2005年 思いついたら今年も飛び出せ!  その1

日帰り圏内でオオヨシ&謎ヨシに遭遇

Watching Oh-Yoshinobori at not so far area from Tokyo (April, 2005)

 

 になり、桜の開花とともに暖かい気候がやってきます。 年は春でも暖かい日が増え、冬の間寒くて川に入れなかった分、観察欲が爆発し始める季節であります。 て、目を向ければ近場にもいろんな種類のヨシノボリがいることがわかってきて、とりあえず近場で見られる種類はすべて見てみたい、と思い始めました。 では、あと見ていない種類といえば・・・オオヨシノボリとクロヨシノボリであります。 にオオヨシは、ルリヨシを見にいったときにもしや、という個体を見ているだけに、ちょっと見る方向を変えれば見られそうな気がしてきます。 こで、今回の目標はオオヨシに決定!

 ット上には探せばいろんな情報があふれているものですが、仮にオオヨシノボリのいる場所として公開されていても、実はトウヨシと間違えている例もあったりします。 れは、オオヨシ=大河川にいて、大きくて、胸びれに黒い斑点がひとつある、という基準で見ていることによるものと想像されます。 ウヨシノボリにも大河川にいて胸鰭に斑点のある集団は多く(形などの特徴は見比べると違うのですが)、見慣れていないと間違えるのも頷けるわけです。 んなわけで、パッと入手できる情報だけでは苦戦も予想されるオオヨシ探しの旅、いつものように電車旅行でスタートです。

   

 前にオオヨシノボリかも、と思った個体に遭遇したのは神奈川の西のほうだったので、方向としては西を目指すことに。 程としては日帰りの予定なので、朝はできるだけ早く出発。 、ここで思い出したのがこの列車。 朝の東海道線普通列車の静岡行き。 れはJR東海の夜行快速「ムーンライトながら」で東京に着いた車両を、静岡方面に回送するついでに普通列車として走らせていると思われる列車。 リーン車並みの乗り心地で無料なんだからお得な気分。 の車両には、ムーンライトながらも含めて、ほんと、何回乗っているんだか・・・。 いうことで、今回は静岡方面に向かいます。

I started early morning, making a day trip bound for Sizuoka area. 

 

 

 て、地図などを調べて水量のありそうな川に目標を決めました。 中、大きな川からそう遠くないところを流れる水路を発見。 底にはけっこう大きな石もあり、ウグイ系の魚の魚影も見えました。 図を見ると、水系としては大きな川ともつながりがありそうだし、かしらヨシノボリ類はいそうなので見てみることに。

There were very beautiful cherry blossoms around the bank of the river.

 

 

 温が上がってきて、4月とは思えぬ暑さになってきたので、ここはひとまず川に入ってみました。 京で住宅街に近いこういう川に入ってゴーグルで観察してたらおまわりさんを呼ばれてしまいそうですが、都会を離れると通りかかった人からは「何かいるか〜い?」なんて声が飛んできます。 辺と人とのつながりというのはこういうものなんだよな〜とか思いながら、足元の水中を覗いてみると、アブラハヤらしき群れがやってきました。 奇心が旺盛なのか、僕の足を隠れ場所にしようとしているのかわかりませんが、恐れずに寄ってきてくれるのはうれしい気分になります。

The fish I met first was "Abura-Haya(Phoxinus lagoeskii steindachneri)".

 

 

 シノボリを見つけるべく底の石のまわりに目を走らせると・・・お!いました! かも、胸びれにはっきりとした黒色斑、頬の前端部に三角の淡い色の模様、頭背面に縦に走る流れ紋・・・これはいきなりオオヨシに遭遇です! 動のあまり、しばし眺めてしまう私・・・。

Lucky !  Immediately after I entered the river, I met "Oh-Yoshinobori(Rhinogobius sp.LD).

 

 

 

 と横を見ると、また別の個体が下流側からやってきました。 ちらもオオヨシ。 

A notable feature of "Oh-Yoshinobori" is a circular spot on their pectoral fin.

 

 じエリアで、シマヨシも発見。 の模様が細かい、大型のメスです。 マヨシは上流に行くほど大型個体の割合が多くなると聞いたことがあるので、ここは環境としてはシマヨシの生息域とオオヨシの生息域の境界線に近いのかもしれません。 なみに、この場所でこの日見たシマヨシはこの1匹だけでした。

This is "Shima-Yoshinobori(R. sp CB)" in same area.

