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◎3月13日(土)晴 (3日目) 
 ナイロビ→ケニア・タンザニア国境→アリューシャ泊

●ビル街の朝
 6:20、ビルの谷間に横たわる雲がオレンジ色に染まって、すがすがしい朝です。今日は国境を越えてケニアからタンザニアへ入ります。
 8:10、サファリカーに分乗して国境の町、ナマンガへ。ドライバーはタイタ族のジョナ。彼も日本語が話せます。

●沿道の風景
 にこやかに登校する子供たちや元大統領の墓をやり過ごすと、長い列車がごとごと走っていました。オンバサ−ナイロビ間500kmを結ぶ鉄道です。郊外に出ると、アカシアの木が目立つようになりました。棘のある枝はキリンの好物。黄色い花をびっしりつけたカッシヤが続き、そこここにアマサギの集団を見かけます。
 大きな邸宅の集落がありました。酪農で財をなした高級住宅街。その周辺には粗末な家が点在。ケニアでも貧富の差は大きいようです。

●大きなアリ塚
 9:00、バスはサバンナに敷かれた1本道をひた走っています。疎林の中に見かける土の塊はアリ塚。高さ1m以上もある大型がどかんどかんと現れ、数の多さとスケールの大きさにびっくりです。
 アカシヤと灌木が密生する林の中にダチョウの姿。すぐ近くを赤い布をまとったマサイ族の男性たちが行き交っているというのに平然としています。ケニアで最初に目にした野生動物は人間と住み分け、仲良く共存しているように思われました。

●水運びのロバ
 砂埃が舞う沿道に彩りを添える朝顔やアーモンドのような花を眺めながら9:50、ウチの集落を通過。青空が広がって暑くなってきました。サファリカーに空調はありません。窓を開けるとたちまち砂埃の襲来ですが、涼を得るための埃まみれは覚悟の上です。
 沿道で草をはむロバの姿を多く見かけます。マサイ族が水運びの労役に使っているのです。大きなタンクを左右にぶら下げてとことこ行くロバを何度か見かけました。自転車で水運びをする男性もいます。

●バナナ実る
 10:50、国境近くのナマンガの土産物店で休憩。店内には木彫りや粘土細工などがずらり。店頭にマサイ族の戦士が手にする盾や槍を並べて客を待っていました。
 庭にはバナナが実り、マンゴーが黄色い実をつけ、キョウチクトウやブーゲンビリア、ハイビスカスが競演。大木ではハタオリドリが子育てに忙しそう。見るもの一つ一つが刺激的です。

●売り込み攻勢
 添乗員ら6人を乗せた1号車は、行方不明になったままのスーツケースの情報を得るためナイロビの空港に立ち寄っているので、到着するまでしばらく2軒の店を行ったり来たりして時間つぶし。
 従業員たちは「カモ到来」とばかりに売り込み攻勢。木彫りの誘惑に負けて、早々にシリングを差し出す人もいました。11:30、1号車が到着。スーツケースは西アフリカへ行っていたとかで、あることだけは確認できたそうですが、本人の手元に届くのはいつになるか不明とのこと。

●手間取る入国
 国境ゲートはすぐ近く。添乗員が全員のパスポートを手にケニア出国の手続き。それがすんだら近くのタンザニア入国事務所へと移動しました。
 タンザニアの入国手続きは長引き、その間、40分以上も戸外でぼーっと待ちぼうけ。ツバクロが真っ黒になるほど飛び交っています。近くの木造建物の軒下や内部の梁に重なり合うようにねぐらがあり、事務所のみんなで慈しんでいる感じでした。

●一気に下がる値段
 車を止めたとたん、派手な衣装のマサイ女性たちがネックレスや木彫りの小物を手に駆け寄って車を取り囲みました。 
 「安いよ」の呼びかけに「ノー、ノー」と首を横に振ると、5ドルだったネックレスがまたたく間に1ドルに。落としどころはどの辺りなのでしょうか。

●モデル料を要求
 窓を開けると、たちまち手が伸びてくるので窓を閉め切って防戦。カメラを向けたら「マネー」と迫ってきました。
 「写真を撮ったらモデル料を要求される」との予備知識は持っていたのですが、こんなところで体験するとは…。  

●2台に分乗
 ケニアのサファリカーからタンザニアの車に乗り換えました。今度はサファリカーと18人乗りのマイクロバス2台に分乗してアリューシャへ。自分たちは添乗員らとサファリカーに。
 間もなく、ドライバーが左前方を指さして、あの奥にキリマンジャロがあるけど今日は曇っているので見えない、といいました。

●キリンやヒヒ
 これから目ざすアリューシャはメール山(4566m)の山麓にある町。ざっと2時間の道のりです。
 12:50、ゲートを出て20分後、ジャカランダが満開の藪にキリンとヒヒを見ました。シマウマも豆粒ほどに見えます。保護区外の場所ですが、そこここに野生動物が生息しているよう。車はパトカーを追い抜いて今夜の宿泊地、アリューシャへと急ぎます。

●カメラ嫌がる
 色彩鮮やかな衣装、何重にも巻いたビーズのネックレス。ひと目でマサイ族とわかる男女が行き交っていました。広場の一角で市が開かれているようで、大勢の人で賑わっています。
 ドライバーが窓を開けなければ写真を撮ってもかまわない、というのでカメラを向けたら母子が衣装で顔を隠しました。女性の中には石を投げつけようとするものもいます。「無断で写真をとったら石を投げつけられる」。これもまた本当の話でした。 

