとに違ったり、同じ川でも場所によって環境が異なることもあります。 た、販売水槽の水にはあらゆる病原菌や薬品が混入していることが予想されますし、異なる場所で採集した個体が一緒に売られていることもあるなど、採集魚の販売自体が新たにいろいろな問題を引き起こしかねないものであると言えます。

 の個人的な感覚としては、自然の魚を守りたい気持ちはもちろんあり、それと方向としてはある意味逆にあたる飼育・観察を趣味とする者としての葛藤が大いにあります。  かしながら未知の魚の生態への興味を抑えられないという弱さが私にはあり、自分の結論としては自分の足で採集に行ける国内の淡水魚については購入をしないことにしました。 うしても飼育してみたい外国産の魚を店頭で見かけた場合には最小限の購入にとどめ、現在飼育していない魚だから購入したいという状況に至らないようにその魚を精一杯飼育することにしました。 して、輸入の継続のために現地での採集圧がかかり続けるようなことがないように願うというスタンスに落ち着いています。 来、国内と海外という境界は人間が勝手に決めたもので、海外種も国内種と同様にとらえるべきなので矛盾もあるのですが、購入を最小限にとどめて、それ以外は魚のためにできることを考えたいという思いから至った私なりの結論です。 

 観賞魚の販売を考えるならば、本当は完全な養殖状態を確立して、しかも購入後に飼育者が絶対に放流しないような状況を作らないといけないですね。 さんもショップに行かれた際には魚の魅力以外にもいろいろ考えてみて頂きたいと思います。

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どうしてハゼが面白いのか。

 このサイトで主役として目を向けているヨシノボリやボウズハゼの仲間のほかにも、淡水で見られるハゼはたくさんいます。 上の写真はタネカワハゼ。 ドジョウのように砂ごと口に吸い込んでエサを食べるハゼで、愛らしく、ほかの魚に噛み付かない、飼いやすいハゼ。

 下はヒナハゼ。 関東でも汽水域を中心に見られる小型のハゼで、南西諸島では淡水域でナンヨウボウズハゼと一緒に見られたりもします。 丸っこい体型で中層をフワフワ泳ぐ、とても可愛いハゼ。

 このサイトでは、飼育できる多くの魚の中でもハゼだけの、しかも淡水だけの、しかもしかもヨシノボリとボウズハゼという魚を中心に見つめています。 かしそれは私がたまたまそれらの魚に興味を抱いたからであって、本当はほかのハゼはもちろん、ほかの魚やどんな生き物たちであってもじっくり見つめれば同じように面白いのだろうと思っています。 すから、皆さんにはハゼでなくてほかの生き物でも良いので、目を向けたり観察したり、自然について考えたりする機会を持っていただきたいというのが私の思いです。 

@ ハゼの魅力とは? 

 →が最初に遭遇したハゼは、記憶も定かではありませんが、小学生の頃にショップで親に買ってもらったヨシノボリだったと思います。 時昆虫飼育の方が好きだった私は、その魚の名前が「ヨシノボリ」であるということもショップから得た知識でした。 のときに感じたハゼの魅力は、やはりそのユーモラスな行動でした。 れまでコイやフナ、ウグイやオイカワばかりを水槽で見てきた私には、水流に流されること無く自分の好きな場所に吸盤ではり付いてキョロキョロと目を動かしたり、流れてくるエサに食いついたりする姿がとても個性的に映ったのでしょう。 のほかにも、自分の巣穴を自分で掘ったり、にらみ合いや喧嘩をしたり、体色を変えたり、ときには中層でフワフワと泳いで止まっていたりする行動は、見ていて本当に飽きません。 

 た、ハゼは種類が非常に豊富で、多様な進化を遂げてきています。 ゼが原始的な魚類ではなく比較的新しい魚であるにもかかわらず種類が多いのは、ハゼが遺伝的もしくは進化的に優れた適応力を持っていたということかもしれません。 こに行っても、上流でも下流でも、たいてい何らかのハゼは見られるけど、どこに行っても違った形でその場所に適応したハゼたちに会うことができるというのも、淡水ハゼならではの大きな魅力です。

 

A ヨシノボリの仲間の魅力とは?

 ヨシノボリの仲間は地域差が大きく、例えばシマヨシノボリは本州と南西諸島で体色が異なる。 さらに南西諸島でも八重山諸島では頬に青く光る模様が出るなど、地区在来魚の遺伝的な個性がよく表れる魚だ。 ミトコンドリアDNA解析の技術が進みつつあるが、形態的にも直感的にも納得しづらい結果にいたる例もあり、遺伝的な知見が確立するのはまだ先なのかもしれない。

 →本の河川や湖沼で最も普通に見られるハゼがヨシノボリの仲間だと言えるでしょう。 シノボリの魅力は、まずはその美しさにあります。較的地味な色の魚が多い淡水ハゼの中で、青や赤、黄色などに彩られるその体色は、観察していて驚かされることもしばしばです。

  た、ヨシノボリは各地域ごとに実に多様な特徴をもっており、南西諸島のヨシノボリ類では同種でも島ごとに異なる特徴があったり、本州でも特に淡水域で一生を過ごす種類では河川や水域ごとにも違った特徴を見せてくれます。 較的最近までどこかでつながりのあった水系にはよく似たヨシノボリがいたり、人為的な要因で魚たちにどのような影響が及んだのかをその姿から考えさせてくれることもあります。

 シノボリの仲間の中でも種類が豊富で、日本には少なくとも14種類が分布していて、これからも詳細な分類がされれば別種とされうる集団がいくつもあります。 れぞれに美しい体色と個性的な特徴を持っているので、それらの違いや、どのような環境に適応してそのように進化したのかを考えたりするのはとても楽しいことです。 のほか、単純に水槽で飼育や観察がしやすい魚であり、都心の公園の池などの身近な場所で遭遇できる魚なのに奥が深い仲間であることも大きな魅力として挙げられるでしょう。 

 

B ボウズハゼの仲間の魅力とは?

