教師日記!<ほとんど愚痴

 

3月29日 エンジンとモーター

 教科書に「モーター」という言葉がでてきました。モーター・・・。この言葉に苦しめられている人も少なくないでしょう。新基礎ではしっかり出てくる上に、2級出題基準のカタカナ語にもちゃっかり入っている。んで、教えたら必ず聞かれる質問、「エンジンとモーターは何が違いますか」

あー、やだやだ。

 日本語を学ぶ上で、エンジンとモーターの違いを知る必要なし、と判断し、今までは適当にお茶を濁してきました。いや、一応調べたんだけど、結局よくわかんなかった。

以下、三省堂デイリーコンサイス国語辞典より。
エンジン−発動機、原動機 
モーター−発動機、電動機 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 しょせん、あたしには専門外。ちゃんとした説明を読んでもよくわからん。しかし、今回の話題はソーラーカーと環境問題。やっぱ、違いぐらいははっきりさせたほうがよかろうし、ここは、エコカーについての知識も一緒に得てしまおうと、某ト○タに勤める友人に問い合わせて見ました。
 さて、その返事は単純にして且つ明快。

「モーターは電気で回転し、エンジンはガソリンなどの内燃機関で回転する。」

ほっほーーーーーーーーぉぉう。

さらに加えて、
「自動車では、エンジンで得た電気でモーターを動かし、ワイパーとか、パワーウインドーを動かす」

ほっほっほっほーーーーーーーーう。

わかりやすい!!!

やはり、その道の専門家というのは貴重です。改めて思いました。
「蛇の道は蛇」・・・いや、ちがうな。
「餅は餅屋」・・・・ん?これもちょっと違うかな?ま、いいや。
勉強になりました。


3月26日 初級確認テスト

 今日から週1のペースで、うちの生徒たちに、「卒業への道−初級事項確認テスト」をすることにしました。「どうしていまさら…」と、パートナーH先生にも言われたんですが、理由は2つ。

理由1:選択問題につかりすぎて、基礎力がおろそかになっているので、戒めのため。
理由2:「すぐに大学にいける」とちょっと天狗になっているので、異化に、自分の日本語能力がもろいものか、悟らせてけん制するため。
 ま、何事も基礎っていうのは重要ですからね。それをわからせるためにも、卒業までに、なんとしてでも初級事項の確認をさせたかった。

で、本日のお題は・…

「カタカナ50音表の完成」

 「え〜いまさら?」なんて思うでしょ。きっと生徒も思ったと思います。実はこれが侮れない。カタカナを書く機会なんて、ひらがなに比べてず〜っと少ないから、あっという間に書けなくなっちゃいます。単語ごとに覚えてもいいんですが、そうすると、未知の単語が出てきたときに、もう読めなくなっちゃう。つーわけで、最初はやっぱりこれっしょ、てな感じで。
 生徒も「え〜〜〜〜」といっていましたが、たぶん、「やられた!」の「え〜〜〜」だったと思う。
「書けて当然だよねぇ。2年も習っているんだから」とプレッシャーをかけたけど、みんな目がうつろでした。

して、その結果は?
 参加者41人中、完璧に書けたのは
2人たった2人。

こぉらぁ〜〜〜〜〜おまえら〜〜〜〜〜(怒)!!!

 

が、実は結構予想してた。この結果は。

ま、これが、今後の自省とか、復習とかのカンフルになってくれたらそれでいいのだ。2級合格とかにあぐらを掻かないでほしい。基礎がなけりゃ、なんにもなりませんからね。それをわかってほしいのだ。

次の授業で、どうやってきゅーって絞ってやろうかなぁ。
んで、次の課題は何にしようかなぁ。

むふふふふ。楽しみだわ〜ん。<鬼


3月21日 あまり喜べない朗報

 昨日、母から電話がありました。なんでも、とある日本語学校から、採用通知が届いたとか。

はぁ〜〜〜〜???

