高島の近代化
3. 高島の近代化

わが高島町も、また大正元年(1912)、電線が施設されて電灯が輝く。 更に(※1)焼玉エンジンで走る発動機船時代に移行する。それは現代に続く機械利用の始まりとして重要な意味を持つ。 まず、地区発展に深い関係を持つ土木事業について記述する。

(1)御大典記念 小樽−祝津間新道開削 大正4年(1915)12月完成

高島子ども風土記(発刊:昭和49年)  発刊当時 高島小学校4年 FM様
70歳ぐらいのおじいさんに赤岩の話をききました。大正のはじめ、りんご畑が多く、ぶたやにわとりも多かった。 今の木村水産の所はゴミすてばで、ひるまはゴミのまわりにぶたをはなす。夜になるとぶた小屋に入れる。 ランプをつかっていたが、ランプそうじは子どもの役目、赤岩郵便局から新田商店までは家が少なく、20けんたらずだった。 郵便局前の川はかじかがいて、きれいでした。

従来、祝津・本田沢の連絡は、両村落を画する山地を越える小道によって通じ、小樽・祝津間の陸路交通は、 手宮公園を通過して高島役場前に出、更に豊井裏手の山道を通って祝津に達するを常としていたものであるが、 急坂を上下しなければならないため、ほとんど馬車を利用することが出来ず、大貨の輸送はすべて海路によるほかはなかった。

この不便を打開するため、大正天皇の即位を記念して開削したのが、いわゆる「祝津新道」(現祝津線バス路線)で、 急坂を避け道幅も広くとり、牛川に沿って高島市街へも連絡が出来、馬車通行も出来るようになった。

更に高島校も十字路辺に建ち、これにより本田沢方面も大いに発展し、水産加工場、醸造業、木工場、 かまぼこ製造業の工業も盛んになり、昭和11年(1936)の字名改正により、高島町字赤岩町と町名を改めた。 なお、それまでの高島の字は、オネナイ(牛川に沿った一帯)・ポントマリ・カヤシマ・本田沢であった。

高島子ども風土記(発刊:昭和49年)  発刊当時 高島小学校3年 MK様
大正時代の終わりころの赤岩は、本田さわとよばれていました。 本田さわというのは、本田さんという人の名前からつけられたのだそうです。 そのころの家は70軒ぐらいで、住んでいる人は二百人位、ちょうど今の農家のように、家が点々としていた。 赤岩に住む殆どの人は、ブタの生産、馬車での運搬、魚かすのしょりなどの仕事をしていた。 今の赤岩マンションや、ことぶき湯などの大きなたて物は何もなく、広々とした魚かすのほしばでした。 朝は4時ごろに起き、夜は八時ごろまで、はたらいていたそうです。

高島子ども風土記(発刊:昭和49年)  発刊当時 高島小学校1年 OM様
うちのおとうさんは、いろないちょうというところでうまれた。あかいわにうつってきたのは51年もまえです。 とうさんが4ねんせいのときだったそうです。とうさんは、よるランプでべんきょうしました。 みちがわるくあめがふると、ぐちゃぐちゃになるので、畑の中から石を拾ってきて道路を直したそうです。 がっこうにはかまをはいていったら、わらわれたそうです。よくとし、あたらしい学校ができました。

(2)高島沿岸埋立 大正5年(1916)から10年(1921)

ひとり高島郡だけではないが、本町は特に地形上平地がはなはだ少なく、大部分は起伏する丘陵であって、 地域もほぼ2平方キロに過ぎない狭い土地である。したがって人家は海岸の断崖下の渚に接する狭い平地や谷あいに集まり、 戸数の増加と共に平地はほとんど人家を容れる余地がなく、 従来は水産物の乾燥場としていた平地や山腹につくられた壇上の土地を宅地とするようになり、海浜に面した方面は特に狭くなり、 漁業者はとても不便であった。

こうした折に明治44年(1911)8月創立の小樽漁業株式会社は、高島海岸の将来は小樽港の延長として、工場地帯あるいは倉庫、 荷揚場としての生命を持つと見て、大正5年(1916)からカヤシマ及びポントマリの断崖を切り崩して、断崖下の海岸埋立工事に着手し、 大正10年(1921)、約2万5千坪(約8万2500平方メ−トル)の埋立、及び手宮駅からの延長起動の施行工事が竣工した。

この埋立工事によって、ポントマリ断崖下の小道は、従来荒天の際などは波に洗われていたものだったが、広い平地となり、 そのあと大正14年(1925)9月に日本製粉が出来、更に高島・手宮間に昭和8年(1933)ころより乗合馬車も往来し、 それが昭和12年(1937)ころからバスに代わり、戦局し烈となって休止となる。またカヤシマ方面も高島北防波堤の基部となり、 北日本冷蔵製氷会社、その他に利用されているのである

以上、新高島町史129〜131ページより抜粋。
解説

(※1)焼玉エンジン

2サイクルの内燃機関。
シリンダ−頭部にある焼玉(鋼鉄製の球)を外部から発熱し、 これにピストンで圧縮した燃料と空気の混合ガスを噴射して爆発燃焼させる。 漁船や小型貨物船に使われる。(講談社、日本語大辞典より引用)