中国旅行記 広州・桂林編 page3

 

 

広州

 朝、広州駅に到着すると、K嬢のお友達、Cさん(中国人)がお出迎えに来てくれていた。その後、この広州滞在では、Cさんに多大なるお世話になってしまうことになる。Cさんの紹介で、ホテルに移動。ホテルというか、Cさんの家の近くにあるウィークリーマンションのようなもの。おかげで、一人一部屋、60元という破格の安さ。この時点で、私とDは、20日の汽車の切符が取れないことが確定だったので、切符獲得のため、走りまわる。まあ、この辺は1月25日付中国事件簿日記編に詳しいので、そちらのほうをごらんあれ。この旅行記は、切符獲得談はできるだけ省いて進めることにしましょう。
 広州といえば、言わずと知れた南の大都会。しかし、ついた当初からなんだか違和感が…これはなんだ?この感覚はなんだ?そう、これは小学校5年生の時、はじめて東京に行ったときの感覚に似ている。東京への憧れをめちゃくちゃ膨らませていた田舎もの少女咲が、「?」と思ったあの感覚に。とにかく街が、あまり清潔ではない。そして、ガラが悪い。はっきり言えば、ちょっと怖い。広東語がわからないって言うのもあるでしょうが。上海並みの近代都市を想像して行った私には、なんとなく下町チックな印象は否めなかった。
 しかし、暖かい!!というか、暑い、暑いぞぉ〜〜。切符獲得のため広州駅の長蛇の列に並んでいたときも、日射病にかかるかと思った。長袖を着ていたら汗ばむほど。慌てて日焼け止めを塗りこむ私。これですよ、これ。この暖かさを求めていたのよ。

 そして、広州での目的は、そう、これしかない!食い倒れ

なんたって、「食は広州にあり!」ですよ、アナタ。

3日間で、思う存分食い倒れました。


〜広州食い倒れ(と観光)の軌跡〜

<1日目:広州ゲテモノの夕べ>
 
Cさんの案内で、到着した日の夜、近所のレストランへ。わたしたち3人の希望はただ一つ。

「変わったものが食べた〜い♪」

 そこでチョイスしたのがヘビ。水槽の中でうねうねうごめくヘビくんの中からお好みの物を選び出し、その場で首を落とす。きゃぁ〜〜〜〜、ザンゴク(はぁと)これは身をから揚げに、皮を炒め物に。それから、Cさんの大好物というゲンゴロウの炒め物。すべてびくびくもんで食べましたが、意外においしいことにびっくり。その他、いろいろな食を堪能させてもらいました。また、並ぶ食材がすごい!ハトから、カエル、猫まで並んでる。レストランによっては、ハリネズミとか、イタチまで並んでいた。さすが広州!
 もう一つ、おもしろいとおもったのがここのテーブルマナー。まず、席に着くとおねーちゃんが「なんのお茶を飲むか」ときき、おもむろにお茶をついでくれる。これをそのまま飲んではいけない。
まず、そのお茶で箸を洗い、
スープの器に移して湯のみを洗い、
最後に取り皿を洗う。

もちろん、この一番茶は捨てる。Cさんの話によると、食器があまりきれいではないからそうするとのこと。また、一番茶はあまりおいしくないから、という理由もあるらしい。周りのテーブルでも、広州滞在の間いったレストランすべてでこの作業は行われていた。
 ちなみに、この食事、Cさんのおごり。すんまそん。

<2日目:広州アジアな夕べ>
 
午後から、Cさんの案内で沙面散策へ。
 沙面は、旧外国人居留区で、古い洋館が立ち並んだ美しいところ。川沿いの公園を歩く。川面に映えるビル郡を激写したが、その写真はK嬢が握っているため、省略。そしてその北側にある清平市場へ。ここは広州最大の自由市場。食材ならなんでもそろう、ちょっと恐ろしいところ。取った写真は中国日記に上げた通り。鶏、ハト、キジ、猫、ウサギ、アライグマ、カエル、サソリ、ヘビ、はてはウミガメまで。一瞬「ペット売り場か?」とおもっちゃうが、これ、立派な食材市場です。
 そして夜、広州の日本人学校の先生、K先生とそのご家族のご招待で食事へ。このK先生、HPを通じて、同僚K嬢がお知り合いになった方。わたしたちが広州にいくことを知り、ご親切にも、もったいなくも「夕食を一緒に」といってくださったのです。<わたしなんて、まったくの部外者なのに。ありがとうございます。
 行った先は、タイ料理レストラン!!