 とお思いになる方、多いでしょう。はい。実はわたくし、ちゃっかり就職活動しておりましたの。とある日本語学校に、ぐっと来る履歴書を送り、帰国後に試験と面接という段取りでしたが、先日の緊急帰国の際、ちゃっかり試験を受けてきたんですね。できる女は、緊急帰国してもタダでは帰ってこないのです。

しかし、手放しで喜べないんだな、これが。

喜べない理由その@
 新規開校の学校へ行ったのですが、面接の際、「開校は
2年先」といわれたんです。
こりゃあ、あんまし現実的な話じゃないな、と思っていたのですが。開校まで、国語の先生としてやる(母体が学習塾だから)、いっそのこと、福岡校に勤務する(そこは来年開校らしい)、等の案が出た事は出たんですが、具体的な話はしなかったしなぁ。(だいたい、どっちもやだ。)
 一体あたしはどうなるのだ?

喜べない理由そのA
 
非常勤日本語教師」としての採用らしい。できれば、専任で取ってほしかった。まぁ、それは甘い期待ですが、頑張り次第では、専任採用に格上げってこともありなのかしら。

ま、すべては帰ってからです。どうなるかわかんないけど、いちお、御報告まで。


3月17日 大学推薦入試

 本日は、とある外国語大学の推薦入試の日。そう、期間限定で教えていた2人の生徒の勝負の日です。ま、推薦入試の当日なんて、あたしには関係ねぇや、とたかをくくっていたら、学年主任H先生から、「あなたも来るように」と言われてしまいました。
 別に、あたしが試験会場にいて、役に立てることなんてひとつもありゃしない。が、「外国人の先生がいれば、面接官の印象もいいかもしれない」というH主任の深読みのため、休日返上とあいなりました。 つっても、試験会場は、この学校の高校部。つまりは私の宿舎のあるところ。たいした労力もなく、自宅待機の状態でしたけど。

 さて、自室で待つこと約2時間。お呼びがかかりました。試験監督である大学の先生にあいさつでもさせられるのかと思いきや、試験中の部屋まで連れていかれ、カセットデッキを指し示し、
「聴解問題の内容、おかしくない?」
 なんでも、録音内容がどうもおかしいと、受験している生徒からクレームが出たものの、試験監督は、日本語の先生ではなく、加えて本日引率で来るはずのパートナーH先生は急用のため来ず、テープの内容を理解する人が(生徒を除いては)試験会場にはいなかった。困り果ててあたしにお呼びがかかったらしい。結局、「A面とB面を間違えた」というヒジョーに初歩的なミスが見つかり、放免。

 再びお呼びがかかった1時間後、今度こそ日本語の面接官にあいさつかと思いきや、
「学生のスピーチを録音するので、録音音量を設定してください」

てめぇでやれ!

 とは学年主任を相手に言えるはずもなく、てきとーに設定しておく。どうやら、今回は日本語の面接官は来ず、スピーチの内容を録音し、それを大学にお持ち帰りするらしい。な〜んだ、面接の練習して、損した。

 しかし、本日のあたしの役回りはなに?雑用係?


3月15日 日本留学申請書類

 本日も教師日記ですが、授業日記ではありません。なんだか、過去の日記を読み返してみても、授業のことを書いているほうが少ないような気がする。いいのだろうか、教師日記なのに。でも、日記に書くほどの事件となると、どうしても、「授業ではないこと」が増えてしまうんですよね。授業というのは、「日常」なので、毎日あまり代わりばえしないことになってしまうもんだから。ま、ガマンしてお付き合いをお願いします。

 さて、今日あったのは、日本留学のための申請書類の準備。だいぶ楽になったとはいえ、まだまだ日本留学って、準備が大変なのね、としみじみ思ってしまいました。まあ、どこに留学するのでも同じようなもんかもしれませんが。
 んで、本日手渡されたのは次の書類。
1.入学願書(日本語学校提出用)
2.誓約書
3.履歴書
4.健康診断書
5.経費支弁書(留学費用を払う人の誓約書のようなもの)

 もちろん、書類はこれで終わりというわけではありません。あくまでも、記入に本人の手が必要なもの。そのほか、銀行の預金残高の証明とか、経費支弁者の在職証明とか、日本語能力証明とかてんこもり。今日の書類なんて、かわいいもんのはずなのに、書かせるのに一苦労。
 心配なのはわかるんですが、重箱の隅をつつくような質問が矢継ぎ早に。「住所は、中国から書くのか」とか、「学校の卒業年月日は何日にすればいいのか」とか、生徒が聞くのはわかるんですよ。それにうろたえた留学担当者の事務員が、わたしに質問してくるんです。

