参考ネタ:封印の書チーム
原案:恵駆さん
2月14日
(午後4:35、高校)
勇「どうやら今年も無難に終わりそうだな・・・」
そう呟きながら勇は下駄箱の方へと向っていた。
ふと何者かの気配に気付き、立ち止まって後ろを振り返った。
勇「気の・・・せいか・・・」
勇は再び前を向いて歩き出した。
すると物陰から勇の後ろ姿を見つめる2つの影が・・・
晶「ふう〜、危ない危ない。見つかっちゃったかと思ったよ」
明「いいかげんにしなさいよ、晶」
晶と姉の明であった。
晶は今日一日中、ずっとこうやって勇を見張っていたのである。
明はそれに付き合わされる形となってしまった。
晶「別にいいじゃん、こうやったほうがスリルがあるでしょ?」
明「じゃあ、何で私までつき合わされなきゃいけないのよ」
晶「だってお姉ちゃん、誰かにチョコあげる予定なんてないんでしょ?
だったら私の方に少しつき合ってよv」
明「確かにそうだけど私はいい迷惑よ、それに・・・」
晶「あっ!勇君が行っちゃう。お姉ちゃん、早く追うわよ!」
明「・・・あなたのやってること、
完全にストーカー行為よ・・・(−−;)」
自分の背後で2人がそんなやりとりをしているとはつゆ知らず、
勇は下駄箱に手を伸ばした。
晶「もうすぐ、もうすぐよv。私の思いが勇君に伝わるまでもうすぐよv」
明「だといいわね・・・(無理よ、多分・・・)」
晶「あっ、勇君が下駄箱を開けたわ〜〜〜〜v」
勇「んっ?何だこれ?」
勇は自分の下駄箱の中に奇妙な箱が入っているのに気付いた。
恐る恐る手にとって見ると手紙らしき物まで付いていた。
勇「これは、まさか・・・僕宛のバレンタインチョコレート!?
・・・しかも手紙まで」
晶「やった!受け取ってくれたわ!」
明「単に手にとっただけでしょ・・・」
晶「(無視)さあ、勇君、私の思いのつまったその手紙を読んで〜v」
勇は周りが自分を見てないのを確認すると、手紙を広げた。
勇「げっ、何だこれ・・・見なかった事にしよう・・・」
そう言うと、手紙をくしゃくしゃにして近くのゴミ箱にポイと捨てた。
晶「え〜っ!?なんで?何で捨てちゃったの!?」
明「晶、あの手紙になんて書いたの?」
晶「簡単に私の思いが伝わるように『好きですv』って100回書いたのよ」
明「それじゃ単なる嫌がらせよ・・・」
晶「そんなぁ〜!苦労して書いたのにぃ〜〜〜!
・・・こうなったらチョコで勝負よ!」
が、次の瞬間。
勇「な、何だこりゃあああぁぁぁーーーーー!!!」(松田○作風に)
箱の中のグロテスクな黒い物体を見た勇はそう叫んでいた。そして、
勇「ったく、どこのどいつだ、こんな変な物を僕の下駄箱に入れた奴は」
そう言ったのを最後に、勇はその箱を中身の入ったまま
ゴミ箱の中に投げ捨て、頭に湯気を立ち上らせながら帰っていった。
晶「そ、そんな・・・一口も食べてくれなかった、しかもあんなに怒ってる。
・・・何がいけなかったって言うの!?」
明「全部よ、晶・・・」
晶「が〜〜〜〜ん!!!」
明「もういいでしょ?じゃあ、私も帰るから」
晶にそう言い放つと、明もさっさと学校を後にした。
後には、晶が真っ白になって呆然と突っ立っていたという。
(午後8:15、駅前広場)
聖「へへっ、今年も大漁大漁♪いや〜、モテるって罪だな(^^)」
聖は上機嫌だった。
学校で女子から今年も大量のチョコレートをもらったからである。
聖の弾き語りの腕前はたいしたもので、結構多くのファンがいるのだった。
そして、自分の幸せを分けてやろうと、
バレンタインデーの夜になると決まって駅前の広場で
こうやってストリートミュージックパフォーマンスをするのである。
