中国旅行記 北京・大同編 page1
(2001.5)

 

日程

1日目:朝、北京着。まみるさんと合流し前門でお買い物。
    深夜、夜行で大同へ。
2日目:雲崗石窟へ。午後市内観光
3日目:バスツアーで懸空寺へ。夜行で北京へ
4日目:北京観光(と買い物)
5日目:朝の列車で済南へ。

 

発端

 私は仏像が好きだ。
 これがすべての発端である。中国的ゴールデンウィークの5月第1週、
去年の洛陽行きですっかり石窟好きになったあたしはこの連休は大同へ中国三大石窟の一つ、雲崗石窟を見に行こうと固く心に決めていた。しかし、ここで問題が。

同行者がいない…。(-_-)

 済南砂姑娘の面々にすべて声をかけたが、諸事情ですべてに振られてしまった。頼みの綱の奴隷Dも中国人の先生と学校主催の旅行に行くとかで振られてしまった。ちなみにこの旅行、参加者が多すぎて、旅行者が切符の手配ができず、直前になって中止になったそうである。ざまあみろ大変気の毒である。
 基本的に育ちがお嬢さまのあたしは(つっこみ上等)一人旅に慣れていない。そこで、急遽HPの掲示板に同行者募集の告知を出したところ、南京在住日本人なのになぜか英語教師のまみるさんがまんまと引っかかってくれた。初対面で二人旅とは、多少不安がないわけではなかったが、メールをやりとりして思った。

この人は、あたしと同じ世界の住人だ。

おそらく、HP読者であるまみるさんも同じ匂いをかぎつけ、同行者として名乗りをあげたものと思われる。こうして、初対面の女二人の大同旅行が決定した。

 

出発まで

 毎度のことで本当に嫌になるが、今回も出発までが遠い道のりだった。5月1日から7日までが休み、というのは早い段階から分かっていたのだが、問題が2つ。
@4月28日、29日の週末はどのような扱いになるのか?
A高校3年生担当のあたしは、連休中に補習があるのか?
 4月24日の時点で、学年主任から「補習はない」というお達しをいただいて、狂喜してまみるさんに報告したのだが、その後、「連休のため、4月29日〜30日はその代り授業しちゃうもんね」が決まり(これは、全国的にそうらしい)「やっぱし補習やっちゃうもんね」も決まった。しかも、補習の日程はさっぱりわからない。これには
悶絶。しかし、既に開き直りの境地に立ったあたしは、「補習があっても旅行行っちゃうからね」とパートナーHさんに宣言し、4月30日の夜行で北京に立つことを決めてしまった。補習の日程が決まったのは、4月27日の金曜日。最早つっこむ気もおきない。幸いにも、あたしの補習は6日からなので旅行にはなんの影響もない。ほっとしたのもつかの間、「5月1日に、教員だけの運動会を開催」というお達しが。もう知ったこっちゃねえや。8日間連続勤務のぐったりした体で、夜行列車に飛び乗った。

 

北京〜運命の出会い(大げさです)

 さて、5月1日早朝、無事に北京に到着したあたしは、朝食を取り、26日から一足先に北京入りしているまみるさんの携帯に電話。まみるさんが泊まっているユースホステルに向かう。ここで、まみるさんと対面。その後、まみるさんとは初対面とは思えないくらい意気投合してしまい、つつがなく(と言うより大満足で)旅行を終わらせることができた。
 ここで特筆すべきはユースホステルの実態。基本的に育ちがお嬢さまのあたしは旅行のときは必ずホテルに泊まる。お嬢さま育ちのあたしにはユースなど無理だ、そう思いこんでいた。あたしの中のユースのイメージは、小汚く、薄暗く、風呂は釜風呂、水は赤いという高校時代、クラブの遠征で利用したユースだけである。しかし、このユースホステル、

育ちがお嬢さまのあたしが旅先で利用するホテルより明るく、
育ちがお嬢さまのあたしが(以下略)清潔で、
育ちが(以下略)安全で
(全略)快適だった。

 ま、ここが特別なのかもしれないけど、「ユースもいいもんだな」と思っちゃいました。「旅行ではいつもユース」というまみるさん、勉強になりました。

 さて、まみるさんがチェックアウトのために荷物をまとめているあいだ、同室の日本人の女の子2人組と言葉を交わしました。GWを利用して、日本から北京に観光に来ているそうだ。ぼちぼち話を交わしているうちに判明したが、一人はなんとわたしと同じ、広島県在住。これにまず盛り上がる。さらにもう一人の彼女、

