琉球の若き海神
STORY

OPENING
故郷の村で村人に送られる勇魚。

勇魚「んじゃ、行ってくるよ」
網本「おう、がんばってこいよ」
勇魚「網本も早く身体治してよね」
網本「へっ、いっぱしの口ききやがって」
真魚「あなたも、くれぐれも気をつけてね」
勇魚「うん、姉ちゃんたちもね、それじゃ」

 と、勇魚は走り去っていく。

 大海原、イルカに乗って日の本へと向かう勇魚。

勇魚「よーし、夕刻までには陸に着くな」

 さらに海原を進んでいく。そして夕刻、陸が見えてきたとき、
 突然イルカが動きを止める。

勇魚「あれ、どうしちゃったんだ? って、やっぱ汚れているからなあ」

 そして勇魚はイルカから離れ陸に向かって泳ぎだす。

勇魚「ま、こっから先はオイラだけでいいさ、ありがとう、気いつけてな」

四回戦後
勇魚「銛が、騒いでいる、いつもより強いや」

 噴き出す瘴気の中から天草が登場する。

天草「我が名は、天草四郎時貞。さあ、暗黒神がお呼びだ」
勇魚「そうか、あんたが魔の根源ってやつか」
天草「そなたもまた強い魂を持っておる。その魂、我が神に捧げるがいい」
勇魚「ヘッ、だったらオイラを倒してからにするんだね」
天草「フッ、その覇気やよし、いずれあらためて迎えることにしよう」

 天草、姿を消す。

勇魚「・・・思ったより、大変なことになりそうだな」

第六回戦:真凛
●仕合前

真凛「ふー、やっと追いついたよ」
勇魚「あれ、真凛姉ちゃんじゃないか、何でまたここに?」
真凛「うん、やっぱおまえだけじゃ心もとないから
   こうして追っかけてきたってわけだけど」
勇魚「まーたそんなこと言って、本当いうと
   真凛姉ちゃんも暴れたくてここまで来たんじゃないの?」
真凛「う、確かにそうだけど、あたしだって、
   この網を持ったからにはねえ」
勇魚「まあここはお互い仕合をして、この場の気を鎮めなきゃいけないね」

●仕合後

真凛「うー、ここまで強くなったなんてね」
勇魚「やっぱり真凛姉ちゃんも強いや」
真凛「流石にここまでくればちょっとしんどいね、
   あたしはここで一息入れるけど、あんまり無理しないでよね」
勇魚「うん、分かってる」

第九回戦:ナコルル
●仕合前

ナコルル「あなたの持っているその銛の輝き、そしてその魂も、
     あなたも大自然の守り手と見ました」
勇魚「ま、そんなとこかな、でも君の輝きのほうがよっぽど強いや」
ナコルル「本来なら大自然を、
     この世を護るために力を合わせなければなりません。ですか」
勇魚「やはり仕合って魂を磨かなきゃいけないんだね」

●仕合後

ナコルル「やはりあなたもただ強いだけではないのですね」
勇魚「うん、オイラたち海人(うみんちゅ)は海とともに生き、
   海の恵みを得るために時にはその海とも戦わなきゃならないんだ、
   そして海の自然を荒らす奴らに立ち向かう。
   これはこの銛を手にしたときの宿命って奴なんだろうな」
ナコルル「やはりすべては運命によって定められたことなんですね」
勇魚「ま、それでも最後に決めるのは自分なんだけどね」
   突然、勇魚が光に包まれ、姿を消す。
ナコルル「勇魚さん!」
勇魚「え、何だよ、これ・・・・・!?」

第十回戦:由比正雪
●仕合前

勇魚「うーん、ここは一体、うわっ、銛の輝きが強くなってる」
正雪「ほう、これぞまさしくオリハルコンの刃、
   よもや貴様がごとき小僧が手にしているとはな」
勇魚「あんたも天草ってやつと同じく魔の眷属って奴か、
   とりあえずは・・・・・」