きゃぁ〜〜〜、うれしぃ〜〜。

「たまには変わった物を」とおっしゃるK先生の後ろに後光がさして見えました。
そーなんです、中国にいるとどうしても中華ばっかりになっちゃってねぇ。
 で、このタイ料理が、非常に、感動的に、爆発的に(しつこい)おいしかった。トムヤンクンをはじめて飲んだ。サバの塩焼きなんて、1年ぶりに食べた。27年のつまらない人生の中で、タイ料理などというしゃれた物を食したことがなかったわたしは、「タイ料理って、こんなにおいしいんだ。」と、もうひたすら感動。K先生から、広州についてもいろいろなアドバイスをいただき、広州の生活のお話もお聞きして、大満足な夜でした。

K先生、本当にありがとうございます。

 その後、Cさんからのお誘い。
「天河という場所で花市があります。今日が初日です。見に行きませんか?」
 広州といえば、四季を通じて花が咲き乱れる「花城」として有名。ちょっとお疲れモードに入っていたが、せっかくのお誘い、見に行くことに。これが大当たり。冬の灰色1色な済南に慣れている目にはまぶしいほどの花、花、花の群れ。「ここは春か?」と言いたくなる。Cさんの話によると、春節前には、市内のあちらこちらで、この「花市」が開かれるが、ここ天河で開催されるのが最大規模とのこと。数日後に済南に帰る旅行者の身でなければ、あふれんばかりの花束を買って帰りたかったわぁ。
すれ違うカップルたちの姿も目にまぶしい花市の夜でした。

<3日目:広州飲茶な一日>
 飛行機で帰ることが決定したDにとって最後の日、私たちは、一日飲茶に溺れよう!と決心していました。広州といえば、なんてったって飲茶。

***ここで飲茶の基礎知識***
 飲茶には、早茶下午茶晩茶の3種類がある。早茶は朝6時〜11時くらいまで、朝ご飯がわりとなる。下午茶はいわゆるアフタヌーンティー。午後2時〜5時くらい。晩茶は夕食後、8時〜深夜1時くらいまで。普通のレストランでは、早茶タイム、昼食タイム、下午茶タイム、夕食タイム、晩茶タイム、と区切られている。ってことは、ほぼ24時間営業ですな、レストランは。
 さて、一般的な飲茶のスタイル。まず席に着くと、お茶の種類を聞かれ、カードを渡される。ワゴンに乗ってまわってくる食べ物を取ると、値段に応じて店員さんがカードにはんこを押す。で、あとで清算。ワゴンで回ってくる物を食べるもよし、自分でカウンターに行って、そこにならんでいるものを選ぶもよし。形でいえば、バイキング形式ですね。
 わたしら日本人は、飲茶といえば饅頭、シューマイなどの蒸しもの系を想像しがちですが、それは飲茶のほんの一部。ほかに、揚げ物(春巻き、胡麻団子、タルト、揚げ菓子)、焼き物(モチ、ギョーザ、ビーフン、やきそば、他によくわからない物)、煮物(内臓の煮込み物が多い、おかゆ)が充実しています。
 料金は店によって違いますが、普通の店では1品1.5元から10元程度。口からはみ出るほど食べても、一人20元になったことはない。また、ときどき、「一律3元」のようなうれしい張り紙がしてある店もあり、ちょっと敷居の高い店でも、比較的お安く食べられるのが、飲茶のいいところ。

 

 さて、朝起きて、まずは近所のレストランに直行。そこでまったりと早茶を楽しむ。やはり私たちは蒸しもの系に目が行きますな。朝っぱらから狂ったように食べるわたしたち3人。特に、黄身まんがおいしかった!満足して観光へ。
 ふくれた腹を休めるために、駅の近くにある蘭圃という公園へ。名前のとおり、蘭の花がたくさんある静かな公園。ここには、茶館(中国風喫茶店)がたくさんあり、ゆっくりと中国茶を楽しむことができる。一つの茶館に入り、ウーロン茶をたしなむ。おねーちゃんが本格的な作法でお茶を入れてくれる。

