大同(第二日目) 大同二日目、朝食をかっ込み朝8時にはチェックアウトした私とまみるさんは駅周辺をうろつく。目指すは、懸空寺行きのツアーバスである。調べによると、懸空寺までは公共機関でのアクセスは無理らしい。では、これはツアーだ、駅なんだから懸空寺行きの一日ツアーがないわけがねぇ。ここは駅なんだから、ここから出ていないはずはないじゃないか。という推測のもとに、うろうろと探していたのである。ホテルのフロントで、「駅には旅行社のツアーデスクがある」といわれたのでとりあえずそこに行ってみた。担当のおじさんは、わたし達が日本人だとわかると、おもむろに何年前だかわからんような「地球の歩き方」を出してきて、ツアーの部分を指し示した。壁に書いてあるは行き先と料金表。 はい、却下。早々に外へ。 地元の人も懸空寺には行くんだから、安いツアーがないわけがない。昨日一日で、駅周辺のお店の人たちとはかなり仲良くなっていたので、聞きまくるんだがよくわからん。 はい、もちろん却下。 金魚のフンのようについてくるタクシー運転手達を振り切りながらさらに聞きまくると、あるタバコ屋のおねーちゃんから、南に少し行った長距離バスターミナルからツアーバスが出ているという耳よりの情報をゲットした。 さて、5分ほど歩くと、バスターミナルだか、空き地の駐車場だかわからんような場所につく。すると、あるわ、あるわ、 え゛・・・・・・。
「何が悲しゅうて寝ながら一日観光せねばならんのじゃ。」と思ったが、もう遅い。そりゃ、ちゃんとバスを確かめなかったあたしらも悪いけどさぁ。ま、一日観光くらいなら、いくら棺桶バスでもそのまま天国へノンストップ直行と言うこともあるまい、と思い、覚悟を決めてあたしとまみるさんは「走る棺桶初体験ライフ」を楽しむことにした。 <夢の棺桶バス旅行> さて、出発してからは割と順調にバスは進んだ。山を越えて行くのだが、とにかく揺れが凄い。ベッドで、座席クッションなんて甘えたもんはないから、バスの振動はリアルにわたし達を襲う。まさに、バスとわたしが一体化し、風となって山道を走る。といえば聞こえはいいが、2度と体験したくない。この瞬間、脳みそが確実に3センチは動いたと思う。しかし、山越えの景色はすばらしかった。ここは、メキシコか、グランドキャニオンかというくらい(行ったことがない上に、大げさです)雄大な眺めが広がる。写真を撮りたかったのだが、バスの振動が普通じゃないためにはたせず。他の人は興味がないみたいだった。止めてほしかったなぁ。
体中の骨と肉と内臓が空中分解しそうになったころ、バスは恒山という風景名勝区に着いた。懸空寺はこの一帯の中にあるらしい。入山料を払い、さらにバスで進む。外を見ると、ものすごい砂嵐が周囲を襲っていた。以前、こんな砂嵐が済南を襲ったことがあったが、あのときは本当にこの世の終わりかと思った。どうやらそれと同じようだ。びくびくしながら、バスは山の上の駐車場に着いた。砂嵐は、ここまではたどり着いていないようで、比較的天気が良くて安心。
それは困る、困る〜と、グラサン親父を必死で探し、「懸空寺はここにあるの?それとも後で行くの?」と必死で聞く。 さて、ひいひいいいながら頂上付近へ。後で調べたところによると、ここは北岳寝宮というところらしい。(たぶん、おそらく)入場料、25元。 はい、却下。 登ったとたん、下山をはじめたわたしたち二人を、おやじは不思議そうに見ていた。わたしたちの目的は懸空寺ただ一つである。ムダ金を使う気、さらさらなし。
バスのある駐車場に戻り、昼食を食べたらもうすることが何もなかった。これは、バスに戻って昼寝でもするべぇとバスに戻る。グラサンおやじもすでに戻っており、「あんたらの中国語はわからねぇ」という話になった。しかし、同じく昼寝に戻っていた客のお兄さんがむくりと起きあがり、「このお嬢ちゃん達の中国語はわかる。おじさんの中国語はわかんないよ」と言った。彼はハルピンから来ているそうだ。この2日間、中国語の通じなさにあたしもまみるさんも落ちこんでいたので、ちょっと救われた気分。ありがとう、お兄さん。 さて、集合時間になり、「走る棺桶」はやっと懸空寺へ。道中はよくわからん。なぜなら、わたしはバスの揺れをものともせず、棺桶の死体となって爆睡していたからである。まみるさんは、ホントに死体になったと思ったそうである。<うそ。 「・・・・・・・。」 まみるさんとわたし、しばし無言。高いのだ。高くてもすばらしければいいのだが、ちょっとがっかりしちゃった分、払うのがすごく嫌だ。まみるさんもそう思ったらしく、「あたし、やめとくわ」の一言。 懸空寺は、細い回廊でつながれていて、ぐるぐるぐるぐる観光客が一列になって歩く。人が多くて立ち止まるどころじゃねぇ。でも、記念撮影なんかしているつわものもいるので流れも滞りがち。実際中に入ってみたら、外から見るより景色もよく、寺の作りもなかなかのものだった。人の流れには逆らえず、あっという間に観光は終わったが、それなりに満足した。 入るべきか、入らざるべきか、