 

 て、オオヨシに遭遇して感動しつつも欲は出てくるもので、オスらしいオスはいないものか、と思い始めます。の段階で見たのはほとんどメスで、オスは警戒心が強くて流れのあるところに縄張りを作っている様子。 穴から顔を出してるところだけでも、と思って少し深いところへ。 ると、いました! はりこちらに気づいて、すぐに石とコケの間に身を寄せます。 の色は渋いけど、黄白色の背びれも長くてかっこいい・・・。 結局水中でオスを撮影できたのはこの1枚。

 The male "Oh-Yoshinobori" was few.

 

 

 あ、日帰りということで次の場所へ移動すべく、連れて帰る魚の採集にとりかかります。メラを網に持ち替えて、再び水に顔をつけます。 ると、まずはサワガニ発見! れて帰る気がなくてもとりあえず捕まえて写真を撮りたくなる、可愛い奴です。 ックスが可愛いってのは何かと得かな?

A "Sawagani(Geothelphusa dehaani)" was found.

 

 オヨシやシマヨシにばかり目を向けていたのですが、淵の中でも少し流れのゆるいところにもヨシノボリがいるのを発見。 ”そっかー、静岡まで来るといるんだっけ”と思わずつぶやきながら採集。 ワヨシノボリであります。 ちから日帰りで行けるエリアでは、西の端でぎりぎり生息域に到達できる魚。 前はオスですが、ここのカワヨシは第1背びれが伸びない集団のようです。 水域で一生を過ごし、海から拡散することなく生き残ってきた魚なので、河川ごとに体色などの変異が多く見られる魚、のはずですが、トウヨシノボリほどの著しい変異は見られないように思います。 

"Kawa-Yoshinobori(Rhinogobius flumineus) was also found there. 

 

 

 ちらはオオヨシの若いオス。 かし、胸びれ基底部の黒色斑は小さめ、オオヨシ特有の尾びれ基底部に沿った黒色の横帯は体の模様から独立していて三日月形をしています。 オヨシはもともと図鑑などでも写真を見る機会が少ない方の魚ですが、模様の個体差が結構多い魚なのかもしれません。 ういう模様の個体は初めて見ました。

 This is a young male "Oh-Yoshinobori".  A spot around the root of caudal fin is separating from body pattern.

 

 

 こで採集した個体の尾びれ基底部の模様を見てみると、けっこう変化に富んでいる様子。 番左がさきほどの若いオス。はり体の模様と離れているのはこの個体だけ。 ん中はやはり微妙に三日月形をなす個体。 番右は、もっともオオヨシらしい模様といえる、直線の模様の個体。

The spot of "Oh-Yoshinobori" in this area was full of variety. 

 

 

 スの中には微妙にお腹の大きな個体も見られました。 腹の色は特に派手な色ではなく、黄白色をしています。 びれ基底の模様は三日月形。

This is a female. Its belly is swelling.   

 

 

 ちらはオスらしいオス。 びれ基底の模様は、これぞオオヨシという感じの直線型。 っこいい・・・。

This is a typical male "Oh-Yoshinobori".  

 

の川の様子はこんな感じ。 工的な要素の強い川ですが、大きな石がゴロゴロしているせいで淵と瀬が繰り返す、オオヨシ好みの環境になっているようです。 宅街付近でオオヨシに会えるとは・・・。 ったく予想外でした。 当はもう少し大きい川に目標を定めていたのですが、同じ水系と思えるここでオオヨシに会えたので、違う場所へ移動することにしました。

This is the scene of the river.

 

て、今度はもうひとつ地図で行ってみようと思っていた、比較的大きな河川の支流の上流部へ。 じめの場所でオオヨシに会えないことも想定して、大きい川からつながっている川の上流もひとつ候補においておこうと思っていたのです。 、着いてみると思ったよりも水量の少ない、チョロチョロと流れている感じの川・・・。 かし、川原に下りてみると何やら小さなヨシノボリらしき魚影が・・・。 境的、地理的、いろんな脳内データベースが起動しますが、とりあえずカワヨシかな・・・と思いながら採集。 すると・・・ん? ワヨシにしては体がきれいな銀白色だし、オオヨシっぽいけど環境としては止水域とも言える環境だし、尾びれ基底の模様はハの字に近い形・・・。 は何者??