お茶を立ててくれるおねーちゃん

 値段はお茶の種類によって、一人20から150元。たか〜い、と思うが、このお茶がおいしい!私は、こんなにおいしい烏龍茶は生まれて初めて飲んだ(ちなみに一人25元)。北にいるもんだから、あまり烏龍茶なんて飲む機会はなかったが、これを機に烏龍茶をいろいろ集めちゃおうかしらと真剣に思った。
 さわやかにふく風、暖かい日差し、静けさの中から聞こえてくる小鳥のさえずり(たぶんテープ)。ここで、2時間ほど呆けた時間を過ごす。はぁ、しあわせ。
 そろそろお腹がすいたかな?という頃に目指すはもちろん、下午茶。駅近辺には適当な店がなかったので、一番の繁華街、北京路へ向かう。しかし、探しているときほど見つからないもので、なかなかレストランを発見できない。やっとみつけたちょっと高級そうなお店。呼びこみのおねーちゃんの「飲茶あります」の声に敏感に反応し、疲れ果てていたわたしたちは、迷わず入った。またしてもまったりと、しかし迅速に飲茶を摂取する。うふん、おいしい。
 3時を過ぎているというのに、店内は大変な混雑で、相席に。相席相手のおじさんは、上海人。元軍人のダンディーなお方。弟さんが、日本に留学しているそうだ。いろいろとおいしい物をすすめてくれた。彼の目から見ても、広州はあまり安全ではないそうだ。
 紳士で軍人で上海人なおじさんに別れを告げ、私たちは、またこりもせず、清平市場へ。別にゲテモノを求めていたわけではない。今日の夜のハイライト、「珠江ナイトクルーズ」までの時間つぶしです。ちょっとした骨董品をあさりたかった私とK嬢であったが、骨董品街へたどりつけず。自他共に見とめる地理オタク、Dの力を持ってしても、ダメ。つまり、地図が古いってことか?
 中国の発展は日進月歩。そんじょそこらのガイドブックでは追いつけません。そして市内で販売している地図なら追いつけるかというとそうでもない。なんせ、「2000年版」をそのまま「2001年版」にかえて売ってるような地図だかんね。結果、市場周辺を、2時間ほど、ボヘミアンのようにさまよう。

 さて、夜のハイライト、「珠江クルーズ」。市の中心を流れる珠江という川を、周囲の夜景を楽しみながら、1時間半かけてクルーズするというもの(35元)。一日3回ほど行われ、1回目では軽食も出るが、あえてコーヒーしか出ない2回目を選ぶ。(理由は後述)甲板の、しかも川に一番近いとこというベストな位置を取り、涼しいと感じるこの気持ちもうれしいさわやかな夜風にあたりながら船は川を進む。周囲にはバブリーなビルが立ち並び、中国現代の発展をこれでもかと見せつける。また、ライトアップも春節バージョン。船内ではどこかの会社の宴会が始まり、甲板には景色をめでる人々があふれ、船の一番前ではカップルが柵を乗り越え「タイタニック」をしながら、運転手の視界をさえぎり・・・こうして、広州の夜は更けてゆく。

なんだかおめでたいビルのライトアップ。

動いてるからピントが合っていない、ごめん・・・

 快適な1時間半の船旅を終え、時刻は10時、みんなそろってお疲れモード。しかーし、ここでへこたれてはいけない。本日、食い倒れの締め、夜茶タ〜イム!このために、ナイトクルーズは食事が出ない物を選んだのだ。とりあえず、食い倒れても帰りつけるようにホテルの近くまで戻り、そこのレストランで、夜更けの烏龍茶と点心を楽しむ。これで太らなきゃ、奇跡ですな。
 こうして無茶な、いや飲茶な一日は幕を閉じた。

勝手に、個人的に選ぶ点心ベスト3
ベスト1:ももまん(黄身まん) 
ベスト2:エッグタルト      
ベスト3:おかゆ(ピータン入り)

 

 