聖はできるだけ人目に付きそうな所へ腰をおろすと。
ギターとハーモニカを取り出した。
『おい、またあいつだぞ』
『今年もやっぱり来たな』
道行く人々は皆、聖の方を見ていた。ここでも聖は結構有名人である。
そんな話し声をききながら、聖はハーモニカをギターに取り付け、
チューニングを終わらせると早速演奏を始めた。
広場にギターとハーモニカの音色が流れ、人々は聖の演奏に聴き入っていた。
そうしてしばらくの間、聖は声を張り上げて歌い続けた。
と、その時、目の前に見覚えのある顔が映った。
聖「(あれ?サフィアちゃん?それとダグラスさんじゃねえか?)」
聖の目の前にサフィアとダグラスが立っていた。
なぜ2人がこんな所にいるのか聖にはまったくわからなかった。
聖は演奏を中断し、2人の方へと歩み寄った。
聖「やあ、サフィアちゃんにダグラスさんじゃないか。どうしたんだい?」
ダグラス「いや、君を探していたんだよ」
意外な答えが返ってきたことにますます首をかしげた。
聖「俺を探してた?」
サフィア「ええ、駿さんに聞いたらここに来ていると教えてもらったので、
兄さんと一緒に探していたんです」
ダグラス「そしたら君が歌っていたので
ついでに聴かせてもらっていたという訳だ」
聖「それはどうも。で、何で俺なんか探してたんですか?」
サフィア「聖さんに話があるんです」
聖「え?サフィアちゃんが俺に話?一体どんな話なの?」
サフィア「え、ええ・・・その・・・」
ダグラス「とりあえず、場所を変えて話をしよう。いいかな?」
勿体をつけたようなサフィアの口調、
それに合わせたようなダグラスの誘い、
自分にとってよほど大事な事だと聖は直感した。
聖「ええ、俺はかまいませんよ」
聖は楽器を片付けて、ギャラリー達にお詫びを言った後、
2人の後について行った。
あまり人気のない所へ来ると2人は立ち止まった。
辺りをきょろきょろと見回した後、聖は2人に話し掛けた。
聖「で、俺に話って何?」
サフィア「え、ええ・・・あの・・・兄さん、
ちょっとむこうに行っててくれる?」
ダグラス「わかったよ、サフィア・・・」
ダグラスはそう言うと2人の前から姿を消していった。
サフィアはダグラスがいなくなったのを確認すると、聖の方へと向き直った。
聖「で、サフィアちゃん、俺に話って何?」
サフィア「あ、はい、実は聖さんにもらって欲しい物があるんです」
聖「へ?もらって欲しい物って・・・」
サフィア「はい、これです」
そう言うとサフィアは下げてあった鞄の中から
きれいに包装された箱を取り出して、聖に渡した。
聖「これって、もしかして・・・」
サフィア「はい、私が作った聖さんへのバレンタインチョコレートです」
聖「ええっ!?サフィアちゃんの手作りチョコ!?」
サフィア「ええ、麻美さんから作り方を教わって作ってみました。
うまくできてるかどうか不安なんですけど・・・」
聖「い、いやあ、気にすることないって。・・・しかし何だって俺に?」
サフィア「はい、どうしても聖さんにお礼がしたかったんです」
聖「お礼?」
サフィア「はい、私を助けてくれた時のお礼です」
サフィアの口から出た言葉を聞いて、
聖は忘れかけていたあの時の事を鮮明に思い出した。
聖「助けてくれたって・・・あの時のことまだ覚えてたの?」
サフィア「ええ、兄さんを助け出せたことも、
また兄さんと一緒に暮らせるようになったのも、
あの時に聖さんが私を助けてくれたからなんです。
だから、どうしても・・・」
聖「そうか・・・ありがとう、サフィアちゃん。
俺なんかのためにこんなことまでしてくれて・・・本当にありがとう」
サフィア「聖さん・・・」
