キム・カッファン愛と正義の道中記

作:JOKERさん

真の正義を伝えるため、テコンドーの真髄を見せるため、
今日も今日とて旅路を行くキム・カッファンとその仲間達。
彼らの前に生き延びる悪は無し!
今日はどんな活躍を?さあ始まり始まり〜!

キム達は旅を続けていた。

チャン「あ〜腹減ったなあ。」

チョイ「またでヤンスか。ホントにチャンのダンナは良く食べるでヤンスね。
    そんなに食べてばかりだと、またさらに太っちゃうでヤンスよ。」

チャン「何だと!チョイ、いくらお前でもそりゃ言い過ぎだ!
    食事したのはたったの5回だぜ、5回!」

チョイ「一日に、でヤンしょ?普通はそんなに食べないでヤンスよ。」

ジョン「そうですよ、チャン君。
    そんなに食べてると、いずれ早死にしますよ。」

チャン「お、おどかさないでくださいよ、ジョンのダンナ。」

キム「ははは。まあその辺でいいでしょう。
   ・・・おや?次の町が見えてきたようです。」

チャン「おお!でっかい町だなあ!早速食べに行きましょうぜ、ダンナ!」

チョイ「やれやれ、またでヤンスか。」

ジョン「この前食べすぎで倒れたっていうのに、こりてませんねえ。」

キム「ははは。元気があって良いじゃないですか。」

キム達は早速、その町の食堂に入った。なかなかこぎれいな食堂である。

娘「ご注文は何にいたしましょうか?」

チャン「えーと、とりあえず
    チャーハン5人前、ギョーザ3人前、あとは・・・。」

チョイ「その辺にしとくでヤンスよ、ダンナ!」

ジョン「そうです。たまにはダイエットでもしなさい。」

チャン「ちぇっ、じゃあそれで頼むよ。」

数分後、出された料理をチャンが平らげている時、
突然数人のならず者達が入り込んできた。

ならず者達のリーダーと見られる男が、店主に向かって何事か話す。
とたんに店主は青ざめた。

男たちは言うだけ言うと、さっさと出て行った。

後に取り残された店主はただおびえるだけだった。
先ほど注文を取っていた娘が店主を慰める。
どうやら親子のようである。

店主「・・・もうだめだ。あいつらに目をつけられては・・・・。
   こうなったらお前だけでも逃げてくれ。」

娘「そんな!お父さんを置いて自分だけ逃げる訳にはいかないわ!」

キム「一体どうしたのですか?よろしければ私達に話してはくれませんか?」

店長「あなたは・・・?」

キム「申しおくれました。私はキム。訳あって旅をしている者です。
   そして、こちらが私の仲間の・・・、」

ジョン「ジョンです。以後お見知りおきを。」

チョイ「チョイでヤンス。よろしくでヤンス。」

チャン「チャンだ!よろしくな!がっはっは!」

キム「・・・以上です。店長さん、先ほど見ていましたが、
   ただ事ではないご様子。
   何があったのか、話してはくれませんか?」

店長「しかし・・・、旅の人にご迷惑をおかけする訳には・・・・。」

キム「大丈夫。私達はこう見えて鍛えているので多少の事では動じません。」

ジョン「そうです。心配する必要はありません。」

店長は娘としばし顔を見合わせていたが、
やがて意を決したようにうなずいて、

店長「・・・分かりました。お話しいたしましょう。
   実は最近、近くの山に山賊が住み着き、
   時々町にやってきては若い娘をさらって行くのです。
   断ったら殺されてしまいます。今日は私の娘が・・・・。」

キム「何ということだ!警察はどうなっているのですか?」

店長「警察が何度か向かいましたが、
   ことごとく返り討ちにあってしまいました。
   奴らはとてつもなく腕の立つ連中のようです。
   ・・・悪い事は言いません。
   関わりあいにならない方がよろしいかと・・・・。
   いくらあなた方が腕がたつといっても連中にはかなわないでしょう。」