居残り決定、広州おまけの日々。

<おまけ第1日>

 さて、次の日の朝6時50分。青島に帰るDをお見送り。旧正月大晦日、生徒の家に行く約束があるDは、涙ながらに飛行機で帰る選択をしたのだが、複雑な顔をしていた。「帰りたくない」と肩を落とすDの背中を激励し、力いっぱい手を振り、旅の安全を祈り、さて、部屋に戻って二度寝。<をい
 10時ごろ、3日間お世話になったホテルだかウィークリーマンションだかに別れを告げ、駅周辺のホテル探しへと移動する。理由は、汽車のチケットを確保するため、ちょくちょく駅へ出入りしようと思ったから。朝となく、昼となく駅へ通う私の安住の地は駅周辺しかない。気の毒なK嬢は私にお付き合いで駅周辺にお引越し。Cさんの協力を得て、客引きと交渉し、280元のツインを、150元で勝ち取る。現地中国人の協力者を得ている私たちに怖いものなどない。しかし、広州駅周辺は、治安が悪いことで有名。花も恥らうか弱い女二人組で大丈夫だろうかと思ったが、まあ、大丈夫なんだろうなと思いなおし、ホテルへ移動。近くのレストランで昼食をとる。
 ちなみに今日のメニューはウサギ鍋。鍋といっても、こゆい味付けににんじん、ジャガイモ、大根(らしきもの)を一緒に煮込んだ「中国風煮込み」ともいうべきもので、長旅で少々ビタミン不足気味だったわたしたちにはありがたい代物。ウサギの肉は、柔らかく、さっぱりしていて非常に美味。また制覇したゲテモノが一つ増えた。ここのメニューには、「猫鍋」というおそろしい代物もあった。さすがのゲテモノ食い女咲にも手が出なかった。夜中にあんどんの油とかなめ始めたら困るもんね。
 ウサギ鍋に舌鼓を打っていると、Cさんの携帯電話に着信が。相手はすでに機上の人となったはずの奴隷D。
「おお、早いな、もう着いたのか?」と思いきや、
Dの衝撃の事実。

「チケット、ホテルに忘れました。」

・・・・・・・・・・・・・え?なんですって?もう一度。

「だから、チケット忘れたから、飛行機に乗れなかったんです。」

 気の毒すぎて、かわいそすぎて、涙が出るほど笑ってしまった。(ごめん)
 明らかに人生を投げた口調でDが語るには、空港でこの衝撃の事実に気付き、パスポートを見せたり、チケットを購入した旅行社と連絡をとったりして哀願したのだが、聞き入れてもらえず、虚しくDを置いて青島へと飛び立って行った飛行機を涙をこらえて見送ったのだそうな。ホテルまでチケットを取りに戻り、部屋のゴミ箱の中からチケットを発掘したのだとか。翌日の飛行機に振り替えてもらったため、今日一日がまた暇になる、よって一日遊んでくれろ、ということだった。

気の毒なりDくん。そんなアナタに一言。
「このうっかり者。」

 で、駅前でDと合流し、先輩の権限で、「駅に並んで切符とり」に暇つぶし要員として付き合わせる。K嬢をつきあわせるのは気の毒なので彼女はCさんとお買い物。しかし、この日も思うような切符が買えず、断念し、今度は女の子特権で、姫二人のお買い物に付き合わせるため北京路へ。(Cさんは、お友達と約束とかで、すでに別行動)
 大都市に似合わず、広州は物が安い。この辺、大阪の難波とかミナミとかを思い出させる。しかも、春節前大バーゲンの時期で、3割4割は当たり前。姫たちは、それぞれカーディガンとセーターをお買い求めになった。予定外の飛行機代+余分な一泊ですっからぴんになっていたDもそれでも大人しくついてきた。
 夕食は、これも姫二人のご希望でピザハットへ。肩を落としたDも大人しくついてきた。わたしはすでに北京、上海でピザハットは経験済みだったので、脅威的に、感動的に、爆発的に、(もういいって)うまいことを知っていた。ここ中国では、チーズ系の食品は非常に少ない。チーズは中国人の口にはあわないらしい。勇んで店内に入り、メニューを見ると・・
た、高い。たか〜い!!
 北京より、上海より、明らかに高い。内容は同じなのに。これは予定外だ。で、しかたなく、もったいなくも姫二人と下僕一人は、ジュースだの、サラダだのをピザと一緒に食する人々を横目に、「ピザ一枚だけ一本勝負」にかけるのだった。
 ちなみに、この一行が日本人であると見た店側は、わたしたちの担当に、片言の日本語を話すおにーちゃん店員を配してくれた。すべて自学らしい。ちょっとあったかい気分。

