【アルバム名】
BIG 6 (RIVERSIDE)
【リーダー名】
BLUE MITCHELL (1958/7/2,3)
【パーソネル】
BLUE MITCHELL (tp) CURTIS FULLER (tb) JOHNNY GRIFFIN (ts)
WYNTON KELLY (p) WILBUR WARE (b) PHILLY JOE JONES (ds)
【収 録 曲】
BLUES MARCH / BIG SIX / THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU / BROTHER 'BALL /
JAMPH / SIR JOHN / PROMENADE
【内   容】
 上田西洋旅籠館。これが今回宿泊したホテルの名前です。ヘンな名前ですよねー 。おまけに、あまり“ガク”のない人だったりすると正確に読めないおそれがあります 。“うえだせーよーたびかごかん” とか言いかねません。多少“ガク”のある人でも 正確に書けないおそれがあります。「はたごかん。そう、“たび”という字にぃ、ハナ カゴ部屋の“かご”って言う字。」とか説明されても、ああ、“かご”って言う字ね。 と心の中ではわかっても、いざ実際に書くとなると80パーセントの人が「上田西洋旅 かご館」と書いて、あとで調べようと思っているうちにうやむやになってしまうという 、そういう危うさを秘めた名前でございます。なぜ“上田ホテル”とか、そういうシン プルな名前にしなかったんでしょう?名付けた本人は「なんか、明治のロマンネスクを 感じさせて、いいぢゃん?」とか自画自賛しているかもしれませんが、それをいうなら ロマネスクぢゃん?と言ってやりたいです。この名前のおかげで私は多大なる迷惑を被 ったわけでございまして、すなわちこのホテルは私がネットの『旅の窓口』で捜し出し て予約したわけなんですが、ある日、今回の“長野ゴミ処理場ツアー”の元請けである 東○産業大阪支店のオケタニさん、通称“大阪のオケぴょん”から電話がかかってまい りました。
「ホテル、もうとったぁ?一緒んとこ泊まろかな。なんちゅうとこ?」
そこで私は言葉に詰まりました。会社の自分の席で電話をとったものだから、私の 話している声は当然、隣席のOLさんの耳にも届いているはずです。そんな情況でもし 「うえだせーよーはたごかん」などという名前を口にしたとすれば、OLさんは何と思 うでしょうか?その心のうちを推測してみるに、
 
 うえだせーよーはたごかん?何それぇ?変な名前ぇ。。。
 
“OLさんの心のうちを推測してみる。”と大きく出たものの、内容のほうはぜん ぜん大したことありませんでしたが、数日後、私の隣席のOLさんのところに、もうひ とりのOLさんがやってくるわけです。この2人はよく“仙石さんの電話のコードの絡 まり具合”などを論じているわけですが、今日のテーマは“いなばさんの長野出張問題 ”でありまして、行先掲示板に書かれた
 
  稲葉(有) 9/24〜27 長野
 
という文字を見て、もうひとりのOLさんのほうが少し寂しそうに「いなばさん、 長野に出張かぁ。。。」と言うわけです。なぜ少し寂しそうなのかと言うと、このOL さんは稲葉くんに惚れているから、4日間も稲葉くんに会えなくて寂しいのぉ。。。と 思っているわけなんですが、それを聞いて私の隣席のOLさんは「うん、なんかイイよ ねぇ。。。」というようなことを言うわけです。このOLさんは常日頃から暇を持て余 してパソコンで犬を育成したり“ソリティア”やったりしているので、出張というのを 羨ましく思っているに違いないのです。と同時に、数日前に稲葉くんが電話でヘンなホ テルの名前を口に出していたことを思い出し、「なんか、ヘンな名前のホテルに泊まっ てるみたいよぉ。」というようなことを言うわけです。すると当然、もうひとりのOL さんは「どんな名前ぇ?」と聞くことになるんですが、隣席のOLさんのほうもうろ覚 えなものだから、「なんか、うえだせいよう・・・なんとか。。。」
 
 やがてこの話は社内のOLさんに伝えられていくわけですが、「伝言ゲーム」で はその伝達の過程において“省略”“変化”“追加”の3つの要素が働くということは よく知られております。話の要点だけを伝えようとするため、伝達者が不要と感じとっ た単語は“省略”され、聞き違いによって単語が“変化”し、伝達者の主観によってオ リジナルにはなかった内容が“追加”されるわけですが、その結果、
 
  稲葉さんはヘンな名前のホテルに泊まっている。その名前は“うえだせいよう ・・・”
 
という文章が5人目のOLさんに伝わった時には
 
  稲葉さんはヘンなホテルに泊まっている。飢えた性欲の捌口を求めて。
 
という内容に変わっていて、稲葉くんが4日ぶりに出社した頃には「稲葉くん、ラ ブホでフィーバー♪疑惑」は不動のものとなっていて、お茶を持ってくるOLさんの態 度も妙によそよそしいのでありました。
 
