千両 狂死郎
STORY

OPENING
 江戸の舞台にて舞う狂死郎。一通り舞ったあとの口上。

狂死郎「ぁ各々がたぁ、この狂死郎の舞、今宵でしばしの見納めぞぉ!
    近頃巷を騒がすはぁ、世を乱せし鬼か魔かぁ、
    はたまたあまたの武士(もののふ)かぁ!
    これらを討ちしは我が役目ぇ、ぁ行く手を阻むは何人たりとぉ、
    退けてぇ、御覧にいれまするうぅぅぅぅ!」

 大ミエの後、大喝采とともに舞台を去っていく。

 楽屋にて一座の者たちに一時の別れを告げる狂死郎。

狂死郎「というわけで、ワシはこれから凶事を治めるべく
    旅立たねばならぬ。そなたらには難儀をかけるだろうが」

「はっ、お頭には心置きなくお役目と、何より芸の大成を」

狂死郎「ぁそれを聞いたら心強い、それでは、
    行って来よおぞおぉぉぉぉ・・・・・!」

 と言って、狂死郎、楽屋を後にする。

 一方、隣の神社にては、一人の若い巫女が境内を掃いていた。

鈴音「何やら静かになったようだね、何にせよ、こっちも急ぐとするか」

 鈴音、大きくジャンプし巫女姿から剣士へと姿を変え、神社を後にする。

四回戦後
狂死郎「ぁ我が歌舞伎、未だ大成せぬかぁ」

 噴き出す瘴気の中から、天草が現れる。

天草「我が名は、天草四郎時貞。さあ、暗黒神がお呼びだ」

狂死郎「ぬゎんとぉ、天草となぁ?」

天草「汝の歌舞伎、我が神に捧げては見ぬか、そして汝の魂をも」

狂死郎「むむむ、この狂死郎をたぶらかすとはぁ、迷うたか天草よぉ!」

天草「いずれにせよ、お主は我から逃げられぬ。
   では、また会おう・・・・・」

 天草、姿を消す。

狂死郎「んぬうう、いかにして魔に堕ちしや、天草よぉ」

第六回戦:疾風の鈴音
●戦闘前

狂死郎「ややっ、ぁお主はお鈴ぅ、やはりお主も来ていたのかえ」

鈴音「な、よりによってあんたか、あいかわらずけたたましいな」

狂死郎「うむぅ、ワシとても、天草とやらには、
    浅からぬ因縁を感じるからのう」

鈴音「ま、いずれにしても、あんたと仕合うのは、
   また運命なんだろう、なれば!」

狂死郎「ワシと仕合うかぁ、ぁこれも一興、
    我らの血肉ぅ、ぁ咲かせてみようかええええぇ!」

●戦闘後

鈴音「ふっ、まさかあんたの技がこれほどとはね」

狂死郎「何のぉ、お主もなかなかのもの、いずれにしても我らが魂、
未だ磨く必要あり、いずれ来たれり大一番のためにのおおおおぉ!」

 と、狂死郎は去っていく。

鈴音「いずれ来る大一番、か・・・・・」

第九回戦:柳生 十兵衛
●戦闘前

狂死郎「ややっ、そちらにおわすはぁ、まさしく柳生さまぁ」

十兵衛「むむ、やはりお主か、よもやこのようなところで会おうとはな。
    まあ分かっておろうが今回の件は、
    いつもの付け火や盗賊騒ぎとは訳が違う。
    早々に立ち去ってくれればよし」

狂死郎「いやいや、この狂死郎ももはや凶事に足を踏み入れし者、
    こちらもやはり譲れませぬぞぉ」

十兵衛「うむ、ならば、致し方ないか、
    お主に我が真陰流、しかと教授してやろうぞ」

●戦闘後

十兵衛「まさかわしが負けるとはのう、己の慢心か、
    はたまた、多少の未熟か・・・・・」

狂死郎「いやいや、この狂死郎のまぐれとも受けられますぞぉ、
    いずれにせよ、この狂死郎、
    我が芸、我が剣技を極められねばなりませぬがぁ、
    魔を祓うに、いくらでも一肌脱ぎましょうぞぉ」