●簡易舗装悪く
 タンザニア側に入ってから道路が悪くなりました。つぎはぎだらけの簡易舗装を100km以上のスピードで突っ走るので、体が左右、上下にもてあそばれ、難行のドライブです。
 14:05、インパラ・ホテルに到着。その直前に雨が降り、その後は晴れたり降ったりの繰り返し。

●ビール「キリマンジャロ」
 間もなく昼食。「キリマンジャロ」という銘柄のビールがあると聞いて、あちこちから「それにしよう」との注文が相次ぎました。この後は部屋でゆっくりするつもりなので、自分たちも「飲んでみようや」ということになりました。
 キリマンジャロはライトビールのような頼りなさでしたが、名前は魅惑的です。万年雪をいただく山容をぜひ眺めたいもの。そんな願いを込めてのどに押し込みました。

●ベッドに蚊帳
 部屋はまずまずの広さ。設備にも問題はなさそう。タンザニアはハマダラカの媒介によるマラリアの発生率が高いところ。夕方の外出には虫除けは必携といわれ、ベッドには蚊帳が用意されていました。
 希望者には添乗員が市内へ案内してくれることになりましたが、天気もぱっとしないので自分たちはパス。

●明日の準備
 妻はフロントでタンザニア・シリングに両替。1000円で6000シリングの計算。落ち着いたところで、明日から3日分の必要品を準備。下着、パジャマ、洗面用具、フィルム、蚊取り線香…。これらの品々をキャリーとザッグに詰め込みました。
 明日は小型機でセレンゲティへ移動して国立公園近くのロッジに3泊するのですが、スーツケースは専用車に積み込んで、その後宿泊するンゴロンゴロに運ぶことになっています。地理的な関係でしょう。

●アリューシャ
 外出した人たちが戻り19:00、バスで近くのレストラン「Mezzaluna」へ。乗ったらすぐ降りる距離でしたが、辺りは暗くて不用心なのでバスを利用したようです。
 アリューシャは標高1400mほどの高原にある町。人口20万人のタンザニア第2の都市で、セレンゲティ国立公園、ンゴロンゴロ自然保護区、マニヤラ国立公園、アリューシャ国立公園などへの入り口として各国から人が集まるところ。キリマンジャロ国際空港、アリューシャ空港や整備された一流ホテルがあります。この町の治安も最近、とくに悪化しているそうです。

●チョイス・メニュー
 スープの後のメインは、魚やビーフのチョイス・メニュー。東アフリカのレストランはチョイス・メニューが多いようで、食事の時間が長引きます。ビールはキリマンジャロのほかサファリという銘柄もありました。サファリの方が飲み口がよいと人気。
 食事中に単調なリズムのバンド演奏と雑技団まがいのアクロバットショーが行われました。若い男性4人が次々に披露する演技はなかなかなものですが、疲れている身には「すごいな」の感想だけ。

●市内の名所
 市内観光に出かけた人たちは、ビル・クリントンや食料マーケットなどを訪れたそうです。町にはマサイ牛のマーケット、コーヒー園、メセラニ蛇園などのほか、マサイ族の住居などを展示した観光センター「カルチュラル・ヘリテイジ」もあります。
 部屋には心配した蚊などの虫は入り込んでいないようなので、蚊帳を使わずに就寝しました。

●タンザニアという国
 タンザニアはアフリカ大陸の東部にある共和国です。1964年4月、大陸部を占めるタンガニーカとインド洋上のザンジバル(ザンジバル島、ペンバ島)が合併して誕生しました。
 ケニア、ウガンダ、モザンビーク、マラウイ、ザンビア、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ブルンジ、ルワンダと国境を接し、東はインド洋に面しています。この立地条件から東、中央、南アフリカ大陸探検の拠点ともなりました。

●多民族国家
 総面積は94万5000平方kmで日本の2.5倍もあります。人口は約3593万人ですが、スクマ族、マコンデ族、チャガ族、ハヤ族など126部族が住む多民族国家です。他の主な部族としてはマコンデ、チャガ、ゴゴ、ハ、ヘヘ、ニャキューサ、ニイカ、ンゴニ、ヤオ、マサイ。その他にインド人、パキスタン人、少数ながらアラブ人やヨーロッパ人も住んでいます。
 元首は2000年11月に就任したベンジャミン・ウィリアム・ムカパ大統領。首都は最大都市のダルエスサラーム。通貨はタンザニア・シリング。公用語は英語、国語はスワヒリ語ですが、それぞれの民族語も日常語として重用。宗教は伝統宗教44%、 イスラム教31%、キリスト教25%です。

●資源と動物
 ダイヤモンドや南部の石炭、鉄鉱石、森林も有望。熱帯性の木だけでなくマホガニーやクスノキなどの硬木もみられます。
 11の国立公園と16の動物保護区があり、国土の25%を動物や植物保護の対象地域に指定。シマウマ、ゾウ、カバ、サイ、キリン、ライオン、ヒョウ、チーター、アンテロープなどの316種(2000年)の哺乳類をはじめとする野生動物が棲息しています。

●地形と気候
 標高約1200mの高原が国土の大部分を占め、北東部の国境付近にはアフリカ最高峰のキリマンジャロ(5895m)。赤道直下に位置しながら山頂部は万年雪をいただいてそびえています。スワヒリ語で「かがやく山」の意味。また、北西部から南西部にかけての国境にはアフリカ3大湖のビクトリア湖、タンガニーカ湖、マラウイ湖があり、タンガニーカ湖はアフリカ大地溝帯の中に存在します。 
 大陸部はおおむね熱帯サバナ(サバンナ)気候。内陸部高原の年降水量は500mm以下で、暑くて乾燥しています。インド洋沿いの細長い海岸平野は年間の平均気温が27度で熱帯湿潤気候。南西部の高地は温暖といわれます。

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