 ボウズハゼの仲間は美形揃い。 一番上はアカボウズハゼ。ボウズハゼ類としては珍しく動物性のエサを好んで捕食するが、その口はコケを食べるような動かし方もできる。 二番目はコンテリボウズハゼ。金属的な青の輝きだけでなく赤い縁取りのある漆黒のひれに均一な水玉模様が並ぶ姿は、トップクラスの美しさ。 下の2つはナンヨウボウズハゼの黒青型と橙色型で、南西諸島ではごく普通に見られる本種も、その婚姻色は水槽で間近に見るとため息が出るほどに美しい。 こうも異なる体色なのに同種であるということだけでも大きなミステリーとして興味を抱かせる。

 →ウズハゼの仲間は日本を分布の北限とし、黒潮の及ぶ各地の河川に生息しており、日本には4属9種が今のところ発見されています。 でも「ボウズハゼ」1種を除くと安定して分布する地域は種子島以南の南西諸島に限られ、南方系の淡水ハゼであると言えます。 西諸島のボウズハゼ類には日本の淡水ハゼの中で最も美しいと思われる種類も含まれ、熱帯魚的なメタリックな体色が大きな魅力の一つです。 

 た、ボウズハゼは一部を除いて草食性が強く、石の表面のコケを食べるのに特化した口を持っています。 らがコケを食べる行動はとても愛らしく、口をパクパクと高速で動かして前進しながら少しずつコケを食べていきます。 の行動を水槽で見たら一目惚れしてしまう人も多いのではないでしょうか。 た、その行動を可能にするために分厚くなった上唇のおかげで彼らはみんな頭の丸い、可愛らしい顔をしています。 「ボウズ」という名前は、この丸い頭と、草食性(精進料理)の習性の両方を表しており、日本らしくてとてもいい名前だと思います。

★コンテリボウズハゼの食事動画はここをクリック(avi形式、約800Kb)うまく見られない場合は、右クリックして「対象をファイルに保存」してから、落としたファイルを見られる場合があるようです。

 ウズハゼの仲間はヨシノボリとは対照的に地域による変異があまり見られません。 れは非常に興味深い生態の裏返しで、彼らの卵と稚魚の大きさが非常に小さいことと関係があります。 川で生まれたボウズハゼ類の稚魚は体がとても小さいために、川から海に出てそのままヨシノボリ類よりも広く沖の外洋まで流されていきます。 して、1cm〜2cmくらいに育った頃に流れ着いた川を上り、成魚になった後も生涯をその川で過ごします。 まり、ボウズハゼの仲間は淡水魚として扱われながらも、分布を広げるのに海流を有効に利用しているのです。

  の生態には興味深い要素が多く、例えばウナギの産卵場所がマリアナ海溝付近(グアムやサイパンの近く)であることが近年発見されましたが、ウナギもやはり生まれてすぐは小さいので海に流されるだけで、結果的に日本にまで流れ着きます。 は、マリアナ周辺にいるボウズハゼ類の子供たちも日本に流されてくるのではないかと考えて調べて見ると、日本と同じ種類がいくつも生息していることがわかりました。 西諸島に分布するボウズハゼ類の子供は黒潮に乗って本州にも流れてくるはずですが、それが見られないのは低い水温に耐えられないからなのではないかという予想もできます。 だし、「ボウズハゼ」だけは低水温にも耐える力を持っていると思われ、今なお分布を北に広げている最中だと考えられます。 た、この先海水温の温暖化が進むと、南西諸島にしかいなかった仲間たちが本州にも現れ始めたり、南太平洋の諸国にしかいなかった仲間が日本までやってくることもあるかもしれません。 在日本に分布する種類とは別種かもしれないボウズハゼ類の魚が川で発見される例が今もありますが、黒潮に乗って知らない種類の魚がやってくる可能性が常にあるというのも面白いことではないでしょうか。 

 西諸島の上流域で見かけるボウズハゼ類も、沖縄生まれだったり、台湾生まれだったり、グアム生まれだったり、フィリピン生まれだったり、1匹ずつ違っているのかもしれません。 んな大きなスケールの自然を感じさせてくれる彼らは、本当にいろんなことを考えさせてくれる魚なのです。

 

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 こでは、このサイトで伝えたいことや知っておいて欲しいことをまとめて書きました。 はたまたまハゼの仲間に引き込まれ、記録の意味も含めて、自分なりに発見したことや気が付いたことをサイトに残していこうと思っていますが、ハゼ以外の生き物でも、いろんな生き物や自然に興味を持っていただければ幸いに思います。 た、このサイトは飼育や観察を中心に取り上げていますが、満足な生活を川で送っていたハゼたちを、いろいろ満足いかない水槽に連れてきた責任が飼育者にはあります。 の責任を感じた時、その魚の故郷のことも考えたり、いろんな知識や発見を飼育している魚から与えられることになります。

 育を単なる娯楽以上のものと考え、飼育している魚の気持ちがわかる人は、川で暮らす魚たちの気持ちや自然との接し方についてもしっかりとした考えを持ってくれることでしょう。 んな飼育者が増えていきますように、日々切に祈っております。 (サイト管理者 : たろう at 2006. 7. 24)

参考情報:日本淡水魚類愛護会 , 外来水生生物辞典(柏書房),WWFジャパンホームページ

 

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