十兵衛「うむ、ことここに至ってはいたしかたがない、
    ともかく、頼んだぞ」

狂死郎「ぁ心得ましたぞぉ、ややっ・・・・・!」

 突然、狂死郎が光に包まれ、姿を消す。

狂死郎「何とぉ、我が身にかかりし巨大な気ぃ、
    果たして我が運命やぁいかぁにぃ〜!」

十兵衛「うーむ、やはりこのノリはついていけんのう・・・・・」

第十回戦:由比正雪
●戦闘前

狂死郎「うぬぅ、この出で立ち、やはりお主であったかぁ!」

正雪「フッ、やはり貴様か、ことあるごとに顔を突っ込み、
   今またこの俺の邪魔をするか」

狂死郎「ぁ天下を騒がす不届き者よぉ、
    ぁこの狂死郎がぁ、この際、ぁ退治てやるわああああぁ!」

 正雪の背後から二振りの魔剣が現れる。

正雪「小賢しい、我が剣にて返り討ちにしてくれるわ。
   くたばれや、千両狂死郎!」

第十一回戦:壬無月 斬紅郎
●戦闘前

正雪「まさか、貴様ごとき歌舞伎者に敗れるとは・・・・・」

 正雪の周りに光の柱が立ち、そのまま光に呑み込まれる。

正雪「な、何、これは、天草アアアアァ!」

「ふふふ、正雪ではまだ役不足か、ならば、この者では、どうだ」

 光の柱から、斬紅郎が現れる。

斬紅郎「我は災い、我は鬼、我が名は、壬無月、斬紅郎!」

狂死郎「斬紅郎、ぁ巷を騒がす鬼と舞えるとはぁ、ぁ光栄なりぃ!」

斬紅郎「豪の者よ、己が兵法極意、全てをもって闘うがよい!」

●戦闘後

斬紅郎「・・・災いを退けし者よ、我は己が剣技に溺れ、
    巨大なる念に自らを呑み込ませた。真の瞳を失うことの恐ろしさ、
    その愚かなる末裔を見るがいい。真の敵は己の中にあり。
    一片の曇りなく我が道を行くことが何と難しいことか。
    よくぞ、我を、討った・・・感謝、する・・・・・」

最終戦:天草四郎時貞
●戦闘前

狂死郎「ぁいよいよ終演じゃあ!」

 光の柱から天草が現れる。

天草「やはり、お主とは闘う運命にあったようだな」

狂死郎「ぃ天草よぉ、お主とて異教の使徒とはいえぇ、
    民のために戦うてきたるもの。
    それが何故に暗黒の神なんぞに膝を屈したのかえぇ?」

天草「我は悟ったのだ、ただの信仰のみでは世は救えぬ、
   力によっての支配こそがすべて、
   そのために暗黒神にその魂をささげたのだ。
   さあ、お主も堕ちるがいい」

狂死郎「ぃ哀れなり天草ぁ、せめて我が刃にてぇ、
    ぁ引導を渡してぇくれようぞぉ!」

天草「小賢しい、さあ来れ、我が麗しの暗黒の淵へ」

●戦闘後

天草「・・・まだぞ、穢れきった塵世を浄化するまでは、我は・・・・・」

 画面が暗雲に変わり謎の人影が画面いっぱいに広がる、

「ラキ、ラキ、ラキキキキ・・・・・」

天草「・・・お主は・・・・・!」

「ご苦労であったな、汝の役目は終わった。後は我に任せるがよい」

天草「な、何を、ぐおおああーっ!」

 天草、光の珠となりそのまま消滅する。

狂死郎「な、何事じゃあぁ!?」

 突然、狂死郎に暗黒の雷が降り注ぐ。

狂死郎「な、何いいいいぃ!?」

「ラキ、ラキ、ラキキキキ、これほどの覇気、
 やはりお主も選ばれたるもの。我等が暗黒神に捧げるにふさわしい。
 だが今は時ではない、いずれ、必ず、な・・・・・」

 雷が消え、狂死郎は林の中に横たわっていた。再び起き上がる狂死郎。

狂死郎「ううむ、まだまだ幕は降りぬということかえぇ」

ENDING
 狂死郎一座の楽屋にてたたずむ、化粧を落とし煙草を燻らす狂死郎と
 巫女姿の鈴音。

狂死郎「うむぅ、結局はまだまだ凶事は続くというわけじゃな」

鈴音「そしてこのあたしの、それにあんたの闘いもね。
   聞けばあんたも最近魔物に付け狙われているって噂だと」

狂死郎「そうさのう、妙に鬱陶しくていかん。
    まあ大巫女とやらはお主に任せるとしても・・・・・」

 そのとき、十兵衛が現れる。

十兵衛「おお、ここにいたか狂死郎よ、それにお鈴もか」

狂死郎「これは柳生さま、ぁ一体何の用ですかえぇ?」

十兵衛「うむ、今身の丈二丈ほどの怪物が市中を荒らし回っておる。
    今半蔵をはじめとする伊賀忍軍が対処にあたっているのだが」

狂死郎「ほほぅ、また我らの出番というわけかえぇ・・・・・」

 と、狂死郎と鈴音は大ジャンプの後いつもの格好に戻る。

狂死郎「いよいよ、再演じゃあ!」

十兵衛「うむ、二人ともわしについてくるがいい」

 と、三人とも画面外へと去っていく。

(スタッフロールへ)

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