聖「そうだ、このチョコのお礼といってはなんだけど・・・」
聖はそう言うといきなりギターを取り出し、ハーモニカを取り付け、
その場に座り込んだ。
聖「今から特別に俺の演奏を聴かせてやるよ」
サフィア「え?ここでですか?私以外に誰もいませんよ?」
聖「だからいいんだよ、サフィアちゃんへ
俺からのバレンタインプレゼントさ」
サフィア「本当にいいんですか?聖さん・・・」
聖「さあ、どんな曲がいいかな、リクエストはある?」
サフィア「・・・ありがとうございます。
なら、聖さんの一番好きな曲をお願いします」
聖「OK!じゃあ、始めるぜ!」
聖はそう言うとギターを奏で始めた。
周りにはギャラリーと呼べるような人間など一人もいなかった。
それでも聖は自分に微笑んでくれているサフィアのために歌っていた。
そんな二人をダグラスは遠くで見守っていた。
ダグラス「なかなかいい曲だな・・・」
(午後10:00、封印の書のほこら前)
麻美「ちょっと早く来ちゃったかな・・・」
麻美はそう呟きながら駿を待っていた。
なぜこんな所にいるのかというのは他でもなかった。
麻美はここで駿にバレンタインのチョコを渡すつもりだったのである。
ここなら誰にも見つからないので、
駿と2人きりになりたかった麻美は駿をここに呼び出したのである。
麻美は今か今かと石段の上から道場の方を眺めていた。すると、
駿「おい・・・」
麻美の背後から駿の声が聞こえた。
驚いて振り返ると、そこには駿がいつもと同じ無愛想な表情で
腕を組みながら立っていた。
麻美「しゅ、駿!?いつからそこにいたの!?」
駿「お前が俺を電話で呼び出した時からだ。
お前のことだから指定の時間より少し早く来るだろうと思ってな、
俺も早めに来ていたというわけだ」
麻美「呼び出した時からって、一時間も前じゃない!
ずっとここにいたの!?」
駿「まあな・・・」
麻美「大丈夫?寒くなかった?」
駿「そういうふうに心配するならこんな所に呼び出すな・・・」
麻美「それもそうね(^^)」
駿「お前、少しは反省してるのか?」
駿はため息混じりにそう呟いた。
駿「・・・まあいい、俺に何の用だ・・・
と言ってもだいたい見当はついてるけどな」
麻美「なら、話は早いわね。はい、これ」
そう言って麻美は駿にひとつの箱を差し出した。
駿は表情を変えずにそれを受け取った。
麻美「私特製のバレンタインチョコレートよ」
駿「また奇天烈な物を・・・」
麻美「何か言った?」
駿「別に・・・」
麻美「ねえ、早速食べてみてよv」
駿「・・・お前くらいだぞ、渡した直後に食ってくれって言う奴は・・・」
麻美「いいじゃないの、作ったのは私なんだから
何を言おうが私の自由でしょ?」
駿「わかったよ・・・」
そう言うと駿は箱を開けた。
中にはかわいくデコレーションされた一口大のチョコが数個入っていた。
駿はその中のひとつを取り出し、銀紙をはがして口の中に放り込んだ。
麻美「どう?」
駿「80点・・・」
麻美「え〜っ!?厳しくない?今回は自信あったのに・・・」
駿「だが、悪くはなかったな。去年よりかはよくできてると思うぞ」
麻美「本当?よかった〜〜〜〜(^^)」
駿「・・・・・・(現金な奴だな)」
麻美がころころと表情を変える事はいつもの事だったが、
駿はよくそんなに表情が変えられるものだと少し呆れていた。
そんな駿には御構い無しとばかりに麻美は駿の持っていた箱に手を伸ばした。
麻美「ねえ、私も1つもらっていい?」
駿「・・・作ってる時にさんざん味見したんじゃないのか?」
麻美「それとこれとは別よ。ね、いいでしょ?」
駿「好きにしろ・・・」
麻美「ありがとv」
そう言いながら麻美は、箱からチョコをひとつ取り出し、