わたしと同じ大学で、
しかも
同じ教育学部で、
さらに
同じ学年であった
ことが判明。

これこそまさに、運命の出会い。その後、メールを交わすようにもなり、このHPも見てくれているんだとか。うれしいなぁ。

いやぁ、ユースって、ほんっとにいいもんですねぇ(水野晴郎風)


 さて、ユースを去り、大同行きの列車が出る北京西駅に移動。北京―大同間の夜行の切符はまみるさんが入手しておいてくれた。ここでひとまず荷物を預け、前門にお買い物へと繰り出す。なぜ前門かというと、みやげ物がそろっていて値切れて安いからで、なぜお買い物かというと、日本にいる子持ちの友人から「子ども用チャイナ服」なるものを頼まれていたからである。済南では、このようなしゃれたものは手に入りにくい。友人からお金をもらっているので、資金はある。よって気持ちよく値切り倒す。(え?) 
 しかし、なぜか自分のものまでばんばん増えていくのが不思議だ。<をい まみるさんも同様である。特に、以前北京に来た時、値切りすぎて首をしめられた店では、覚えられていないかと心臓バクバクだった。
 この間、わたしとまみるさんは、お互いのパーソナルデータの一致に終始していた。これには理由がある。実は夜、北京にて本日3つ目の運命の出会い(再会)が待っているのである。わたしの大学時代の恩師、N先生が、現在北京の大学で半年間教鞭を取られているのである。これを素通りしては申し訳が立たぬ。
出発前に恐る恐るメールしてみたら、「お連れの方も一緒に食事でも」という話になった。

お連れの方…?つまりまみるさんですね。

 わたしは済南で、お連れの方は南京在住。
     ・・・・ちょっと変である。
 宴席でお連れの方に、「ご出身はどこですか?」
     ・・・・あきらかに変である。
 お連れの方とは本日初対面。
     ・・・・ものすごく変である。

 ま、正直に話しちまえばいいのだが、早い話があたしはHPの存在を先生にばらしたくなかったのである。というわけで、まみるさんとは、「旧知の友人」を演じることになったため、パーソナルデータの一致が急務だったのである。
 しかし、前門でのお買い物も終わり、待ち合わせのホテルに向かうバスの中で「どうつくろっても無理だろう」という結論に達した。「聞かれたらそのときまで」と腹をくくりバスを降りた。
 余談だが、この短い北京滞在中、移動にはものすごく苦労した。とにかく、工事が多く、渋滞がひどく、バスが全く進まない。前門からも、1時間以上前には到着するであろう余裕を持ってバスに乗ったのに、結局、待ち合わせ15分前に到着した。北京西駅に移動したときもまたしかり。もうちょっと何とかしてほしいもんです。

 さて、降り立ったところは、北京の大学が集中する北京市海淀区。「ここは本当に北京か?」と疑いたくなるほど、中心部の喧騒とは一線を画した落ちついた街並みです。N先生がご滞在中のホテルのロビーにて、先生と奥様に無事再会を果たし、北海公園が見えるレストランへと移動した。

 北海公園が見えるレストランを和やかに歓談しながら散策。
 思い出話と、今の中国の話しに花が咲き、
 夕暮れどきの北海公園は夕日が水面に映えてキラキラと。
 湖ではあいガモの夫婦が子育て中。(コガモなんかどこにもおらんかったが立て札に書いてあった。)
 在学中には「学科一恐ろしい切れ者」との評判も高かったN先生の顔にも笑みが。
 ・・・と、N先生が一言。「二人はどこで知り合ったの?」

・・・・来た。(‐_‐;

 「さて、どこでしょう」
 「でも、済南と南京なんだよね」
 「・・・・・はい。」
 「日本にいたときからの知り合いとか?」
 「・・・いえ。」
 「・・・じゃあ、旅行先で知り合ったとか。」
 
