(2002年10.11月分)
11月17日 愚痴っちゃいます
本日、日本留学試験も終わり、ほっと一息。
残すところは日本語能力試験のみ。はー、やれやれ。というよりも、
まだもう一個試験あんのかい!!!
というゲンナリ感でいっぱいの秋の日曜日。
ここまで読んで、
「何だよ、さっきとおんなじ前ふりじゃん!!」とツッコミを入れたアナタ、
そんなアナタは日記は日常日記から読むタイプね。コーヒーには砂糖とミルクを入れるタイプね。焼き鮭の皮は残すタイプね。
明日の運勢はズバリ、「日曜日に夜更かししてると週の初めから寝坊して叱られちゃうぞ☆」です。・・・われながら、わけわかんない前ふりです。
唐突に本題。
最近、ずいぶんくたびれてます。
いや、仕事が忙しいのももちろんなんですが、一番疲れているのは気持ちなんですよ、キ・モ・チ。
夜眠るときに「このまま目がさめなければどんなにいいか」と思ってみたり、朝起きて、学校に行くとなると胃が痛んだり。ちょっとした登校拒否症状です。まあ、悩んでいるのは、学生指導関係なんですが。
正直言って、こんなに勉強しねぇ学生たちは初めてです。
ちょっと違うな。言いなおします。
こんなに勉強しねぇ学生が多いクラスは初めてです。単に勉強嫌いとか、勉強しても能力が上がらないとか、そういうレベルなら対処のしようもあるのですが、
ちっとも学校に来ない輩あり、
来ても始まりから終わりまで熟睡している輩あり、
叱ったら教師に罵声を浴びせる輩あり、
ほとほと参っています。
作文用紙に名前を書かせるだけで15分かかるってどうよ。
模擬試験で、ろくに問題も読みもせず、でたらめに答えを書いて10分で退出ってどうよ。
幼稚園ですか、ここは。断っておきますが、全員ではありません。大多数はしっかり勉強してますし、こんな学生は少数です。
ただ、その割合が、今までより多いってことで。他の学生に与える影響が甚大なんですよ。
手をかけて指導してやるのがいいでしょうが、なんせこの時期、授業中には限界があります。
何より、勉強したい他の子が嫌がるし。
その一人に時間を割くことで、他の大多数が迷惑をこうむるわけですから。
日本語学校という性質上、「やめさせてしまえ」というわけにもいきません。
そんなことをしてしまえば、行きつく先は明らかだし、それは学校の汚点にもなり、何よりも教師として、学生がそんな道に走ってしまうことだけはさせたくない。しばらく日本を離れている間に、日本の留学生の状況はずいぶん変わってきました。
他の先生がたも、「こんなことはじめて」とおっしゃっています。
別の日本語学校に勤める友人に聞くと、近い状況はあるようです。「学生の質が悪い」の一言で済ませてしまえば、話は簡単だし
わたしの気も楽です。
確かに、それもあるでしょうが、それだけでは片づけられない気持ちはやっぱりあります。
わたしに落ち度はないのでしょうか。
わたしの指導に問題があるのでしょうか。
学生の信頼を得られていないのでしょうか。仕事に対する自信をずいぶんなくしています。
ただ最近、
中国で教えた学生と電話で話す機会がありまして。
「今までの先生の中で、咲先生が一番いい先生です。また先生の授業を受けたいです」と言われた時は、かなり本気泣きしました。立ち直りはしませんが、
落ちこむのはもう少し先にします。
10月25日 うちの困ったちゃん
小翆(仮名♀)という学生がいます。
非常に真面目で熱心で、かわいい子なのですが、この子が大変な困ったちゃんなのです。とにかく純粋。
ちょっと度を過ぎるくらい純粋。
そしてまっすぐ。
日本に来る前は、すべてのことを両親が決めてくれたらしく、進学先どころか晩御飯のメニューを自分で考えることさえプレッシャーになると言うような箱入り娘。しかし、困る理由はそんなことはありません。(それも多いに困ってますが。)
とにかくこの子、頻繁にお金を拾ってくるのです。ある日。
小翆:「先生!お金を拾いました。」
私:「どこで?」
小翆:「そこの自動販売機のところです」・・・・・差し出したのは1円玉でした。
別の日。
小翆:「先生!お金を拾いました。」
私:「どこで?」
小翆:「寮から学校へ来る途中です。」
私:「(なぜここに持って来る!!!)」・・・・・ちなみに10円玉でした。