大差ないってば、その程度じゃ。

 しかも、履歴書には、「就学理由」なる欄があり、さらにめんどいことに日本語訳をつけなければなりません。(当たり前か)
 つーわけで、今週末は生徒の翻訳の添削でつぶされそうです。やれやれ。

 しかし、今日になって、「面接にとおったけど、やーめた」という子が数人いることが判明しました。理由は、他の学校に留学するとか、別の国に行くとか、中国で進学するとか。わたしは、それはそれでありだと思う。1クラスの大半が同じ学校に行くというのはやはり少々気持ちが悪い。人それぞれで、いろいろな道があっていいと思うし、それで、教えた日本語がすべて無駄になるわけじゃありませんものね。

ちなみに、「就学理由」って、以前はものすご神経をすり減らすことだったんですよね。なぜなら、入国時の進学理由と、実際に入学した大学の専門にずれがあれば、ビザの変更ができないことがあったから。
例えば、入国時は、「物理が勉強したい」と言っていたのに、実際は経済学部に進んだとか。こういうのは、「進学目的に一貫性がない」ということで、ビザが出にくいことがあったんです。最近は、そういうことはなくなったようで、一安心。思う存分添削できます。


3月14日 新しいクラス

 最近、期間限定で私は新しいクラスを受け持っています。(クラスと言っても、参加者はたった二人なんだけど)それは、今週末、とある大学(中国の)の推薦入試があり、その対策クラス。推薦入試の科目は、外国語と国語。で、それに参加する生徒たちは特別クラスを編成し、この1週間外国語と中国語を集中的に勉強させようと言うもの。そんな付け焼刃でなんとかなるのか?と思わんこともないが、しかたがない。
 中国の大学入試なんて、わたしがお役に立てることなんかないだろうと思っていたんだけど、「わたしより、咲さんのほうがいい」というパートナーHさんの強い希望により、なんだか私が担当することになってしまいました。

 で、この入試内容というのが、
1.筆記試験(聴解を含む)
2.面接
なのですが、筆記試験では、もはや何をやっても仕方なし、と判断し、主に面接の練習をしています。
 しかし、この面接、日本語学校のような「趣味は?」とか「志望理由は?」とかいう一辺倒のものではない(らしい。)入試ですから当たり前だけど。

 内容は大きく分けて2つ(らしい)。
1.課題の文章をわたし、それを読ませて発音のチェック。
  その後、内容について口頭試問。
2.くじ引き形式でテーマを選び、即興スピーチ。

 これを日本語でやろうってんだから、生徒にとってはそりゃあ心臓バクバクもんでしょう。
 んで、勢い、授業の内容は、文章を読んで発音のチェック、それもかなり厳しく、そしてそれに関する自由発話ディスカッションのようなものになります。
 もちろん、こういう推薦入試に参加する子は、わたしのクラスの中でもかなりおできのいい二人なので、これがおもしろい。普段、40人以上を相手に四苦八苦しているわたしにはかなり新鮮な経験となっています。
 まあ、試験まで後1週間をきって、いまさら何を勉強しても無駄といえば無駄ですが、逆にいえば、何を勉強しても役に立つと思い、気楽に、「話すこと」の緊張感を取り除くことを目的にやっています。

 しかし、うちのクラスは、もともと日本留学を目的に作ったクラスで、日本語を勉強し始めたのは高校から。それが、中学から6年間第一外国語として勉強している生徒と競争をするんだから、その結果が興味深い。どこまで健闘できるでしょうか。