「いや、そういうわけでは・・・」
 あーだこーだといっているうちに、奥さんが一言。
 「もしかして、メルトモ?」
 「(心の声:この辺で手ぇうっとくか)・・・まあ、そのようなもんです。
 結局、「メルトモ」ということで納得してくださった。「進んでますね」の一言。先生ごめんなさい。実はビミョーに違うんです。
ま、嘘はついていないのでいいことにする。

 「北京に来てから毎日食べ歩きをしている」とおっしゃるN先生のご推薦だけあって、食事はバカうまだった。しかし、N先生が「だい好き♪」とおっしゃる臭豆腐、あれだけはいただけない。あんなもんを平気で食べられる日本人を、私ははじめてみた。

ごっちゃんでした。うまかったです。

 その後、場所を茶館に移し、おしゃべりし、N先生に見送られてわたしたちは満腹感とともに北京西駅へ。夜行でいよいよ大同へ。わたしは二晩続けて列車泊になるが、酔いも手伝ってぐっすり寝られた。横になったら最後、どこでも眠れる体質はこんなとき便利である。

おまけ♪

 

 

明け方の北京駅

深夜の北京西駅

 

大同(第一日目)

 無事、翌日の早朝、大同到着。「予約なし、予定なし、ないないづくしフリープラン」のわたし達がまずしなければならないのは、帰りの切符の確保と、ホテル探しである。
 そこで、汽車を降りたその足で、切符売り場に直行し、翌日の夜行をゲット・…が、え?寝台席ないの?つまり、深夜11時半から朝6時半まで座りっぱなしなの?まみるさんに「どうする?」とお伺いを立てたところ、あっさりとGOサインが出たので、買ってしまった。さすがのあたしも、夜行で座席というのは初体験である。まみるさんも言うまでもなし。ま、二人いればなんとかなるんじゃないかと思ってしまうのが不思議である。悩んだり後悔したりは明日に置いとくことにして、次はホテル探し。駅の近くで148元の部屋をあっさりゲット。

 とまあ、こう書けば順調にことが運んだように聞こえるがそうでもない。なぜなら、駅の改札をくぐりぬけたとたんわらわらと群がる客引き。これがしつこいのなんの。
「雲崗石窟、いかない?」
「じゃ、懸空寺いかない?」
「じゃ、どこいくの?」
「200元でどう?」
「乗らないの?じゃ、大負けにまけて150元でどう?」
「ダメ?じゃあ、一体いくらなら乗るのさ。」

だから、乗らんっつーてるやん。あたしらはいまからホテルに行って休むっつーの!!!

この調子で駅から切符売り場からホテルまで、ずーーーーーーーっと付きまとってうざったいのなんの。
どうやらこの客引き、すべてタクシーの運ちゃんらしい。また、料金が高い!乗れるかって。
大同滞在の2日間、これにはずー―っと悩まされました。

 

ホテルの部屋から大同駅を臨む

ホテルの部屋から駅前の風景


<雲崗石窟> 

 さて、小休止の後、朝食を取りメインの雲崗石窟へ移動。雲崗石窟は市から外れた郊外にある。
 余談だが、朝食のメニューは山西省名物刀削面。済南でも食べられるのだが、あたしは初めて食べた。これがうまい!感覚としては、腰のあるうどん。中国麺は柔らかく、べたべたしたものが多いので、これはうれしい。済南に帰ってまた食べることを堅く決意。

 ツアーバスとかタクシーチャーターとか甘えたことをしないオトコギなわたしたち二人組は、バスを2つ乗り継ぎ、目当ての雲崗石窟へ。途中、市内の繁華街を通り抜け、「大同って、結構都会なんだね」と偏見を正す。所要時間は一時間強。声を嗄らして勧誘しているタクシーの運ちゃんが無意味に思えるほどあっさりついた。

 そして雲崗石窟は、すばらしかった

 それ以上にコメントなし。惜しむらくは、洛陽の龍門石窟と同じく、破壊されたり、崩れたりしたものが多かった。それでもあたしの仏像好きに拍車をかけるに充分な仏像の数々。堪能しました♪