さらに別の日。
その日は大物でした。
途方にくれた泣きそうな顔で差し出したその手には千円札が握られていました。
小翆:「先生!すみません!!!」
私:「(なぜ謝る・・・・)」
小翆:「また拾いました。どうしてですか、わかりません。」
私:「・・・・今度はどこで?」
小翆:「自動販売機の下です。」
私:「学校の?」
小翆:「いえ、スーパーの・・・・」
私:「(だからスーパーに届けろって!!!)」「スーパーで拾ったものはスーパーに届けなきゃだめなんだよ〜」なんていおうものなら、パニックを起こして泣き出しかねんので(そういう子なんです)、私が拾ったことにして届けてきました。
こんな純(?)な子、中国から出して良かったのでしょうか。
10月6日 新入生来了
4日に入学式が終わり、オリエンテーションが終わり、
5日にプレースメントテストが終わり、
明日からはクラスが1つ増えます。なのに先生の数が変わっていないこととか、
月曜日からの授業予定表をもらったのが金曜日だったこととか、
考えると笑いと涙が止まりません。最も昔は、明日から授業なのにまだ先生が決まってないとか、
決まった先生に当日に逃げられたとか、
そういうこともあったので、まだましといえるかもしれません。とりあえず、コマは埋まってるし。もうひとつ涙が止まらないことがあります。
新入生が来ると、必然的に通訳に駆り出されることが多いのですが、
タダでさえたいしてできない中国語がおもいっきりなまっているのがよくわかるんです。なーんか、せつないわぁ。いろいろと。
10月1日 新教材(来週には旧教材)
9月分の日記を3日も書かんうちにいつのまにか10月になってしまいました。<話になりません
この金曜日には入学式、来週にはカリキュラムも変わり、この9月から使い始めた教材も、ひとまず今週で終わります。もっとも、来週の予定、まだなーんにも知らされてないんですけど。いくら忙しかったとはいえ、この1ヶ月、どんな教材を使って何を教えてきたのか、ノータッチで過ぎるのはあんまりといえばあんまりなので、自分の覚書もかねて、教材メモを残しておこうかと思います。
1.『トピックによる日本語総合演習』中級後期/上級 (スリーエーネットワーク)
主教材として10時間。もともと、この教材は、いろいろなテーマや知識を与え、そこから自分の興味があるものを探し出し、自分で深め、自発的な発表へ持っていく、というものなのだが、今回は、留学試験対策も考え、
@グラフの読み取り
Aテーマを与えた小論文
B今後役に立つトピック、知識を与える
という3点で進めてくれろ、ということでした。
が、やっぱりこの教材が意図する使い方とは離れるものなので、どうしても無理が出る。正直、あまり使いこなせたとは思えない。さまざまな情報を与え、そこから自分の興味があるものを選ぶ、という方向にもって行けたらいいのだが、時間的にも内容的にも、まとまりのないものに。あと、『中級から学ぶ』終了後にはやさしすぎ。初級終了後に使うならありかも。2.『中・上級者のための速読の日本語』(ジャパンタイムズ)
今後も継続して使っていく予定だが、個人的にはかなり好き。学生も結構楽しんでやっている。ゲーム的な要素も交え、メソッドとしての速読能力を高めるにはいいと思う。もともと新聞を読みこなすための本だが、速読能力が問われる留学試験の対策としても、有効だと思う。ただ、読解対策をこれ一冊で終わらせようとすれば無理があるが。3.『日本語テスト問題集 聴解編』
すでに過去の遺物として認識されつつあるなつかしの教材だが、改めてじっくり使ってみると、実はかなりいい教材です。(あたしも今回はじめてそう思った)まず、奇をてらった問題がない。純粋に聴解力を問う問題である。ここ数年、能力試験の聴解レベルはあさっての方向へ向かいつつあったので、この程度の問題集ではいかんともしがたかったのだが、懲戒のことを考えて作っているなーと感心することしばし。留学試験にはいいレベルです。形式は違うけど。
来週以降は、本当に留学試験対策にどっぷりつかります。
わたしの予想ですけど。
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