キム「面白い!相手にとって不足はありません。」

ジョン「久々に腕の振るいがいがありそうですね。」

チョイ「ワクワクしてきたでヤンス!」

チャン「久々に暴れまわるとしようぜ!」

キム「店長さん、ご心配なく。私達が山賊を根こそぎ退治してあげます。」

店長「あ、あなたたちは一体・・・?」

キム「ただのおせっかい焼きです。
   困っている人を放ってはおけないだけですよ。」

ジョン「さて、悪者退治とまいりましょうか。」

キム「ええ。」


数時間後。キム達は崖の上にいた。
眼下には山賊達の根城と思われる建物がある。

ジョン「あれが山賊とやらの根城ですね。まずは様子を探りましょう。」

キム「ええ。チョイ!」

チョイ「はい、何でヤンスか?」

キム「お前の身軽さで、奴らの様子を見てきてくれ。
   くれぐれも見つからぬように気をつけるんだぞ。」

チョイ「分かったでヤンス!」

その声と共にチョイは煙のように消えた。

チャン「ダンナ方、俺はどうすればいいんで?」

キム「チョイが戻りしだい、根城に入り込む。
   その時にお前の怪力を借りる。それまで待っていてくれ。」

チャン「なるほど、分かりやした。」


その頃、チョイは根城にうまく忍び込み、天井裏から建物の中を調べていた。

チョイ「ずいぶんと広い所なんでヤンスねえ・・・・。
    でも見はりが少ないのはどういう事でヤンスかね?」

そう考えながらチョイは次の部屋の天井裏に入り込んだ。

その部屋では何やら話をしているようだ。

屈強な男が二人、話をしている。赤い髪と金髪の髪の二人だ。

チョイ「何の話をしてるんでヤンしょ?」

チョイは聞き耳を立てた。

赤髪の男「ファン・・・さらってきた娘達の様子はどうだ?」

ファンと呼ばれた金髪の男は答えた。

ファン「ああ、ウォン。・・・最初はおびえてやがったが、
    逃げても無駄だと分かるとおとなしいもんだ。
    逆らおうって気もないと来たもんだぜ。」

赤髪の男はウォンという名前のようだ。

ウォン「そうか。・・・あいつらは大事な「商品」だからな。
    傷なんかつけるんじゃねえぞ。」

ファン「ああ。それにしても最近は弱い奴らばっかりだな。
    俺達を倒そうって奴らがごまんと来たが、
    どいつもこいつも弱かった。
    警察まで来たが、俺達の敵じゃねえと分かるとおとなしくなって、
    最近じゃあ見てみぬふりだぜ。
    ・・・強すぎるってのも、退屈なもんだな。」

ウォン「そう言うな。強くて結構。弱い奴はいらん。」

ファン「やれやれ。まあ、この生活も悪くねえけどな。
    それにしても山賊どももお前もワルだなあ。
    娘をさらってきて、奴隷に高く売りつけるってんだから。
    まあ、おかげで俺達を倒そうって言う奴らが来るんで、
    俺にとっちゃあいい修行になるけどな。」

ウォン「ふん・・・・。」

天井裏ではチョイが驚きの表情でこれを聞いていた。

チョイ「な、何と・・・!奴ら、奴隷商人でヤンしたか!
    早速ダンナに報告するでヤンス!」

その時。ウォンが近くにあった刃物を投げた。
刃物は天井を突き抜け、チョイの足をかすめる。

チョイ「うひゃあ!?な、何でヤンスか!?」

ファン「どうした、ウォン!?」

ウォン「・・・ネズミがいる。」

ファン「何!?それでそいつはどうした?」

ウォン「逃げられた。ずいぶんと逃げ足の速い奴だな。
     ・・・まあ、教えた所で何ができるという訳でもないだろうがな。」

ファン「そうか。って事は、
    また俺達をぶっ倒そうとする馬鹿が現れたって事だな?
    ・・・腕が鳴るぜ!」

ウォン「・・・ふん。」

チョイ「はあはあ、とんでもない奴らでヤンス!
    あっしの気配に気づくとは!」

チョイは必死に逃げ出し、キムの元へ急いだ。


その頃、キム達はチョイの帰りを待っていた。

チャン「ダンナ、チョイの奴はまだですかい?」

キム「まあ待て。・・・!おお、チョイが戻ってきたようだぞ!」

ジョン「チョイ君、無事でしたか。・・・?その足、どうしたのです?
    怪我をしているようですが。」

チョイ「それはでヤンスね・・・。」

チョイは事の一部始終を話した。

ジョン「何ですって!?奴隷売買!?」

キム「何という事を・・・!許さんぞ、山賊ども!!」

チャン「早速殴りこみと行こうぜ!」

チョイ「待って下さいでヤンス、チャンのダンナ。
    アッシの見たところ、ボスはさっき言った二人のようでヤンスが、
    そのうちのウォンと呼ばれた男、とてつもなく強いでヤンス。
    アッシは完全に気配を消していたのに、
    それに気付いたんでヤンスから。」

ジョン「なるほど・・・・。
    道理で見張りが少ないというのも納得がいきますね。
    侵入者などあの二人で十分始末できるという
    自信があるという事なのでしょう。」

