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◎3月12日(金) (2日目) 
 バンコク→ケニア・ナイロビ泊

●大きい星

 3:15、1万m上空から眺める星は大きさが違います。5時間ほど眠れたので、いまのところ疲れは感じません。間もなく、機内に灯りがついて4度目の機内食。ビーフとご飯か、オムレツかのチョイス。今回も漢字のメニューがありました。オムレツを注文したのですが、4度目になるとほとんどのどを通りません。
 ケニア航空のサービスはいたってシンプルです。食間にドリンク類のサービスなどは一切ありません。でも、機内は想像以上にきれいでした。

●まる1日かけて
 5:10、ケニアのジョモ・ケニヤッタ空港に着陸。関空を出てから24時間。まる1日かかっての到着です。入国手続きを終えてターンテーブルへ。ここでひと騒動が持ち上がりました。
 添乗員を含めて22人分のスーツケースは順調に吐き出されましたが、女性2人の2個が出てきません。そのうちの1個は同行のNさんのものなので、冷や冷や、どきどきです。

●スーツケース不明
 香港便が終わり、イギリス、オランダ便の荷が流れ出しても2個は現れません。やきもきしながら待つこと20分。Nさんのスーツケースがオランダ便に混じって、のんびりと辿り着きました。何処で道草を食っていたのやら。
 その後、6:40まで待ちましたが、残る1個は現れません。添乗員はその後の調査を事務所に頼んでホテルへ向かうことになりました。女性はスーツケースとキャリーを預け、そのうちのスーツケースが不明になったということです。その間に妻はケニア・シリングに両替。レートは1シリング=1.6円の勘定でした。

●サファリカーで
 6:55、4台のサファリカーに分乗してナイロビ市内のホテルへ。今回は移動もサファリもすべて乗客6人乗りのサファリカーを利用します。「道路事情が良くない」というのが理由です。
 サファリカーはワゴン車を改造したもので、天窓が開くようになっています。座席が狭いので、これで長距離移動は大変ですが、事情が事情なので仕方ありません。ドライバーはフィリップ。日本と同じ右ハンドルなので違和感がありません。

●沿道に鳥の巣
 通勤、通学のラッシュ時。色とりどりのブーゲンビリアが咲き乱れる沿道を制服姿の子供たちがにこやかに歩いています。市内へ向かう3車線道路は大渋滞。トヨタ、ニッサンの日本車が目立ちます。いずこも同じ朝の風景を流しながらサファリカーはポレポレ(ゆっくり)走行。
 市内に近くなって、大木の枝に可愛げのない大型の鳥がたくさんとまっています。ドライバーは「アフリカハゲコウ」と教えてくれました。他の木にはハタオリドリの巣がぶらんぶらん。排ガスをまき散らす幹線道路。すぐそばに鳥たちの巣。ナイロビは動物王国の首都なのです。

●設備は良好
 車は市内中心部の少し手前で左折。あまり整備されていないゴルフ場のその先に今夜泊まるセレナ・ホテルがありました。7:40、「ジャンボ」の挨拶に迎えられてチェックイン。 
 部屋は広くて設備も良好。この旅行中で最高のホテルでは、と思います。戸外を見ると、すぐそばに緑豊かな公園があり、近くを幹線道路が走っていました。

●明るい従業員
 8:30、スーツケースが届かないので、先に朝食をとりました。食欲がなく、スイカ、パイン、メロンなどの果物とコーヒーだけに。
 部屋に戻って、シャワーを浴び、ひげを剃ったら生き返ったような気分です。ホテルの従業員はサービス精神が旺盛。すれ違うたびに「ジャンボ」とにこやかに接してくれます。男性ばかりの従業員が優しかったネパール・チトワンのホテルを思い出しました。

●厳しい警戒
 ホテルの警備は厳重です。外部から来る車は2つの遮断機に阻まれます。遮断機に挟まれる形でストップした車を警備員が念入りにチェック。
 棒に取り付けた鏡を車の底部に当てて爆薬などが仕掛けられていないかをしっかり確認。何事もないとわかって初めてホテルの敷地内に入れてもらえるという厳重さ。どこもテロ対策に神経をピリピリさせています。

●熱帯の樹林
 熱帯の樹林に囲まれた庭には多彩な花が咲き、野鳥が林間を飛び交っていました。プールもあります。フロント周辺のソファではゆったりくつろぐ客もいて、リゾート気分にさせてくれます。
 私たちもその気になって庭を散歩していたらスコールがやって来ました。かなり激しい降りでしたが、間もなく止んで元の青空に。変り目の早い天気です。

●ケニアという国
 昼食後は郊外の観光に出かけます。その前にケニアという国のさわりを――。
 ケニアはアフリカ東海岸に位置する共和国。北はスーダンとエチオピア、東はソマリア、西はウガンダ、南西はタンザニアの国境。南東はインド洋に面しています。面積は58万2646平方km2 で日本の約1.5倍。
 首都は国内最大の都市ナイロビ。元首は2002年12月に就任したムワイ・キバキ大統領です。日本との時差はマイナス6時間。通貨はケニア・シリング。

