緋雨閑丸
STORY

OPENING
 山道にて野盗の一団に絡まれる閑丸。

「おうおうボウズ、金目のもん持ってんならよこしな、
 それともその刀でもいいぜ、
 なんならおめえを遊郭へ売り飛ばしてもいいけどよ」

閑丸「僕に、刀を抜かせないで、下さい・・・・・」

「おう、やるってのか、ちょっとばかし怪我しなきゃ分かんねえみてえだな」

 襲いかかる野盗、しかし、閑丸は傘のみですべて退ける。

「ま、参った、お、俺たちが悪か、い、ひいいいい・・・・・!」

 閑丸は背中の刀を抜こうとする。しかし、

 回想、緋雨寺にて。

和尚「よいか、閑丸、刀はそもそも人を律するものでなければならぬ。
   刀が人を斬るのではなく、人が人を斬るのだ。そのことを覚え、
   お前自身の剣の道、そして真なるお前自身の道を求めるのだ・・・・」

 閑丸、和尚から剣と傘を渡される。

 回想終わり。

 剣を抜こうとするも、思いとどまる。

閑丸「・・・ごめんなさい、もう、行かなきゃ・・・・・」

 と、そのまま走り去っていく。

「た、助かった・・・・・」

 街道にてたたずむ閑丸。

閑丸「やはり、刀に触れると、人を斬りたく、なる・・・・・?
   でも、やはり僕は・・・・・。
   そういえば、最近巷で起こっている何か、
   そこに何かが、あるかも、しれない・・・・・」