チョイ「そうでヤンス。気をつけた方がいいでヤンスよ!」

キム「そうか。・・・だが、いかに相手が強かろうと悪事を働く以上、
   許してはおけん。・・・行くぞ!」

キム達は崖下の根城に向かって駆け出した。

それに見張りが気付いて声を上げる。

見張り「な、何だお前達!?」

キム「・・・問答無用!」

ジョン「覚悟なさい!」

チョイ「行くでヤンス!」

チャン「ふんがぁ〜!!」

見張りは仲間を呼ぶ間もなく、キム達に全員倒された。

建物の前にキム達が立っている。

ジョン「ここが山賊の根城ですか・・・。」

チャン「近くで見るとずいぶんでっけえ建物だな。」

キム「・・・行くぞ!」

そう言ってキムが建物の中に入ろうとする時、ジョンが呼び止める。

ジョン「待って下さい、キム君。」

キム「何ですか?」

ジョン「ここは二手に分かれませんか?」

キム「二手に?」

ジョン「ええ。とらわれた娘達を助けるのも目的のひとつです。
    ボスを倒す方と、娘達を助ける方、それぞれ二人ずつに分かれて
    それぞれの目的をいっぺんに果たしましょう。」

キム「そうですね・・・。ならば、山賊は私とジョンさん、
   娘達はチャンとチョイに任せましょう。」

ジョン「ええ。私もその方がいいと思います。」

キム「そういう事だ。チャン、チョイ、娘達の事は頼んだぞ。」

チョイ「分かったでヤンス!」

チャン「絶対に助け出してやるぜ!」

キム「・・・任せたぞ!」

キム達は二手に分かれた。


チャンとチョイは途中、
出てくるザコ山賊どもを倒しつつ娘達を探していた。

チャン「なあ、チョイ。娘達が入れられてる牢屋、場所分かるんか?」

チョイ「大丈夫でヤンス。ばっちり覚えてるでヤンス。」

チャン「本当かよ?」

チョイ「本当でヤンス!あ、そこを右に曲がるでヤンス。」

二人が通路を曲がると、地下への階段があった。

下りると、そこは地下の牢屋であった。

チョイ「あそこでヤンス!」

牢の中には娘達がいた。

チョイ「早速助けるでヤンス!」

チャン「おお!」

チャンが怪力で鉄格子をひん曲げる。牢に出口が出来る。

娘達が喜びの表情で次々に牢を出る。

チョイ「皆さん、早速逃げるでヤンス!」

男「残念だが、そうは行かねえぜ。」

チョイ達の前に一人の男が立ちはだかっていた。

チャン「何だてめえは?」

チョイ「こ、こいつはファンでヤンス!」

チャン「何!?じゃあボスの一人か、こいつ!?」

ファン「まあな。それにしてもたいした奴らだぜ。
    今までにこんな事が出来た奴はいねえ。」

チャン「そうかい。早速で悪いがてめえにゃあ、おねんねしてもらうぜ!」

そう言ってチャンが鉄球をぶん回してファンに襲いかかる。

が、ファンはそれを紙一重でよけると、
逆にチャンの腹に思いっきり強烈なパンチを叩き込む。

チャン「ぐえっ!」

チャンは倒れた。

チョイ「だ、ダンナ!」

ファン「何だ?あっけねえなあ。この程度なのかよ?」

チョイ「・・・行くでヤンス!」

チョイが爪を振り回しつつ、突進する。
が、これもかわされる。逆に蹴りを喰らってしまった。

チョイ「がはっ!」

チョイも倒れる。

ファン「・・・もうおしまいか?」

チャン「ま、まだまだだぜ・・・!」

そう言ってチャンは立ち上がる。

チョイ「ダンナ方の蹴りの方が百倍痛いでヤンスよ!」

ファン「おもしれえ!そうこなくっちゃな!」

チャン「てめえは絶対ぶっ飛ばしてやるぜ!」

そう言ってチャンがファンに再びつかみかかろうとする。
が、チョイに止められる。

チャン「な、何だよチョイ?」

チョイ(チャンのダンナ、待つでヤンス。
    あいつはとてつもなく強いでヤンス。)

チャン(そりゃあ分かってるけどよ、ぶっ倒さなきゃあ先に行けねえだろ?)

チョイ(そう。だからアッシが作戦を立てたでヤンス。
    いいでヤンスか、まずアッシがファンの足を止めるでヤンス。
    で、動きが止まった所をすかさずダンナが鎖でしめるでヤンス。
    そこにアッシがとどめを刺すでヤンス。)

チャン(なるほど、分かったぜ!)