そして、まみるさんとあたしの会話。
 
まみる「咲ちゃん、誘ってくれてありがとう。来てよかったわ。」
 
あたし「いやぁ、こっちこそ。いっしょに来てくれてよかったです。一人ではやっぱり来れなかったと思うもん」

みつめあい、微笑み合う二人。(は?)
と、二人の愛と絆はさらに深まり(え?)仏像に別れを告げた。

 ああ、ほほえましい(?)エピソードが一つ。
第五窟で写真を撮っていたら、係員(らしい)おじちゃんに血相変えて、それこそ親のカタキみたいに怒られました。
 おじさん「#$*+‘!!」
 わたし「ほえ?なに?」
 
まみる「写真撮るなっていってるんじゃない?」
 わたし「んなこと言ったって、撮っちゃったもん」
 おじさん「(「ちっ」と舌打ちしてさも憎々しげにあたしを睨みつける)」
 わたし「ど、どうしよう(涙目)」
    
 「(心の声:だいたいあんた、態度悪いのよ。そんなんで文化遺産守ろうたあチャンチャラおかしいわ。)」
     しかし、内弁慶だから口に出して言うわけがない。
 
まみる「消しちゃえ、(デジカメだから)消しちゃえばわかんないよ。消せる、消して見せる(同じく涙目)」
 
わたし「そだね、けそっか。分かったよ、消すよ消せばいいんだろ。ほれ。(あたふたとデジカメを操作する)」

とまあ、かよわい女二人があたふたしているうちに、おっちゃんは再び「ちっ」と舌打ちして去っていきました。
後に取り残されたわたしたちのその後。
 
わたし「何よぅ。みんなばんばん撮ってるじゃないのよう。どうしてあたしだけ叱るのよう。(いなくなったから強気)」
 この辺、あたしの内弁慶ぐあいがよくわかる
 
まみる「そうだよねぇ。…でも、罰金っていわれたらどうしよう。(咲ちゃん、金なさそうだし 注:心の声)」
 
わたし「・・・・・・・。」
 
まみる「・・・・・・・。」
 
二人「逃げよう」

 逃げかけて、入り口をふと見ると、ばっちり「撮影禁止」と書いてあった。「禁煙」も書いてあったな。ごめん、おっちゃん。
 気付かないあたしも悪いが、気にせずばんばん撮っているほかの人も悪い。(だからとっていいのかと思った。)たいして監視していない係員も悪い。本気で撮らせたくないなら、洞内常駐は基本でしょ。あたし悪くないも〜ん<責任転嫁です。
 いやあ、今となっては笑い話ですが、そんときは、本気で警察まで引きずられるんじゃねいかと思ったくらい、怖かった。
 しかし、この際だから言っちゃうが、観光客のマナーつーか、態度っつーかはすこぶる悪かった。かまわず写真取り捲るわ、洞窟によじ登るわ、あちこちに落書きは残っているわ。「みんなで文化遺産を守りましょうよ。」
<あきらかに自分のことを棚に上げてます。

雲崗石窟写真館はこちら


 さて、スタートが早かったあたしたち、目当ての雲崗石窟を見終わってもまだ有り余る時間があった。よって市内の名所観光としゃれ込むことに。

<九龍壁>
 その名のとおり、九匹の龍が描かれた壁。明の時代に立てられた、邸宅の壁らしい。ものものしく高い壁に囲われた場所に、何だかこの壁だけ「バーン」と置かれている。近くを通ったから立ち寄ってみたのだが、思ったよりも美しく、それぞれ違う表情の龍たちも良かった。

残念ながら、6匹しか入りませんでした。

<善化寺>
 唐の時代に創建されたお寺。明代は、官吏が官僚としての礼儀作法を学ぶ場所であったそうだ。一部ただいま修理中。仏像がたくさんいたんだけど、とにかくかぶっているほこりがすごい。ありがたみ半減だから、掃除してやりなよ。
 ここで、日本人のツアーに遭遇。こっそりと後をつけ、ガイドの解説に耳を傾ける。<をい

近所の城壁から善化寺の遠景

 「東洋のビーナス」と呼ばれる菩薩像がある華厳寺にもぜひ行きたかったのだが、みやげ物を売っているおばちゃんに聞くところによると、ただいま修理中で参観できないそうで、あきらめる。
 とまあ、私にしてはえらく充実した観光の一日。ぐったりと疲れきった二人は、晩御飯として再び刀削面(焼きそばバージョン)をかっこみ、温度変化の激しいシャワーをスリリングに浴び、就寝となった。

 

  (中国旅行記へ)  (大同から北京の巻)

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