In other area, a Yoshinobori that I cannot identify at once was found.

 

 

シノボリを追っていると、ときどきあるんですよね〜。 先のどこかでふと置かれた新聞をどかして座ろうとしたら、中学校の入試問題の難問の例とかがチラッと見えて、挑戦してしまうときみたいな。 ”旅先でこんなに頭使うとは思わなかったよ〜♪”とか言いながらも答えがでるまで考えこんじゃうみたいな。 あ、それはともかく、このエリアに幼魚がたくさんいたので、ほかの個体も見てみることに。 胸びれに斑点(オオヨシ?)、でも尾びれ基底はハの字(ルリヨシ?)、でもこのサイズのルリヨシに多く見られる胸びれ基底上部のルリ色に輝く斑紋はなし。 れらの点を満たす種類を図鑑的に考えるならすでにトウヨシしかないと思うけど、体の雰囲気や、第1背びれに縞模様があること、生息環境などはトウヨシと違うと思うし・・・。 なり謎。

It is very difficult to identify this small Yoshinobori.

 

 

うこうしているうちに、体の模様まで見慣れない個体も出現。 びれには明瞭な模様なし、尾びれ基底は先ほど見たオオヨシに似た三日月模様。 うわけがわかりません。 体差の激しさを象徴するようなこの個体が出現したことで、あるひとつの仮説が脳裏にかたまってきました。

This individual was found in same river.  It has rare pattern on its body. 

 

体差は実に激しく、1匹を見ただけではとても種類の特定はできなさそうです。

The pattern vary from individual to individual.

 

息環境はこんな感じ。 実に水が澄んでいて、右奥の緑色のところではおそらく水深が2mくらいあるかと・・・。 かし、この淵を眺めていると、深いところに大きくて黒いオオヨシのオスっぽい個体や、大きくて体の白っぽいシマヨシのメスみたいに見える個体などが見えました。 

・・・で、ここの個体の正体は・・・。 ろいろ考えた私の結論は、オオヨシの陸封個体群、というものであります。 ただし、陸封化した過程で他の種類が少数一緒になってしまった可能性はゼロではないのかな、と思いました。 た、個体差が激しいのは、水量の多い年などにだけ混じる降海個体との交流の関係なのかもしれません。 より、桜の4月に幼魚がワサワサいるというのが陸封個体群であることを示唆しているとも言えます。

 た、尾びれの模様が三日月形になる点についてもひとつ思ったことがあります。 れは、あの模様は若い頃ほど三日月形だったり、あるいは幼魚ではハの字だったりして、成魚になるにつれて直線になるのかな、と。 際、今回見た中で直線状だった個体は大きいメスや、大きくなくても十分に成熟していそうなオスでした。 鑑で見られる個体も、特徴のわかりやすい個体の写真を選んでいるのか、しっかりとした成魚ばかりのような気がするし・・・。 とすれば、陸封個体群のいたこの場所の深みに見えた大きな個体の模様は・・・? ー、気になる・・・。 この水はものすごく冷たかったし、泳ぎもうまくない僕にして深いところの大きな個体を採集するには・・・釣り道具を持ってまたここに来るしかないかな??

I thought tha small Yoshinoboris are the "Oh-Yoshinobori"  confined in freshwater area.

 

 て、念願のオオヨシのみならず楽しい難題にも遭遇して充実した今回の日帰り旅行、締めくくりはまたもこの車両。 岡始発の普通列車東京行き・・・そう、来るときに乗ってきた列車の上り列車に相当する列車です。 の列車は、東京に着いたらその日の「ムーンライトながら」号として大垣へと向かっていきます。 いうわけで、帰りもグリーン車並みのゆったりシートの普通列車で優雅に帰宅。 た静岡方面に来るときには、この行程で来よう、と心に決めた瞬間であります。 帰り観察旅行、ほんと、癖になり始めてきた私でありました。

I obtained satisfactory results in this short trip.  On my return trip from Sizuoka, I was asleep in the train.....

(日帰り圏内でオオヨシ&謎ヨシに遭遇。 おわり)

 

 

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