3月12日 新しい教科書

 さて、能力試験のショック覚めやらぬ今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
 能力試験の結果については、生徒には何もいえなかったよ。「おめでとう」とも「よく頑張ったね」とも、口が裂けてもいえなかったよ。生徒は変に思ったかもなぁ。
 かろうじて、
「誰が頑張ったかはあたしが一番よく知っている。あたしは、結果より、そこに至るまでの過程が何よりも大切だと思っている。願わくば、その成績は誰にでも胸をはって見せられるものであってほしい」
といいましたけど。
 な〜んか、奥歯に物が挟まったようなものいいですよねぇ。
 通じてんだか、通じてないんだか。いいや、もう。わかる人にわかってもらえれば。

 話は変わって、最近わたくし、新しい教科書に手を出しました。日本の教科書を使って数学だの、歴史だのを勉強している生徒たちが、あまりにも四苦八苦しているので、ここは一つ、「本の読み方」をバシッと指導しといちゃろうと思い、読解の授業を取り入れてみました。
 使った教材は、「はじめての専門書」(凡人社)。難しい文章を読み解くためのヒントにでもなれば、と思ったのですが…。

むじゅかしい・・・・・・。あたしが読み解いてない…

 はじめて使ったけど、こんなにむじゅかしいとはおもわなんだ。はっきり言って死にかけです。なんたって、トピックが難しいので、その専門知識がないと教師にも理解できない。もちろん、この教科書は、専門内容を理解する事を目的としたものではなく、いかに専門書を読み解くか、ということを目的としたものなのですが、教師が意味をわかってないってのは問題でしょう。さすがに。中国にいると、資料も少ないから、言葉ひとつ調べるにしても大変な苦労。こんなにしんどい予習をしたのは久しぶりです。生徒のほうも、ちょっと瞳孔が開きギミ。難しすぎたかなぁ。
 まあ、まだはじめたばかりだし、試行錯誤を繰り返してやってみましょ。
 ただ、これ1本ではできません。なんたって、読解教材だから、読解ばっかりで他の力が伸ばせないもんね。ま、他の教材と併用してみて、様子を見る作戦ですな。

その上
 中国の大学の推薦入試対策なるものをまかされてしまいました。
 いいのか?外国人教師に任せて。どーなってもしらねーぞ。


3月8日 日本語能力試験2級の成績が出ました。

 中国に戻ってきた早々、ハードな出来事が待っていました。それがこれ。日本語能力試験の結果発表。さて、結果はいかに?受験者51人中、38人が合格。ちなみに、私が立てた目標は、「半分合格」。それでこの結果。

激怒!!

 「なぜ?だって、目標を大幅に達成じゃん」と思う方、教師日記の11月、12月分、能力試験前あたりをお読みください。誰が受かったかなんて見なくても私は言う。この数字はおかしい。ぜーったいおかしい!!あれだけ口をすっぱくして言っても、あれだけ脅しをかけても、やはりダメだったか…。

つまりカンニングです。

 数字に出た結果を見てさらに激怒。あきらかに受かるはずがない人間が数名。そして、数字をじーっと見れば、誰が誰に見せたか、相関関係も見えてきます。隣同士になっていた彼氏と彼女。隣同士で同じ点数の子供たち。
 能力試験前日、カンニングについて厳重注意したといった私に対して、奴隷Dは、「でもダメなんじゃない?」と言いました。

ああ、そうだよ。やっぱりだめだったよーだ。

 前にも書きましたが、1級2級にまぐれはない。あるのは「実力」「不正」のみ。「半分合格」は「実力」を信じられるギリギリのラインであり、それを超えたら「不正」を信じるしかありません。
 「自分の生徒なのに、そこまで信じられないの?」と思うかもしれません。「自分の生徒だからこそ信じられない」のです。私は彼らの実力を知りぬいているし、性格も知りぬいています。私だからこそ、おかしいものはおかしいと思えるし、怪しいものは怪しいのです。
 「カンニング厳禁」の立場を貫いてきた私は、おそらくこの学校内で一番カンニングに厳しい教師でしょう。摘発してつるし上げた生徒もいます。しかも一人や二人ではない。でも、その中でも今回やっているやつがいました。しかも、一人や二人ではない。
 
さらに腹が立つのは、見る生徒がいるということは、見せる生徒がいるという現実。能力試験の席順は、受験番号で横並びです。しかも、受験番号は同じ学校内で連続しているので、誰が誰に見せたかはすぐにわかります。今回、「これは見せたな」という子の中には、以前も私のテストで隣の子に見せたのがばれ、私の前で号泣して反省した子もいました。