一口で食べてしまった。
麻美「うん!やっぱりこれが一番できがいいわ!」
駿「そうか・・・」
駿はそう言うと、夜空を見上げた。月が煌々と光っていた。
麻美もまた駿と同じように夜空を見上げた。
2人ともしばらくの間そうしていたが、麻美がふと話し出した。
麻美「あれからもう7年になるね・・・」
駿「ああ、そうだな・・・」
何がもう7年なのか、駿にはわかっていた。
駿「この場所で俺の父さんと母さんが死んでから7年になるな・・・」
麻美「うん・・・それと私達が『覚醒の書』の力を受け継いだのも
その時よね」
駿「そうだったな・・・」
麻美「それともうひとつあったでしょ?今年で7年目になるのが」
駿「もうひとつ?」
麻美「駿が私に宣言してくれたじゃない」
駿「そんな事あったか?」
麻美「ひっどーい!忘れちゃったの!?」
もちろん忘れていたわけではない、麻美をからかっただけだった。
駿「冗談だ、俺がお前に
『これから先、自分の命に代えてでもお前を守ってやる』
って言ったことだろ?」
麻美「うん・・・覚えててくれたんだ・・・」
駿「忘れてなんかいないさ・・・」
忘れるわけがなかった・・・
いや、忘れたくても忘れられなかったと言った方が正しかった。
そう思いながら麻美の方を見た。麻美は少し照れてるようだった。
すると麻美が照れた表情のまま、駿に話しかけてきた。
麻美「ねえ、駿・・・」
駿「何だ?」
麻美「今でもその気持ち、変わってない?」
駿「・・・?」
麻美「私を守りたいっていう気持ち・・・」
駿「まあな・・・」
麻美「そう・・・」
そう言うと麻美は顔をうつむかせた。
麻美の声は少し元気がなかったように聞こえた。
駿「どうしたんだ、嬉しくないのか?」
麻美「ううん、そんな事ないよ。私、すごく嬉しい、嬉しいんだけど・・・」
駿「だけど?」
麻美「わからないの・・・」
駿「わからない?」
麻美「駿がどういう気持ちで私の事守ってくれてるのかなってね・・・」
麻美のその言葉に駿は一瞬戸惑った。
駿「それは・・・俺が・・・」
麻美「わかってる・・・」
駿の言葉を遮るように麻美は言った。
そして駿の正面にまわり、駿の目を見つめながら話した。
麻美「それは私を、三剣の血を引いてない私を
三剣流の宿命に巻き込んでしまったことに駿は罪の意識を感じた。
そしてこれ以上私を三剣流の宿命の事で
辛い思いをして欲しくない・・・
だから私を守るって言ったんでしょ?」
駿「ああ・・・」
麻美「それは私もわかってる。私にも責任がある」
駿「麻美・・・」
麻美「でもそれなら私も一緒よ。
私だって駿の事守りたいもの。だけど・・・」
駿「だけど?」
麻美「それだけじゃ嫌なの・・・
ただ単に同じ宿命を背負ったから
互いに守るっていうだけじゃ嫌なの・・・
何て言ったらいいのかよくわからないけど、
もっとこう、違う意味で私の事を守って欲しいし、
私も駿の事を守ってあげたいの」
駿「・・・・・・」
駿はしばらく黙っていたが、麻美の視線をそらすように再び夜空を見上げた。
駿「そうか・・・お前もそう思っていたのか」
麻美「えっ?」
駿「実を言うとな、俺もお前と同じ事を考えていたんだ。
・・・ずっと前からな・・・」
麻美「駿?」
駿は再び視線を戻し、麻美の顔を見つめた。
駿「確かに俺はお前を守ると約束した。だが7年前の時は、
自分の目の前で人が死んでいくのをもう見たくなかった、
だからそう言った・・・」
麻美「・・・・・・」
駿「しかし、いつからかその言葉の意味が
少しずつ変わっていったような気がした。
単に俺の目の前で誰かに死んで欲しくない、
お前達を三剣の宿命に巻き込みたくない・・・