すべての行程を終え、バスは帰途へ。同じ、四肢が分解しそうながくがく道を通ったのですが、わたしはずーっと爆睡しておりました。バスの揺れと頭蓋骨を一体にしながら。バスを降りた時、脳みそはスープ状になっていました。 <大同最後の夜> 駅へ向かうバスの中、わたしとまみるさんは今夜の予定を立てました。あたしたちは、深夜の列車で北京へ戻らなければならない。しかも、硬座で。脳みそがスープな体にこれはキツイ。しかも、ほこりと砂と汗ににまみれて、体は悲惨。女っぷりも40%減である。そこで、これからすることとして すっげ〜うまそう…。(まみる、咲ココロの声) で、ホテルに預けた荷物を受けとって、わたしら二人は、その店に直行したのでした。 その後、わたしたちは仮眠を取るために国営の旅館へ。はたして外国人のあたしらを休ませてくれるかどうか、そしてこんな部屋に温室育ちの私たちが耐えられるかどうか、多いに不安だったのだが、3時間の仮眠は、旅館側、即OK。部屋を見て、ばっちりOK。共同シャワーをみて、全然OK。で、ここで出発まで休むことに。
目覚し時計の盛大な音で目がさめる。まみるさんはすでに支度を始めていた。どうやらまみるさんは一睡もできず、何度もあたしを起こしてくれたらしく、死んだように眠っていたわたしにあきれていた。そう、わたし、寝ると起きないんです。
というわけで、まみるさん、あきらめてください。 さて、寝たりない体で列車に乗る。と、ものの30分で音を上げた。さすがに、夜通しの座席は辛い。まみるさんはもっと辛そうだ。どうやら、まみるさんも今日の棺桶バスでちょっぴり脳みそが動いてしまったらしい。 |
||||||||||
北京−夢の一日 朝の7時前に北京に到着。予定では、わたしはこのまま済南に帰ることにしていた。しかし、すでにあたしとまみるさんは離れられない体になってしまっていた。大同であんまし使わなかったからまだお金もあるし、休みにもまだ余裕がある。 まずは、地下鉄で雍和宮へと向かう。地下鉄駅から雍和宮までの道は、かわいいチャイナ風ブティックの建ち並ぶ魅惑のエリアとなっていたため、少々手間取る。そのことは後でゆっくり書こう。雍和宮の前に着いたが、たいして入りたい、という気力もわかなかったため、あっさり却下して通りを挟んで向こう側の首都博物館へ。 首都博物館は、孔子廟が前身で、赤い壁の静かなたたずまい。孔子廟というと、眼の奥に焼きついてしまいそうな毒々しい赤で頭がくらくらすることが多いのだが、ここはそんなことはない。適度の広さで、人も少なく、ものすご〜くくつろげた。ベンチに座って、私もまみるさんも言葉も交わさず15分以上はぼーーーーーっとしていた。連休の北京はどこに行っても人だかりで、少々疲れていたので心洗われた感じ。展示物もなかなか良く、二人して大満足。あまりメジャーな観光地ではないようだが、ここ、おすすめです。 首都博物館 * * * * * さて、さっきも書いたがこの首都博物館、雍和宮周辺が実に魅惑的で危険なエリアなんだ、これが。チャイナチックに加工した服のプティックが数件建ち並び、どれもめちゃくちゃかわいい!土産物屋も数件あり、そのたんびに覗くもんだから、もう前に進みやしない。 ・・・お二人さん、今から王府井に行くんじゃないのかい。前へ進めよ、前へ。 という心の声は音速で無視する。とにかく、バス停までがこの調子、バスを降りて王府井に向かうまでもこの調子、そのまま北京最大の繁華街、王府井になだれ込んだもんだから、さあ、大変。
すべて北京が見せた夢だったことにします。 でもね。とっても幸せだったの。(うっとり) さて、とっぷり日も暮れて、山のような荷物と共に喫茶店で休憩中、「今晩はピザを食べよう」という話になった。幸福感がそうさせたのだろう。私のピザにかける情熱は、他の旅行記をお読みのみなさんならお分かりでしょう。王府井には、ピザハットがある。しかし、このテンションでまた王府井を逆行することは、余りにも危険と私たちは判断。二人とも、前にさっぱり進めない自信あり。そこで、王府井には見きりをつけ、まみるさんの記憶に残る駅周辺のピザ屋へ移動した。 入口がとても遠かった王府井 駅近くのピザ屋でダブルチーズのピザを食し、胃も心もすっかり満足したわたしたちはユースへと戻った。いやはや、初対面とは思えないものすごいノリの二人組。まさに向かうところ敵なし。翌日の朝、駅で恋人同士のように辛い別れをして、わたしは、補習とバス通勤の日常が待つ済南へと戻った。 |
結論 結局、どこへ行っても女の子は花より団子、観光よりお買い物。 |
〜おまけ〜 Q:なぜに咲の大同行きに同行者として立候補したんですか? Q:して、咲の実物に会って、印象は? Q:そ、それはありがたいです(汗)。んで、旅行の感想はいかに? その1:北京初日に初対面とも思わせない息のあった買い物ツアー。 Q:ははは、咲の旅行記を上回る「まみる事件簿」ありがとうございます。 Q:では、最後の質問。機会があれば、もう一度咲と旅行したいと思ってる? いやあ、まみるさんありがとうございました。女っぷりも、金の使いっぷりも激しく良かったまみるさん、ひそかに咲と同じサンダルを所有していて運命を感じたまみるさん、ぼーっとしている私をサポートするべくてきぱきと行動してくれたまみるさん、人見知りする私を尻目に、どうどうと知らない人にも道を尋ねられるまみるさん、大人でステキな人でしたよぉ。またぜひご一緒したいです。 |
|
|