でも結局こうなのです。

これだけ言っても、これだけ締めてもこうなのです。

こうなのだぁーーーーーーああああ。

 

 しかし、私はあまり落ちこんでいません。不思議なほどに。自分でも戸惑うほどに平気です。たぶん、「あれだけ言ってもやるだろうな」という諦めが事前にあったのでしょう。以前は、2度同じことで裏切られた学生に、泣きながらつかみかかっていったのに。

大人になったな、わたしも。(ふっ)

そもそもなぜこんなにもカンニングをするのか
 それは永遠の謎です。そんなんで合格して、恥ずかしくないのでしょうか。そういう合格証書を持って、「うれしい」と思えるのでしょうか。そして、「みせてやる」という行為にやましさはないのでしょうか。これはわからん。さっぱりわからん。「恥」「プライド」と言う感覚が欠落しているとしか思えない。奴らは目の前の問題を解くことより、カンニングすることにものすごい労力を費やす。その手口も実に巧妙。例えば、前後左右で協力して、前の人がわざと質問をして先生の注意をひきつけている間に後ろのほうで答案用紙を回していたり。
 能力試験の会場では、まずは知らない人でも隣同士で、どのくらい勉強しているか、自信はあるかなどの雑談を交わし、試験前に「じゃ、みせて」という交渉を成立させるそうです。日本では、「先輩だから見せろ」といわれて見せちゃった子もいたそうです。去年は、中国では午前中に試験が終わり、日本では午後に終わるという時間差を利用して、国際電話で試験内容を友達に伝えたというつわものもいたとか。まじで中国のカンニングはすごいです。いままで見てきた私の学生は、例外なく「ビバ!カンニング!」でした。それでどれだけ泣かされてきたことか。
見なければ怒らずにすむ、知らなければ幸せでいられる。
でも、見てしまった以上は気にせずにはいられないし、知ってしまった以上は不信感は募るばかり。
 自分が試験監督をする試験については、過分なほどに注意しているのである程度信用はできるのですが、それ以外の試験(能力試験も含む)については、まーったく信用できません。だから、受かってもうれしくないし、「おめでとう」とも言えないし、だいたい信じることすらできない人間になってしまいました。あれだけ苦労した能力試験も、結果に関して言えば私にとっては紙切れ同然。

ああ、こんな私に誰がした。

 もっとも、これは受験者である生徒たちを一概に責めることはできません。「カンニングできない環境作り」というのは最も大切なことだと思います。だいたい中国のあの能力試験の会場はひどすぎる。隣同士の方がくっつくんじゃないかというくらいの席で、周りを見まわせばすべてがクラスメート。これで見るなというほうが無理です。

 誤解しないでほしいのは、「生徒が信じられない」というのはあくまでも「行動」であり「人間性」ではありません。生徒を大切に思えばこそ、彼らのためになると思えばこそ、カンニングについてはこれだけの厳しい処置をしてきたし、それを通じて、「倫理観」というものを持ってほしいと思っていたのです。
 去年、2級に落ちた生徒の中で、「不公平だー!」と言って、号泣した子がいたそうです。あきらかにカンニングたという子が合格し、真面目に取り組んできた自分が不合格。その魂の叫びは本物です。
 たしかに、世の中には不公平なことがいっぱいある。でも、こんならく〜なことで世の中を渡っていけるとは思わないでほしい。努力すれば報われるということを感じさせてやりたい、世の中は不公平にできているなんて思わせたくない。本当の「実力」こそが宝である。カンニングの指導を通じて、わたしはその「心」を伝えてきたつもりです。
それなのに、合格者38人というこの仕打ち。う〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

 でも、やっぱり私は落ちこんでいない。半分でもいい、3分の1でもいい。私の心が通じてくれた子がいればそれでいい。今でなくてもいい。10年後でもいい。私の言葉の意味がわかってくれる子がいればそれでいい。つるし上げたときの私の気持ちを察してくれる子がいればそれでいい。

大人になったな、わたしも。(ふっ)


 

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