ファン「作戦会議は終わったか?じゃあ、さっさと来な!片付けてやるぜ!」

チョイ「行くでヤンス!」

チョイは先ほどとは比べものにならない速さで飛び回る。

ファン「な、何だこの速さは!」

ファンはそれをとらえきれず、かわすだけで精一杯だった。

その隙に、チャンが背後に回り、鎖でファンの首をしめる。

チャン「捕まえたぜ、この野郎!」

ファン「ぐっ!?し、しまった!」

チョイ「作戦成功でヤンス!行くでヤンスよ!」

チョイは猛スピードでファンの方へ走り出す。

ファン「くっ!」

ファンは鎖を解こうとするが、がっちりしまっていて外せない。

そうしているうちにチョイが目の前までやってきた。

チョイ「キムのダンナ直伝、鳳凰脚!ア〜タタタタタでヤンス!」

ファン「ぐわああああ!!!」

ファンは倒れ、動かなくなった。

チョイ「やっと倒せたでヤンス。」

チャン「めっちゃくちゃ手ごわいヤローだったなあ。」

チョイ「そうでヤンスね・・・。
    ハッ!そうだ、ダンナ方はどうなってるでヤンスか!?」

チャン「とりあえず、娘達を逃がしてやろうぜ。」

チョイ「そうでヤンスね。」

チャンとチョイは娘達を建物の入り口まで連れて行った。

チョイ「ここで待っててくれでヤンス。」

チャン「早速様子を見に行こうぜ。」

二人がキム達の下へたどり着いたその時、まさに戦いの真っ最中であった。

ウォンもキムもジョンも、既にボロボロになっている。
三人とも立っているのがやっとの状態だ。

凄まじい戦いがあった事を物語っている。

チャン「な、何だこりゃあ!?」

チョイ「ダンナ方があんなになるとは、さすが山賊最強のボスでヤンス!」

チャン「感心してる場合かよ!助けに入るぜ!」

チョイ「ダメでヤンス。」

チャン「え?何でだ?」

チョイ「あの三人の間には、凄まじい緊張が張り詰めてるでヤンス。
     アッシらが出たら、ダンナ方の緊張を解いてしまうでヤンス。」

チャン「そ、そうか・・・。」

そのまま三人は微動だにせず、じっと機会をうがかっていた。

先に動いたのはジョンだった。

ジョン「はあああ!!鳳凰烈爪脚!!」

ジョンが凄まじい勢いで蹴りを繰り出し、真空波の渦を巻き起こす。

ウォンはそれを耐え抜く。そしてジョンに向かって凄まじい蹴りを放つ。

蹴りはジョンにヒットし、ジョンは倒れる。

チャン「ああ!ジョンのダンナが倒されちまったぜ!」

チョイ「いや・・・、まだでヤンス!」

ウォンが続いてキムの方を向く。が、キムはいない。

ウォン「何!?どこへ行った!?」

ウォンは背後に凄まじい「気」を感じ、振り向く。
そこにはキムが猛スピードで駆けてきた。

ウォン「いつの間に!?・・・くっ!!」

ウォンはとっさにガードしようとした。
が、それより一瞬早く、キムの蹴りが入る。

ウォン「ぐっ!」

キムはすかさず、さらに蹴りまくる。

チャン「出たあ!」

チョイ「本家本元の鳳凰脚でヤンス!」

キム「アーーータタタタタタ・・・
   アチャアアーーーーーッッ!!!鳳凰脚!!!」

ウォン「ぐわぁああああっっ!!」

ウォンは壁まで吹っ飛ばされ、倒れる。
動こうとするが、もはや体が言うことを聞かない。

キム「か、勝てた・・・・。」キムはよろりと倒れそうになる。

慌ててチャンとチョイがそれを支える。

チャン「おっと!」

チョイ「大丈夫でヤンスか、ダンナ?」

キム「何とかな。」

ジョン「全く・・・。無茶をするものですね。
    私が囮になって勝ったからいいようなものの・・・・。」

キム「はは、すみません。・・・・ところでチャン、チョイ。
   娘達は助け出したのか?」

チャン「ああ、それなら・・・・。」

チョイ「無事に助け出したでヤンスよ!」

キム「そうか、良かった・・・・。」そう言うと、キムは気を失った。

チャン「だ、ダンナ!?どうしたんだ!?」

ジョン「どうやら疲れが出たようですね。・・・無茶な人ですよ、全く。」

チョイ「そうでヤンスか。良かったでヤンス。」


数日後。傷を癒したキムたちは、町を出る所だった。

店長「本当にありがとうございます。おかげで町は救われました。」

キム「いえ、お礼を言われるほどの事ではありません。それでは・・・。」

店長「もう行ってしまうのですか?」

キム「ええ。まだまだ悪者はいますからね。」

店長「お気をつけて・・・。」

キム「ありがとう。では・・・・。」

ジョン「行くとしましょうか。」


次の町へと旅を続けるキム達。

チャン「あの町の飯はうまかったなあ。
    次の町はどんな飯が食えるんかなあ〜。」

チョイ「町を救ったというのに、
    チャンのダンナは相変わらずでヤンスねえ〜。」

チャン「うるせえ!」

ジョン「やれやれ。」

キム「ははは。」


ひとつの町を山賊から救ったキム達。だが、まだまだ悪者は尽きない。
真の正義を求めてキム達の旅は続く・・・。

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