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参考チーム:真吾チーム 八神流古武術チーム
原案:JOKERさん 夜。 辺りはもうすでに暗闇に支配されている。 その中、暗い夜道を駆ける一人の少年がいた。 矢吹真吾。それが、その少年の名である。
真吾「すっかり遅くなっちゃったなあ・・・。早く帰らないと。」 ぶつくさ言いながらも、真吾は駆け続ける。 真吾「大体堅二のやつ、 どうやら学校の帰りに堅二達とゲーセンに行ってきた帰りらしい。 真吾「全く、相手だけじゃなくて俺たちのことも考えて欲しいよなあ・・・」 真吾が曲がり角を曲がろうとしたその時。突如、人が吹っ飛んできた。 真吾「うわっ!?」 吹っ飛んできたのは今時の若者風の男だった。 真吾「な、何だっ!?」 突然の事に驚く真吾。男は真吾の顔をみるや、すがりつく。 男「た、助けてくれ!化けもんだっ!あの女っ!」 真吾「えっ?化け物?女?な、何の事?」 その時、若い女の声が聞こえてきた。 女「・・・・どいて。」 みると、さっき男が吹っ飛ばされてきた方から一人の女が出てきた。 透き通るように紅く、長い髪に白い肌。黒いYシャツに、 男はその女の姿を見るなり、脅えた反応を見せる。 男「ひぃっ!た、助けてくれ!もうあんたには関わらねえからよ!」 男は懇願する。しかし女は冷徹に言い放つ。 女「・・・私を怒らせるからいけないのよ。・・・・死になさい。」 男「そ、そんな!そ、そこのあんた!助けてくれ!」 そのやり取りを何が何だか分からぬままに聞いていた真吾だったが、 真吾「えっ?あ、・・・・ちょ、ちょっと待てよ!」 その声に女は振り向く。 女「・・・何?」 真吾「何があったか分からないけど、相手はもう脅えてるじゃないか! 女「・・・それが何?・・・あなたには関係ない事だわ。」 そう言って女は男に向き直る。 女「・・・覚悟するのね。」 男「ひぃっ!」 真吾「ちょ、ちょっと待てよ、あんた・・・・。・・・・!」 その時、真吾は信じられぬものを見た。 女の手に青紫の炎がともり、揺らめいていたのである。 女が手を振るう。青紫の炎が闇夜を駆け、男を焼く。 男「ぐわああっ!」 男は炎に身を焼かれ、くずおれる。死んではいないだろうが・・・ 女「・・・・。」 女はしばらく男を見ていたが、やがて何事も無かったかの様に去っていく。 真吾はその光景に呆然としていた。 真吾「や・・・八神さん・・・?」 真吾の唇から呟くようにその言葉が漏れる。 その言葉に、去ろうとした女の足が止まる。 女は真吾の方を向き、 女「・・・・あなた、何故その名を知っているの?」 そう尋ねる。 真吾「えっ?いや、ほら、八神さんって草薙さんのライバルだし。」 真吾はちょっと戸惑いつつも答える。 女「草薙?・・・あなたは草薙の関係者?」 女はなおも問い掛ける。 真吾「えっ?あ、ああ!もちろん! こんな時だと言うのに、真吾は胸を張って嬉しそうに答える。 女「・・・・草薙の弟子?・・・弟子なの?」 真吾「そ、そうだけど。」 女「・・・ならば見逃すわけには行かないわね。」 真吾「えっ!?うわっ!」 女はそう言うなり、猛スピードで駆けてきた。 真吾はとっさに転がって避ける。 真吾「あ、危ないっ!何するんだよっ!」 女「・・・琴月をかわせるなんて。 真吾「琴月!やっぱり八神さんの!?」 女「・・・私の名は霞・・・八神霞。・・・庵は私の兄・・・。」 真吾「ええっ!?や、八神さんの妹!?」 霞「草薙の弟子、矢吹・・・あなたを倒させてもらうわ・・・。」 真吾「な、何が何だか分からないけど・・・・。」 真吾はポケットからバンダナとグローブを取り出し、身につける。 真吾「・・・・勝負だったら負けないっす!」 戦いが、始まった。
霞「・・・そこよ!」 霞が左手を振るう。巻き起こった青紫の炎が地面を走り、 百八式、闇払い・・・それがこの技の名前である。 真吾「このっ・・・!真吾キックっ!」 真吾は闇払いをジャンプで避け、 が、霞はそれを余裕でかわし、 真吾「うわぁっ!」 真吾が一瞬青紫の炎に包まれ、ダウンする。 が、霞は手を緩める事無く琴月で追いかけてくる。 真吾「あぶねっ・・・!」 間一髪、転がって避けた真吾。 霞は電柱に肘からぶつかる。コンクリート製の電柱にひびが入る。 真吾「げっ・・・!」 こんなものを喰らえば肋骨は砕け、 さすが暗殺拳と言われるだけの事はある。 霞「・・・運良く避けたようね。でも次はこうは行かないわ・・・・・!」 霞は軽くジャンプし、 真吾「俺だって逃げてばかりじゃないっ!・・・てやあっ!」 霞の鎌の如き手が迫る寸前、真吾は身体をひねって回し蹴りを放つ。 それが霞にヒットする。霞は油断していた。・・・慢心か。 霞「ぐっ・・・!」 真吾「・・・とりゃあっ!」 真吾は続けて回し蹴りを放つ。 霞「ぐうっ!」 真吾は最後のかかと落としを決めようとする。 真吾「じょあっ!・・・・うわあっ!?」 