●多民族国家
 人口は約3164万人(2003年推計)で、国民の大多数をキクユ族、ルヒヤ族、カンバ族、カレンジン族、ルオ族などのアフリカ系黒人が占めています。しかし、国内には42もの部族があって、勇敢な戦士で有名なマサイ族もその一つです。他にはインド系、ヨーロッパ系、アラブ人などが少数。国民の65%は農村部に住んでいます。
 公用語は英語、国語はスワヒリ語ですが、バントゥー語、ナイル語、パラ・ナイル語など数多くの部族語も日常的に使われています。宗教はプロテスタント40%、ローマンカトリック30%、イスラム教6%、伝統宗教など23%。

●地形と気候
 ケニアの地形はインド洋沿いの低地から乾燥した高原地帯へと徐々に高くなり、高原の西側には火山が連なっています。その最高峰がケニア山(5199m)です。
 国土のほぼ中央を赤道が走っています。気候に関しては北側は少雨、高温で砂漠または半砂漠の不毛地帯。南側の気候は海岸地帯が多湿、高原地帯が温暖、ビクトリア湖地域は熱帯―と、大ざっぱに3つに分けられます。10-12月と4-6月(大雨期)は雨季ですが、年間を通じてすごしやすい気候です。

●動物と植物
 ケニアは野生動物の宝庫。国内最大規模のツァボ国立公園やナイロビ国立公園、マサイマラ国立保護区などにはゾウ、サイ、シマウマ、キリン、ライオン、ヒョウ、チーターなどの大型の動物が生息しています。
 植物も豊富で多種多様。沿岸地域にはパームヤシ、マングローブ、チーク、ビャクダンの森、標高900mまでの低地ではバオバブやユーフォルビア、アカシアなどが茂っています。900-2700mは低木が点在するサバンナの草原地帯です。

●カッシア満開
 12:30、昼食もホテルで。ビュッフェ式でスープが人気でした。スコールの後、気温が上昇したようで、庭に出るとむっとした熱気が襲いました。
 14:00、郊外の観光に出発。ドライバーが代わって、日本語の上手なサミー。向かう先は映画「愛と哀しみの果てに」の原作者の元邸宅。沿道には枝いっぱいに黄色い花を咲かせた並木が続いています。サミーは「イエロー・オリエンターです」と説明してくれましたが、正しくは「カッシア」というようです。

●花真っ盛り
 ジャカランダが薄紫の花を残しています。1月ごろが開花の盛りだといいます。ややどぎつい赤色はアフリカンディゴ。ハイビスカスも、ブーゲンビリアも続きます。ケニアは花真っ盛りの季節を迎えていました。
 花の育苗が盛ん。業者たちは木陰にたくさんの鉢を並べて買い手を待っています。ケニアの人は花好きでもあるようです。

●カレン・ブリクセン博物館
 ゴルフ場がありました。「メンバーだけが高料金でプレーできます」とは、サミーのの話。ナイロビはキクユ族が多いそうで、ドライバーは「私もそうです」といいました。
 カレン地区を走りながら、そんな話をしているうちに14:30、目ざすカレン・ブリクセン博物館に到着しました。デンマークの女流作家、アイザック・ディネーセン(本名カレン・ブリクセン)が1917年から1931年までの14年間住んでいた邸宅。彼女は映画「愛と哀しみの果てに」の原作「アフリカの日々」を著した人物です。

●コーヒー園経営
 邸宅には当時の調度品や書物などが展示され、博物館として一般に公開されています。彼女はデンマークの資産家に生まれ、ブリクセン男爵と結婚して27歳(1914年)の時に当時の英領東アフリカ(後のケニア)にやって来ました。
 コーヒー農園を経営したのですが、酸性土壌なので上手くゆかず、そのうえ夫への信頼を失って1921年に離婚。その後、健康が優れず1931年に帰国しました。ヘビー・スモーカーで肺ガンに冒されていたのです。

●アフリカの日々
 デンマーク帰国後にまとめたのが回顧録「OUT OF AFRICA(アフリカの日々)」。館内にはベッドや浴槽、狩猟用の衣装、召使いのキクユ族の女性を描いた油絵など展示されていましたが、とくに目を惹いたのは他界する3日前に撮影されたという写真。骨と皮だけにやせ細った姿は、かつての美貌からはとても想像できない痛ましい容貌でした。
 他に映画の主題でもある恋人デニス・ハットン(イギリス人)の写真が意味ありげに展示されています。

●アカデミー賞受賞
 アカデミー賞を受賞したアメリカ映画「愛と哀しみの果てに」は1985年に公開されました。監督はシドニー・ポラック。主人公のカレン・ブリクセンにはメリル・ストリープ、恋人デニスにはロバート・レッドフォードが扮しています。
 館内は撮影が禁止されているので、外観をカメラにおさめておさらばしました。