 そしてなんとか広州駅へ戻る。(Dも駅の近くのホテルを取っていた)
「二度と戻ってくるなよ」と暖かい(?)言葉を投げかけ、今度こそ別れる。
Dは右へ、K嬢は左へ、私は前へ(これからまた切符とりのため並ぶのだ)。
3人3様、ちょっとすっぱいおまけの1日が終った。


<おまけ第二日目>

 今日も朝から切符買いに奔走するかわいそうなあたし。朝6時に起床して、明け方の駅を奇襲する。
 しかし、いつもと変わらぬ混雑の駅で行列に並びつつ、ふと私は、
すべてが嫌になった。
 荒くれ男たちと共に行列に並ぶのも、駅に常駐している警察官に怒鳴られるのも、ダフ屋に声をかけられるのも、節操なく割り込みされるのも、スリにかばんのポケットをまさぐられるのも、切符売り場のおばちゃんに冷たくあしらわれるのも。
で、気付いたら、23日、夜11時半、済南行き軟臥の切符を買ってしまっていた。22日の切符を買うために、キャンセルが出るのを日々チェックしていたのにどういうことだ?
まあいい。過ぎたことはもういい。生きて済南に帰れたらそれでいいのだ。<大げさ。
 力を落としてホテルに帰りついたら、もう一つの問題が。今日は21日。わたしは22日に帰るつもりだったので、ホテルは二泊しか取っていない。あと一泊、どこかに泊まらなければ。そこに、K嬢が天使のように甘くささやく。
「Cさんのところに、一泊だけ二人で泊めてもらわない?」
Cさんはご家族と一緒にすんでいる。K嬢は、私が帰ったあと、もともとCさんの家に逗留する予定だったが、見ず知らずの私がそこまでお世話になってもいいものだろうか。しかも今は、春節前。日本で言えば「師も走る師走」にあたる。ただでさえ、Cさんにはこの旅行中、多大なる迷惑をかけている。ここは断るべきだろう・・・。
が、「すべてが嫌になった」わたしは、ついそのありがたい申し出を受けてしまった。そんなこんなで話は決まり、おまけの第二日目、始動。

 今度こそ、本当に二人で取り残された女二人。題して今日は、姫の休日。
 まずは、旅の疲れをいやすため、姫二人(とCさん)は天河にある「足ツボマッサージセンター」へ向かう。ここは、わたしたち二人が絶対行こうね!と堅く手を握り合い、誓い合った場所。ゆったりとした椅子に座らされ、まずはアブクの出る洗面器で足を暖めてもらう。その後、隣のおっさんの天地も揺るがすけたたましいいびきにも負けず、(失礼にも、Cさんは姫のいびきだと思ったそうだ。)スイカなんぞをつまみつつ、70分、70元の足ツボマッサージをこころゆくまで堪能して、とろける。

うふ〜ん、姫、御満悦。

 足取りも軽く、次に向かった場所は、同じく天河にある巨大ショッピングセンター。済南には、この手のおしゃれなショッピングモールは皆無に等しい。ので、姫たちは優雅にウィンドーショッピング。そしてここにはうれしいことにジャスコもある。ここで、姫二人は、済南では手に入りにくい日本食品をお買いあさりになった。歩きまわったせいで、ホテルに戻る頃はマッサージの効果は空のかなたへ吹っ飛んでいたが、姫二人の疲れも、購買欲も、望郷の念も癒す満足した一日だった。


<おまけ第3日目>

 朝から荷造りにいそしむ。今日からCさんのお宅へ移動なのだ。わたしとK嬢の長きにわたった愛の同棲生活も今日で終了。大量の荷物を持ってバス乗り場まで移動する。途中でかよわい乙女のK嬢は荷物の重さに耐えかね、「輪タクに乗りたい」とのたまったが、この辺にたむろする人々にいまいち信頼が置けなかったわたしは「ダメ。」と言い放ち、とっとと進む。気の毒なK嬢は大人しくついてきた。バスで1時間ほど揺られ、Cさんの家に到着。Cさん&そのご家族は、予期していた客K嬢と、そのおまけの予期せぬ客咲も温かく迎えてくださった。普段とは想像もつかない「借りてきた猫なわたし」で午前中を過ごし、午後からは越秀公園へ。

越秀公園
 駅にほど近いところに位置しする、広大な公園。園内には、広州博物館、広州美術館、五羊石像などさまざまな見所があり、歩くだけで一日が終わってしまう。とにかく歩くことにすでにくたくたになっていたわたしたちは、ちょこちょこ園内を歩くだけでお茶を濁す。しかし、「花城」名に恥じず、園内に咲き乱れる花、花、花。今は本当に冬か?