それとは違う理由ができた気がする・・・」
麻美「駿・・・」
駿「・・・だから、もう一度お前に言っておこうと思う」
駿はいったん目を閉じ、
何かを自分に言い聞かせる感じで再び目を開けて言った。
駿「俺はこれから先、どんな事があってもお前を守る・・・
俺の命に代えてでも・・・な」
駿の言葉は7年前の物と変わらなかった。
しかし、7年前と違って駿の表情は穏やかだった。
麻美「あ・・・」
駿「どうした?」
麻美「久しぶり・・・だな、って思ったの・・・」
駿「久し・・ぶり?」
麻美「駿が笑ったところ見たの・・・」
駿「そうか?」
麻美「うん、ものすごく久しぶり。
駿の笑った顔、1年以上見なかったもの・・・
もう見られないのかと思っちゃった・・・」
麻美に言われて駿ははっとした。
そういった表情を見せるのはあまり得意ではなかったが、
自分がいつの間にか笑うことすら忘れていたことに駿は今気付いた。
だが、駿はあえて冷静に振る舞った。
駿「俺はそこまで無愛想じゃないぞ・・・」
麻美「そ、そうだよね。駿だって笑うよね」
駿「ああ、俺だって笑うさ・・・」
駿はそう言うともう一度麻美に微笑んでみせた。
すると麻美は急に改まったような表情になった。
麻美「駿・・・」
駿「どうした?」
麻美「ありがとう・・・」
駿「・・・?」
何がありがとうなのか、駿はわからなかった。
しかし、麻美は真剣な顔で、それでいて安心したような表情で駿に微笑んだ。
麻美「私、それを待ってたのかもしれない・・・
駿が、そういう顔でそう言ってくれるのを・・・」
駿「麻美?」
麻美「駿が本当に言いたかったこと、わかった気がする。
そして、駿の気持ちも・・・だから・・・」
麻美はそう言うと、石段を駆け降りていった。
半分くらい降りたところで立ち止まり、駿の方に向き直った。
麻美「だから私も駿に宣言する!
私も駿の事、命がけで守ってあげる!絶対に!」
駿「麻美・・・」
麻美「絶対に・・・絶対に守ってあげるから!
・・・嘘じゃないから!本当だから!」
麻美の言葉を聞いた駿は三度微笑んだ。
しかし、その笑顔はさっきの意識した物と違い、
自然と微笑んでしまったような気がした。
そして、その麻美の気持ちに答えるように優しい声で駿は返事をした。
駿「わかったよ・・・」
麻美「・・・ありがとう、駿」
麻美はそう言うと、よほど恥ずかしかったのか顔をうつむかせ、
さっきほどではないがまた大きな声で駿に話し掛けた。
麻美「この事、聖君達には内緒にしておいてね。絶対よ!」
駿「・・・ああ、この事は俺とお前だけの秘密にしておくよ」
麻美「・・・うん・・・じゃあ、私はこれで帰るから!」
駿「お、おい、麻美!」
そう言って再び走り出そうとした麻美を駿は呼び止めた。
麻美は立ち止まったが、駿の方を振り返りはせず、三度大声をあげた。
麻美「・・・それから、私が作ったチョコ、残さずに全部食べるのよ!」
駿「・・・何だそれは・・・まあいいか、わかったよ」
麻美「じゃあ、また明日ね、駿!」
麻美はそう言うと、勢いにまかせて石段を駆け降りていった。
駿はそんな麻美の後ろ姿を少し呆れて、
それでいて優しい目つきで見送っていた。
麻美の姿が完全に見えなくなると、駿もまた石段を降り始めた。
手にチョコレートの入った箱を大切に抱たまま駿は呟いた。
駿「・・・俺も久しぶりだったな・・・
麻美のあんな嬉しそうな顔を見たのは・・・」
そして夜空を見上げて駿は固く決意した。
駿「絶対に守ってやるさ・・・お前を一人の女性として・・・な・・・」
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