●翻るケニア国旗
 次のジラフセンターへ向かう途中、車窓から翩翻(へんぽん)とひるがえる黒、赤、緑3色のケニア国旗を見ました。国旗のデザインは独立と関係があります。ケニアは1895年からイギリスの保護領となって、その支配下におかれたのですが、1963年 12月に独立しました。その時の独立運動で中心的な役割をした党の旗を国旗に採用したのです。
 上から黒、赤、緑の横縞模様になっており、黒は黒人の国であること、赤は自由獲得の戦い、あるいは世界の人々と同じ血を持つことを、緑は草原と森林を、また仕切り線の白は平和と統一を表しています。中央にあしらわれた紋章はマサイ族の盾と槍で、自由を守りぬく決意を表現しているそうです。

●ジラフセンター
 郊外のジラフセンターにはキリンとイボイノシシが飼育されています。観光客の姿を見つけると、林の中からキリンが軽快な足取りで集まってきました。
 狙いはおやつです。建物の2階に固形の餌が無料で用意されており、手のひらにのせて差し出すと、キリンが長い舌を出してちょうだいします。その触れ合いがセンターの売りになっているのです。

●餌与え
 ここのキリンはマサイキリンとアミメキリンの仲間の亜種で、ロスチャイルド・キリンだそうです。先を争うように餌を差し出す一行。手にキリンの舌が触れたといっては大騒ぎしていました。
 奈良の新婚さんが女性ガイドの案内で訪れていました。若くしてケニアへ。良い時代になったものです。

●写真に協力
 センターの入り口付近で見学の幼稚園児たちに出会いました。にこにこ顔にカメラが何台も。先生はバスに乗り込んでいた子供たちまで降ろして協力してくれます。笑顔が素敵でした。高校生らしいグループも喜んでポーズをとってくれます。
 女性2人は自慢のヘアスタイルをカメラにおさめてもらって大喜び。「写真撮影を嫌がる人が多い」と聞いていましたが、いまのところは抵抗がありません。  

●飛び交う野鳥
 この日の観光はこれで終了。ホテルへの道すがら東アフリカの民芸品を扱っているショッピングセンター「ウタマドゥニ」に立ち寄りました。店の前に金属製の工芸品を並べた風変わりな店。店内では色彩鮮やかな織物や木彫りが目を惹きました。
 旅はスタートしたばかり。お土産探しには早いので、庭に出て飛び交う野鳥を眺めて時間つぶし。その折りの添乗員との雑談で、彼女もまた「旅たびEnjoy」を見ていてくれることを知ってうれしくなりました。

●スラム街
 17:00、ホテルへ向かと、大きなスラム街があり、工場勤務を終えた人たちがゾロソロと家路についていました。月収は8000シリング程度なので、なかなか生活苦から解放されないという話です。それでも職にありつける人は良い方。
 傘を抱えている人を多く見かけます。どれもゴルフのプレー中に使うようなジャンボ傘です。直径7、80cmはありそう。先ほど体験したスコールなら、大きな傘がなければ、とても防ぎきれないように思いました。

●治安の悪化
 二重の遮断機をパスしてホテルに戻りました。ナイロビの治安は極度に悪化しているそうで、個人での外出は禁止です。内戦や貧困から逃れるために、アフリカ各地から国を捨てて流入する人が増え、それに伴って治安もどん底状態になっているといいます。
 市内の観光が省かれているのもそのためでしょう。商店は金網でガードされ、ホテルのフロントもキャッシャー付近には防護用の金網が施されています。君子危うきに近寄らず。わが身の安全を守る術は、これに限るようです。

●ナイロビ
 そのナイロビについても、さわりを――。
 ナイロビは標高1798mの南部高地のにあるケニアの首都。経済、政治、文化の中心地で、アフリカでも成長著しい大都市のひとつです。食品加工、織物、衣料、建設資材や通信・交通機器などが経済を支えており、観光業も盛んです。人口は約200万人。 
 1890年代後半にウガンダ鉄道工事の宿舎が出来て商人や労働者が住むようになり、1905年にはイギリス東アフリカ保護領の政庁が設けられて急速に発展しました。63年に独立してケニアの首都になりました。

●主な見所
 最大の観光地は野生動物保護区のナイロビ国立公園。他にはアフリカ草創期の人類に関する史料を展示するケニア国立博物館も知られています。地上最大といわれる巨象マーメッドの模型とケニアで発見されたアウストラピテクス・ボイセイ(人類の祖先)の化石があるので有名です。また、「野生のエルザ」の著者ジョイ・アダムソンが描いた動植物画なども展示されています。

●満足の夕食
 19:00、夕食はシーフードのバーベキュー。イカ、エビ、各種の野菜を好みの素材、好みの味付けで焼いてくれます。大きな魚の切り身があったのでそれも加えてもらったらロブスターだったので大感激。
 他には肉やソーセージのバーベキューも。中でも大人気はロブスターのバーベキューです。みんな何度も足を運んで「食べ放題は贅沢よね」などと満面の笑みを浮かべていました。 


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