 と、大阪のオケぴょんに「なんちゅうとこ?」と聞かれた瞬間、そこまで先を読 んでしまった私は、咄嗟に「えーとぉ・・・、あとでファックス入れときますぅ。」と 逃げたのでありますが、オケぴょんってば「いま、ここで教えてくれればエエわぁ。」 と、しつこいのであります。「いや、ちょっとヘンな名前やもんで・・・」と消え入り そうな声で言い訳めいたことを言うと、ようやくオケぴょんは納得してくれたんですが 、電話を切ったときには気苦労でへとへとでございました。「上田西洋旅籠館」などと いうヘンな名前を付けてくれたばっかりにとんだ迷惑を被ったわけでありまして、責任 者の猛省を促す次第でございます。
 
 @ ということで今日はブルー・ミッチェルの『ビッグ・6』なんですけどね。 このアルバムに関しては“マイ・コンピ”のコーナーの『嬲る道、えろえろ』というと ころに書いてあるので、それを引用してお茶を濁そうと思ってるんですけどね。ところ でこの「なぶる」という感じなんですが、“嬲”という男2人&女1人の3Pバージョ ンの他にも“嫐”という逆バージョンや、“娚”というノーマル・バージョンまで用意 されているんですね。中国人の造詣の深さにはほとほと感心させられてしまいますが、 そのうち“馬偏に女”とか“犬偏にバター”などという新しい漢字も出てくるかも知れ ませんね。それはともかく『嬲る道、えろえろ』からこのアルバムの部分を引用してみ ると、
 
『BIG 6』 (RIVERSIDE:1958)
 
 ビッグ。いいですなぁ。心がときめきますね。「ビッグよっちゃんいか」とか 。そんなもん、ありましたっけね?で、ブルー・ミッチェル、カーティス・フラー、ジ ョニー・グリフィンにケリー、ウィルバー・ウェア、フィリー・ジョーですかぁ。ブル ーのミッちゃん自身は“超ビッグ”というより、いい意味で“B級”というか“特技は 珠算4級”という感じで、「4級じゃちょっとねぇ。。。」と試験官の人に渋い顔をさ れて、あ、でも英語も得意ですぅ。英検も4級なんですぅ。と、あわてて付け加えるよ うなタイプぅ?で、「アメリカ人なのに英検4級というのも。。。」と、再び試験官の 人に渋い顔をされ、「でも、特技がテーブルマジックの人よりはマシでしょ!」と逆ギ レしたりするタイプぅ?ケニー・ドーハムに通ずる“地味だけど派手じゃない系”のト ランペッターで、本人が地味だけに、ベニー・ゴルソンやグリちゃんといった“勢いだ けテナー”と組むといい働きをするような気がします。ピアノだとケリーと相性がいい ですね。ということで、この『ビッグ・6』はベスト・メンバーではないでしょうかね ?で、ブルーのミッちゃんという人は、作曲面に関してはそれほどお盛んではないんで すが、自らのリーダー作には必ず1〜2曲、印象に残るオリジナルを提供しております 。このアルバムではあの「ブルース・マーチ」をゆっくりめのテンポで演奏したりもし ておりますが、個人的にはミッちゃんオリジナルの「ブラザーズ・ボール」が好きっ。 どうでもいいけどこれ、なんか意味シンなタイトルですな。兄弟のタマ?ネがまじめな 僕は「ああん、兄貴ぃ♪」「くーっ、タマらんっ☆」という世界を想像してしまいます が、3管のアレンジも見事なファンキー・チューンでございます。ソロはミッちゃん( 地味だけど滋味で勝負)→グリちゃん(勢いだけで勝負)→フラちゃん(地味だけどシ ジミは肝臓によい)→ケリちゃん(タマを舌の上で転がされるのは気持ちがよい)の順 で、最後にミッちゃんとフィリー嬢の4小節交歓があって、テーマの再現があって、お しまい。いかにもハード・バップらしいハツラツとした演奏で、今日のお昼はオムレツ とカツレツ。はい、次。「JAMPH」(←何と読む?)はフラーのオリジナル。「兄 弟のタマ」とよく似たムードのファンキー・チューンですが、だって僕、こういうの好 きなんだ悶々、煩悶、水戸黄門。ソロ・オーダーはミッちゃん、グリちゃん、フラちゃ ん 、ケリちゃんの順。さっきとまったく同じでありますが、演奏時間が短いので各自 あっさりしていて、これはこれでいいです、ハンソン。
 
