「新高島町史」の発刊にあたって
高島町会長 飯田健一郎
昭和58年、小樽市高島小学校が開校100周年を迎えた記念すべき年に、高島町が歩んだ百有余年の歴史を偲び、
今日までの発展に努力された先人の足跡を後世に伝えるとともに、郷土高島の自然や風土、そこに培われた文化をも
近代科学的見地から見直し、その実態を明らかにすることを願って、ここに「新高島町史」を刊行することのできたことは、
高島町民はもとより、いつもご支援下さっている市当局並びに連合町会の方々、更には他郷にあって、
時折望郷の思いを寄せられる高島町出身者にとっても、意義あることと思います。
旧「高島町史」は、開校50周年を機縁に編集が始まり、昭和16年、皇紀2600年記念行事として、
高島尋常高等小学校が、保護者会、高島町(赤岩、祝津を含む)教育会の協賛を得て発行したもの。
「高島子ども風土記」は、開校90周年を記念して、児童が父母・祖父母・古老から聞いた高島・赤岩の歴史のきき取り書きを
学校教職員がまとめ、PTA、協賛会が協力して昭和49年に発刊したもの。そして今度の「新高島町史」はその両者を新しく
見直し、更に新資料も加えて、町会の町民代表と高島小学校関係教職員が本務の合間を割き、約3年かけて今回発刊に至ったものです。
本書は、できるだけ「町民のための、町民の手による、町民の歴史」となるようにと願って、当初この地に移住した先祖の
お名前・出身地・移住時期などのアンケート、更には古い時代の写真や資料、原稿等をお願いしたところ、
こころよくご協力いただいたことを深くお礼申しあげます。
かつては鰊を追って移住した人々によって開拓され、やがて沖合漁業に転換。そして戦後は漁船、漁具から諸施設一切を近代化して
北洋その他への遠洋漁業に発展させ、小樽市および札幌の海産食料基地としての使命を果たさせて戴いた高島も、
米、ソの漁業制限水域の設定により、いま新たな選択をせまられています。
古い歴史を持つ高島が、小樽市の一住宅街として存在していくだけではなく、先人の歩んだ苦難の道、それを打開した努力の跡を
もう一度見直し、「拓かで止まじ我が行く手」の決意を持って進むべき秋(とき)だと思います。
こうした時、この町史が高島町民の愛読書となり、この町で生まれ育った人々が郷土高島の歴史や文化、自然を深く知ることに
よって、郷土への認識を確かなものとし、郷土を愛し、誇りを持って町づくりに取り組む意欲の支えとなることを望むとともに、
本書を読んで下さる小樽市民及び全道・全国の方々が、これによって更に高島への認識を深められ、
倍旧のご指導ご鞭撻を賜るようお願い申し上げて発刊の辞といたします。
昭和61年9月
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