五羊石像です。

なんでも最初に広州にきた人が五匹の羊を連れてきたんだとか。

 

 その後、またしても姫二人のご希望により、セブンイレブンに行く。そう、広州にはコンビニがあるのだ。ついでに言うと、am-pmもある。「コンビニに行きたい」と言うこの気持ちはわからないでしょう。この手の店に中国で行くと、思わぬ掘り出し物があるのだ。思わぬ日本食品に出会えることもあるし。ちょこちょこ買い物をし、隣のホテルのショッピングセンターをぶらぶらする。そこのトイレで、私はセブンイレブンで手に入れた戦利品を忘れてしまった。取りに帰るが既に影も形もない。仕方なく再びセブンイレブンで買いなおす。たいした物ではないんですが。
 夜は広州最後の夜茶。「点心をテーブルいっぱいに並べて写真を撮る」というK嬢の主張により、テーブルいっぱいに点心が並ぶまでおあずけを食う。

テーブルいっぱいの点心で至福の一枚。

早く食べなきゃさめるって。


<最終日>

 広州最後の日、私のわがままで再びジャスコへ連れていってもらう。このあいだ行ったところとは違うジャスコ。ジャスコは「吉之島」と書くらしい。前に、ジャスコに行った時、私はてっきり「ジャスコ吉之島店」なのかと思ったけど、違うんですね。今夜から始まる長旅のため、食料その他を買い込んでおくのだ。さらに、暇つぶしのためのちっちゃいテトリスも買う。余談だが、私は単なるテトリスゲームが欲しかったのに、このゲーム、99のゲームが準備してあるという優れものらしい。しかも、いろいろ試行錯誤の結果、私のいちばんお気に入りのテトリスは、69番目であることが判明した。わかりにくいっつーの。
 そして店内でK嬢が買い物をしているのを待つ間、灰皿を見つけてタバコを一服。すると、店員がスーッと近寄ってきて、「禁煙だから煙草を消してそこ(灰皿)に捨てろ」と言う。じゃ、なんでここに灰皿があるのですか?喫煙者を戒めるための灰皿なのですか?釈然としない。
 ジャスコの外で、またぶらぶらとお買い物。で、ある靴屋の前で、木村拓哉のポスターを発見した。その魅力にくらくらとなり、ふらふらと近づいてよく見ると、衝撃の文字が・・・・

「TIMURA TAKUYA」

 「てぃ、てぃむらたくやぁーーー??」 ジャニーズ事務所も恐れぬこの間違いにK嬢と私、腹を抱えて笑う。

 さて、夜は、Cさん一家と最後の晩餐。この日は旧暦大晦日であるため、家族そろって食卓を囲むのが慣わしらしい。無関係な私のことも快く招いてくださった。近所のレストランで、大変豪華な食事をご馳走になった。出てきたのは、海老、魚などの海鮮の数々。伊勢エビまでご馳走になった。(これだけで400元は下らないらしい。)そして広州ゲテモノの最後を飾るカエルの炒め物。カエルだと言われなければわからない、さっぱりとした風味。どうもご馳走さまでした。

 食事が終わり、汽車に乗る私をCさんのお姉さん夫婦が駅まで送ってくださった。そして、27歳にもなって、あるまじきことだが、こっぱずかしいことにお年玉までいただいてしまった。こちらでは、大人が子どもにあげるというよりも、結婚した人が、子どもや未婚の人にあげるらしい。27歳ではあるが、独身の私にもくださったというわけ。申し訳ない。日本ではすでにたかられている年齢なのに。

こうして、駅の入り口で、K嬢とCさんに見送られ、寒さ厳しい済南へと帰った。
多くの人にお世話になりまくった他力本願な避寒旅行の幕は閉じた。

 

 

結論

食は広州にあった。

そして、今、時代は陽朔です。

 

<おまけ>

広州・桂林ちょっと○○な写真館
(ヒマを持て余している方だけごらんください)

広州・桂林ちょっと××な写真館
(勇気のある方、そして見た後でも私のことを嫌いにならないと約束できる方だけごらんください)