 正雪の背後から二振りの魔剣が現れる。

勇魚「あんたを退治しなきゃならない、その二つの刀と一緒に」
正雪「ふん、そのオリハルコンも我が手に奪ってくれるわ、
   くたばれや、小僧!」

第十一回戦:壬無月 斬紅郎
●仕合前

正雪「くっ、流石はオリハルコンの使い手、一筋縄ではいかないか」

 正雪の周りに光の柱が立ち、そのまま光に呑み込まれる。

正雪「な、何、これは、天草アアアアァ!」
「ふふふ、正雪ではまだ役不足か、ならば、この者では、どうだ」

 光の柱から、斬紅郎が現れる。

斬紅郎「我は災い、我は鬼、我が名は、壬無月、斬紅郎!」
勇魚「あんたもまた、いつかの大ダコと同じ、
   なら全力でかからなきゃいけないな」
斬紅郎「豪の者よ、己が兵法極意、全てをもって闘うがよい!」

●仕合後

斬紅郎「・・・災いを退けし者よ、我は己が剣技に溺れ、
     巨大なる念に自らを呑み込ませた。真の瞳を失うことの恐ろしさ、
     その愚かなる末裔を見るがいい。真の敵は己の中にあり。
     一片の曇りなく我が道を行くことが何と難しいことか。
     よくぞ、我を、討った・・・感謝、する・・・・・」

最終戦:天草四郎時貞
●仕合前

勇魚「ついに、おいでなすったか」

 光の中から天草が現れる。

天草「ついにわたし自身が出向かねばならぬようだな」
勇魚「ミナ姉ちゃんの村を襲ったのも、
   オイラたちを大ダコに襲わせたのも、
   すべてあんたたち魔の者たちなのは分かってる。でも・・・・・」
天草「でも、どうしたのだ?」
勇魚「腑に落ちないんだ。あんたが魔の大将だったら
   この銛ももっと強く輝かなくちゃいけないのに、
   なんていうか、まるであんたの心の中の光を映し出しているような」
天草「我が、心の、光、まさかな。もしそうなら、それは我が心の迷い、
   なれば断ち切ってくれよう。
   そなたの銛、そのオリハルコンの刃とともに」
勇魚「オイラもあんまりあれこれと考えるのはやめた。
   とりあえずあんたと闘い、勝ってみせる」
天草「ならば来るがよい、我が麗しの暗黒の淵へ」

●仕合後

天草「・・・まだぞ、穢れきった塵世を浄化するまでは、我は・・・・・」

 画面が暗雲に変わり謎の人影が画面いっぱいに広がる。

「ラキ、ラキ、ラキキキキ・・・・・」
天草「・・・お主は・・・・・!」
「ご苦労であったな、汝の役目は終わった。後は我に任せるがよい」
天草「な、何を、ぐおおああーっ!」

 天草、光の珠となりそのまま消滅する。

勇魚「ま、また何か、あるってのか!?」

 突然、暗黒の雷が降り注ぐも雷は銛にすべて落ちる。

勇魚「くぅっ・・・・・!」
「ラキ、ラキキ、やはり、この銛が、か、ここは、退くか・・・・・」

 暗雲が晴れ、勇魚は林の中に倒れていた。そこに真凛が駆けつける。

真凛「大丈夫かい、しっかりしな、勇魚」
勇魚「うーん、オイラはまだいいけど、
   まだすごく手ごわい奴が出てきてさあ」
真凛「でも今は戻ろう、それから立て直しても遅くはないからさ」
勇魚「うん、そうだね」

ENDING
 網本の家にてたたずむ勇魚と真凛。

網本「まあしかし、あれからというもの、
   魚はある程度漁れるし、ある程度穏やかだ。
   それでも勇魚の言うとおり嵐の前の静けさだってことか」
真凛「ミナも相変わらずあちこちへ狩りに出かけてるし、
   ま、それでも前のように闇雲にってわけじゃないしね」
網本「あ、そうそう、先日日の本の隠密ってのが現れてな、
   近いうちにまた騒乱が起きそうだから、
   そのときはよろしく頼むって言ってたぜ」
勇魚「やっぱりね」
網本「ま、何にせよ今後のこともおめえらに任せた、
   だがよ、くれぐれも身体には気いつけろよ」
真凛「うん、分かってるよ」
おかみさん「とにかく今夜は一緒に食べていくかい、
      さっき真魚や玲魚も誘ったんだけど」
勇魚「うん、そんじゃお言葉に甘えて」
   そんなやりとりを、家の外で見守っているミナがいた。
ミナ「家族、か・・・・・」

(スタッフロールへ)

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