しかし、寸前でバランスを崩し、霞ともども地面に落下する。 真吾「いてぇっ!」 霞「ぐっ・・・!」 二人は起き上がると同時に間合いを離す。 霞「・・・さっき、弟子だとあなたは言ったけど・・・。」 霞が話し出す。あれほどの戦いの後でありながら、 霞「・・・本当に弟子なの・・・あなた?」 真吾「・・・な、なんだって!?」 真吾は荒い息をつきながらも、答える。 霞「・・・似ているのは上っ面だけ。草薙の真似をしているに過ぎないわ。」 真吾「何だとっ!・・・このっ!ボディがぁ・・・甘いぜっ!」 真吾が渾身のボディブローを放つ。が、あっさりとかわされる。 真吾「なっ・・・!」 荒咬みが・・・かわされる。 今までで一番、何度も練習してきた技だけに、ショックは大きかった。 霞「今のは、荒咬みね・・・炎はどうしたの?」 真吾「くそっ!」 気を取り直して今度は渾身の左ストレート・・・毒咬みを放つ。 がしっ! 手ごたえがあった。しかし・・・。 霞「・・・どうしたの?」 今度は手で受け止められていた。 真吾「なっ・・・!」 真吾は驚きを隠せない。 霞は淡々と続ける。 霞「・・・やはり上っ面だけね、似ているのは。・・・はぁっ!」 霞は真吾の腕をつかんだまま、後ろへ放る。 真吾「うわっ!」 真吾はよろけ、瞬間無防備になる。 霞はそのチャンスを逃さず、右のパンチを叩き込む。 真吾「ぐっ・・・!」 さらに霞は左のアッパーを叩き込む。真吾の体が浮く。 見た目以上に重いパンチである事が分かる。 霞「・・・はぁっ!」 霞は飛び上がり、両手で打ち、真吾を地面に叩きつける。 真吾「ぐうっ・・・!」 背中から地面に叩きつけられた真吾は、苦悶のうめきをあげる。 早く起きなきゃ・・・。 そうは思っていても、すぐには起き上がれない。 やばい! ・・・が、霞は仕掛けてこなかった。 真吾「な、なんで攻撃してこないんだよっ!?」 やっとの事で起き上がった真吾は、霞にそう言う。 霞「・・・・もういいわ。」 真吾「えっ!?」 一瞬、何の事か分からずにとまどう真吾。霞は淡々と続ける。 霞「草薙の弟子でないあなたを、これ以上痛めつけても意味はないわ。 真吾「なっ・・・!」 霞「・・・命拾いしたわね。」 真吾「・・・ふざけるなっ!!!」 霞「・・・!」 霞が一瞬、驚く。 真吾は普段、滅多に怒らない。その真吾が、怒った。 真吾「・・・俺は草薙さんの弟子なんだ! そう叫ぶなり、真吾は駆ける。 信じられぬ速さだった。どこにこんな力が残っていたのか・・・。 霞は避けようとした・・・が、真吾は寸前まで迫ってきていた。 真吾「どりゃああっ!!」 霞はガードする。 しかし・・・ガードは強引にとかれた。一瞬の隙ができる。 真吾はそれを見逃さなかった。 真吾「燃えろ・・・」 霞「しまっ・・・・!」 真吾「真吾っ!このっ!」 ボディブローが決まる。霞の体が「く」の字に曲がる。 霞「ぐっ・・・!」 しかし、攻撃は止まない。真吾は続けて左ストレートを放つ。 真吾「このっ!このおっ!」 そして、畳みかけるように何度もパンチを叩き込む。 真吾「どりゃああっ!」 最後の肘打ちが決まる。 霞「きゃああっ!!」 霞は吹っ飛び、壁にぶち当たる。 霞「ぐっ・・・。」 霞は起き上がろうとした。しかし、体が動かない。 さすがの霞も、真吾のパンチを何度も食らって 真吾の勝利である。 真吾は肩で荒い息をつきながら呟くように言う。 真吾「か・・・勝った・・・。」 こみ上げる嬉しさを、真吾は抑えることはできない。 真吾「俺、勝った・・・勝ったんだ!八神さんとこの人相手に!」 真吾は星空を見上げながら言う。 真吾「やりましたよ・・・草薙さん!」
その時。 霞「・・・・。」 霞が後ろにまで来ていた。 真吾「うわっ!な、何だ!?まだ、やろうってのか!?」 しかし、霞は攻撃してこない。 真吾「・・・?」 真吾は怪訝そうな顔をする。 ややあって、霞がポツリと呟く。 霞「・・・私の負けだわ。」 真吾「・・・え?」 霞「・・・私の負け、と言ったのよ。」 真吾「そ、そうっすか・・・。」 ほっとしたように胸をなでおろす真吾。 霞はそれを見ながら呟く。 霞「・・・私もまだまだ修行が足りないようね。」 真吾「えっ?なんか言った?」 霞「・・・何でもないわ。」 そう言うと霞は真吾に背を向け、去っていく。 真吾「あ、霞さん!」 真吾が叫ぶ。その声に霞は歩みを止め、振り向く。 霞「・・・何?」 真吾「また、勝負しましょう!」 霞「・・・・。・・・・ええ。」 霞はふっと微笑み、呟いた。 霞「・・・変な人ね。」
真吾は霞の姿が見えなくまで見ていた。 真吾「あ、すっかり遅くなった!早く帰らなきゃ!!」 その夜、真吾は学ランを焦がした事で親に怒られたそうである。
数ヵ月後、二人はKOFで再び戦う事になる。 が、それはまた別のお話。
END |
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