 閑丸、走り去っていく。

四回戦後
閑丸「何だろうこの気持ち、
闘うたびに何かを斬らずにいられない・・・・・」

 噴き出す瘴気の中から天草が登場する。

天草「我が名は、天草四郎時貞。さあ、暗黒神がお呼びだ」

閑丸「暗黒神、何だろう、その言葉に、
   何か引きつけられるような・・・・・」

天草「少年、そなたが求めているもの、
   我の元へ来れば、その望み叶えてやろう」

閑丸「・・・いいえ、あなたの力は借りない。
   僕は、僕の手で求めたい・・・・・」

天草「フッ、その覇気やよし、いずれあらためて迎えることにしよう」

 天草、姿を消す。

閑丸「・・・でも、あそこには、何かがある、僕の求める何かが・・・・・」

第六回戦:色
●戦闘前

 歩いている閑丸、しかし、ふと立ち止まると、背後から色が現れる。

閑丸「・・・どうして、僕をつけ回すの?」

色「・・・・・」

閑丸「どうやら、僕に用があるのは間違いないんだね」

色「・・・あなた、鬼・・・・・?」

閑丸「・・・! やはり、あなたは僕について何か知っているかもしれない」

色「・・・私と、闘うの・・・・・?」

閑丸「どうやら、そうするしかないようだね」

●戦闘後

閑丸「なんとか勝ったけど、やっぱり・・・・・」

色「・・・やはり、あなたでは、なかった・・・・・」

閑丸「やっぱり知らなかったようだね。僕、もう行きます」

色「・・・どこへ、行こうとするの・・・・・?」

閑丸「分からない、でもあなたが言った“鬼”に、
   その答えがあるかもしれない」

 と言って閑丸、去っていく。

色「・・・・・」

第九回戦:覇王丸
●戦闘前

閑丸「あなたが、覇王丸さんですね」

覇王丸「ほう、まだ子供じゃねえか、だがその精悍にして強い気迫、
    お前さんただ者じゃねえな」

閑丸「僕の名は緋雨閑丸、僕自身の過去を求め今まで旅をしてきました。
   今巷を騒がす鬼にその手がかりがあると聞き、ここまで来たのですが」

覇王丸「確かに俺も、鬼を求めている。
    鬼を斬ってその魂を鎮めてくれというある女の子の頼みでな。
    事のついでだ、いっちょお前と一勝負と洒落込むか」

閑丸「はい、お願いします」

●戦闘後

閑丸「この感じ、あなたと闘うこと、そしてあなたを斬ることを、
   僕は、喜んでいる・・・・・?」

覇王丸「なるほどな、そいつは剣を握るものにとっては誰もが感じるもんだ。
    だが、決してとらわれるな!」

閑丸「・・・・・!」

覇王丸「剣を振るうのも人を斬るのも結局はお前自身の意思だ。
    それを律してこそ、お前は真の侍となるか否かが問われるんだぜ」

閑丸「・・・自分が、自分自身の敵ということ・・・・・?」

覇王丸「ま、そういうところだ。
    お前も一歩踏み出したばかりだ。だから・・・・・」

 突然、閑丸が光に包まれ、姿を消す。

閑丸「・・・・・!」

覇王丸「何だと、まさか魔の奴らが・・・・・!?」

第十回戦:由比正雪
●戦闘前

閑丸「ここは、一体・・・・・?」

正雪「ふん、この場は一気に覇王丸を討ち取らんと思うたが、
   まさかその覇王丸を打ち負かす奴がいようとはな」

閑丸「あなたもまた、でも、あなたと闘えば、鬼に出会えるかもしれない、
   それならば・・・・・」

正雪の背後から二振りの魔剣が現れる。

正雪「そう簡単に俺を倒せるかな、くたばれや、小僧!」

第十一回戦:壬無月 斬紅郎
●戦闘前

正雪「おのれ、貴様ごとき小僧に敗れるとは・・・・・」

 正雪の周りに光の柱が立ち、そのまま光に呑み込まれる。

正雪「な、何、これはまさか、天草アアアアァ!」

「ふふふ、正雪ではまだ役不足か、ならば、この者では、どうだ」

 光の柱から、斬紅郎が現れる。

斬紅郎「我は災い、我は鬼、我が名は、壬無月、斬紅郎!」

閑丸「あなたが、鬼、やはり、どこかで会ったような・・・・・」

斬紅郎「うぬが心、よもや・・・
    ならば己が兵法極意、全てをもって闘うがよい!」

●戦闘後

斬紅郎「やはり、うぬは我が心が生みし者・・・我は、己が剣技に溺れ、
    巨大なる念に自らを呑み込ませた。真の瞳を失うことの恐ろしさ、
    その愚かなる末裔を見るがいい。真の敵は己の中にあり。
    一片の曇りなく我が道を行くことが何と難しいことか。
    よくぞ、我を、討った・・・見事、なり・・・・・」

最終戦:天草四郎時貞
●戦闘前

閑丸「・・・僕が、鬼の、心・・・・・? 分からない、何もかも・・・・」

 光の柱から天草が現れる。

天草「少年、やはり汝も鬼の魂。ならば我が力となりて、
   この腐りきった世を清めようではないか」

閑丸「・・・いいえ、僕はあなたに従わない。あの斬紅郎という人は、
   自分の中の鬼に負けてあなたに操られた。でも、
   そう、僕の心が呼びかける、屈してはだめだと、
   鬼の心に、そしてあなたたち魔の者たちに・・・・・!」

天草「何と・・・どうやらお主とは闘う運命にあったようだな、
   ならば来れ、我が麗しの暗黒の淵へ」

●戦闘後

天草「・・・まだぞ、穢れきった塵世を浄化するまでは、我は・・・・・」

 画面が暗雲に変わり謎の人影が画面いっぱいに広がる、

「ラキ、ラキ、ラキキキキ・・・・・」

天草「・・・お主は・・・・・!」

「ご苦労であったな、汝の役目は終わった。後は我に任せるがよい」

天草「な、何を、ぐおおああーっ!」

 天草、光の珠となりそのまま消滅する。

閑丸「な、何・・・・・?」

 突然、閑丸に暗黒の雷が降り注ぐ。

閑丸「うわああああっ!」

「ラキ、ラキ、ラキキキキ、その純粋な魂、まさしく鬼の魂、
 我等が暗黒神に捧げるにふさわしい。そもそも我が作りしこの宝珠、
 その魂を捧げるがいい・・・・・」

その時、閑丸の元に一筋の光が降り注ぐ。

「・・・我と同じ魂を持ちし者よ、今こそ、受け取るがいい・・・・・」

閑丸「この。光は・・・・・?」

「さあ、無駄な手間を取らせるでない、今こそ苦しまぬようにして・・・・」

 閑丸、光をつかむ。

閑丸「・・・僕は・・・負けない・・・・・」

「・・・何!?」

 つかんだ光は斬紅郎の刀、怨獄丸と化し、
 閑丸は影に向かって刀を振り下ろす。

閑丸「負ける、ものかああああっ!」

「・・・ラキ、ラキキェーッ・・・・・!」

 影は消え、間丸はそのまま倒れこむ。斬紅郎の思念が再び語りかける。

「見事なり、うぬは我が心、我が子覚之進をもとに我が思いによって
 生み出されたるものなり。故に我を、我が鬼の魂を求めたのであろう。
 そしてうぬは我が思いに見事応え我が怨獄丸にて魔を祓った。
 閑丸よ、うぬのその心をもって鬼を制し、
 鬼の魂をもって魔を制すがいい・・・・・」

 雷が消え、閑丸は林の中に横たわっていた。
 傍らには怨獄丸が置かれていた。

 再び起き上がる閑丸。

閑丸「僕は、鬼に、生み出されたる者。そして、僕は・・・・・」

 そして怨獄丸を担ぎ上げ、この場を去る。

ENDING
 一方、骸羅は覇王丸と詩織の立会いで、斬紅郎を供養する塚を建てる。

骸羅「これで、よしと」

 力強く手を払う骸羅。

骸羅「俺に出来ることはこうやって斬紅郎のだんなを葬ることしか出来ねえ。
   ま、とりあえずは俺も坊主だ。
   一通りお経を読んでおくか、おっ・・・・・」

 後から怨獄丸を担いだ閑丸が現れる。

覇王丸「おお、閑丸じゃねえか、無事だったか、だがその刀は」

閑丸「僕はこの人の供養をするために来ました。ちょっとさがっていて」

覇王丸「うむ・・・・・」

 と、三人は去っていく。

 閑丸は怨獄丸をかまえ、まずは思いきり上段から振り下ろし、
 次にほぼ水平に振り払う。そして最後に天高く飛びかかり、
 刀を塚に突き立てる。

 駆けつける覇王丸たち。

骸羅「やったな、閑丸」

閑丸「うん、これでいいと、思う・・・・・」

 その後、閑丸と詩織の二人が残された。

詩織「では、また旅立つのですね」

閑丸「うん、完全じゃないけど、僕が何者かが分かったような気がする。
   だからこそ僕自身、これからの旅でいろんな人と
   出会っていきたいと思うんだ。僕自身の生きる証を立てるために。
   しばらくしたらまた戻ってくるよ、そのときは」

詩織「はい、私もこの塚を守ってあなたを待っています」

閑丸「うん、君も、元気でね・・・・・」

 と、閑丸は詩織をそっと抱き寄せる。

(スタッフロールへ)

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