 うん。自分でもまったく期待していなかったんですが、思ったよりもいい感じの 原稿に仕上がってますね。最後のイーデス・ハンソンだけは余計でしたけどね。で、こ の原稿はピン子用だから、特定の曲についてしか触れられていないので、今回は選に漏 れた曲を中心に解説してみたいと思います。1曲目「ブルース・マーチ」。いわずと知 れたベニー・ゴルソンの代表作です。マーチング・マチコ先生を彷彿させるファンファ ーレで幕を開けるミッチェル版「ブルース・マーチ」、略して“ミッチェル・ブルマー ”は、JM版“モーニン・ブルマー”より若干ゆっくりめのテンポで演奏され、今ひと つファイトとか根性に欠けるきらいがあるんですが、いま“きらい”という漢字を調べ ようとして辞書を開いたら、数ページ先の“食い込む”という単語が目に飛び込んでま いりました。ブルマーに“食い込み”は付き物ですからねぇ。ちなみに「〜する傾向が ある」という意味の“きらい”も“嫌い”という漢字でいいみたいですが、テーマ部の ほのぼのムードはグリフィンのソロに入ると空気が一変します。もぉ、グリちゃんって ば強引なんだからぁ。。。でもその力強いところが好きっ♪後半はオーバーブロウ寸前 といった感じなんですが、くどくなる前にタイミングよく青ミッチェルにバトンタッチ されます。ミッチェルのソロは力弱いんですが、味で勝負するタイプですよね。それは 続くカーティス・フラーにも言えまして、この“しょぼい”感覚がリバーサイドなんで すよね。先日、カラオケで歌いましたけどね、リバーサイド・ホテル。出だしの音がハ ズレまくってどうなることかと思いましたが、途中で修正して、なんとか最後まで歌う ことが出来ました。で、4番手のケリーのソロは、彼がケリーであることを考えると、 それほどの出来ではありません。…って、この言い回し、ひさしぶりに使いましたがや っぱりイイですなぁ。最後にウィルバー・ウェアのソロがあって、テーマに戻って、お しまいです。
 
 2曲目のタイトル曲「ビッグ・シックス」はウィリアム・ブーン・ジュニアとい う人のオリジナルです。テーマ・メロディは、もうちょっと頑張れば大ブレイクするか も?と言った感じで惜しいセンをいってるんですが、そんなことはお構いなしに、ただ ひたすら吹きまくるグリフィンのソロが圧巻です。続くミッチェルが押され気味なのも やむを得ないところでありますが、フラーはかなり土俵の中央まで押し戻した感じです ね。そこをケリーが下手ひねりで逆襲に転じるわけですが、ここで再びミッチェルが登 場してフィリー・ジョーと激しい張り手の応酬を繰り広げます。うーん、まあまあです かね?
 
 ではここで気分を一新して、美しいバラードをどうぞ。「ゼア・ウィル・ネバー ・ビー・アナザー・ユー 〜 貴方なしでは」。多くのハード・バッパーがミディアムで 料理したがるこの素材を、ブルー・ミッチェルは原曲どおりのバラードでしみじみと歌 い上げます。で、ケリーのソロがまた泣かせるんですよね。ミッチェルとケリーの歌心 がストレートに吐露された絶品でありまして、ちなみにこの曲ではグリフィンとフラー の2人はお休みです。で、皆さま、お股せ!ミッチェル作の名曲「兄弟のタマ」を、こ こで聴くことが出来ます。「ビッグ・シックス」をもうちょっと何とかすれば大ブレイ クする気配があったわけですが、それを「何とかした」のがこの曲であると言えましょ う。多言は無用、ただひたすら“ビッグな6人衆”が奏でるグルーヴに身を委ねましょ う。
 
 と、手抜きな解説をしておいて、5曲目の「JAMPH」。今になってもやっぱ り読めませんが、カーティス・フラーのペンによるこの曲もファンキーを代表する名チ ューンと言えるでありましょう。そこはかとない哀感がもう、たまらんっ(←ち会長は 引退。)グリフィンは依然として大ハッスルだし、ミッチェルとフラーの2人はこうい う曲調になると俄然かがやきを増しますよね。ケリーもここに来て絶好調です。「貴方 なしでは」から「JAMPH」に至る中盤の3曲が、このアルバムのハイライトと言え るでしょう。ということで、残りの2曲はさらっと流しておきましょうね。
いや、上田西洋旅籠館の便器に投下したウ○コは、なかなかさらっと流れてくれな くて苦労したんですが、旅先のウ○コって、何故かいつもより粘り気が強くはありませ んか?そう思うのは僕だけですか?で、ミッチェルのオリジナル「サー・ジョン」は後 にあの『ブルース・ムーズ』でも再演されることになるんですが、そちらのバージョン のほうが出来はいいです。こっちのバージョンではまあ、ウィルバー・ウエアのいかに も“ベースのセロニアス・モンク”らしいソロが聴けるのが収穫でありましょう。グリ ちゃんは相変わらず頑張ってますけどね。で、ラストの「プロムナード」は「ビッグ・ シックス」と同じウィリアム・ブーン・ジュニアのオリジナルです。賛美歌のようなハ ーモニーがオモロイですね。アルバムのエンディング・テーマとでも言うべき、1分4 0秒の短い演奏でございました。
 
 ということで、やっぱりイイですなぁ、リバーサイドの青ミッチェルって。…と いうことを再認識させられた1枚でありました。グリちゃんファンにもお薦めねっ♪


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